ボイトレで鍛えた発声を実際歌う『曲』に応用する方法

このブログでもボイストレーニングとして声を鍛えて楽器としての幅を広げていく方法はいくつか紹介してきましたが(ボーカルテクニック)、実際にその声を曲で使えるよう落とし込んでいく方法はあまりしっかりと書いていなかったので、実際にレッスンでもやっている内容をご紹介しようと思います。

いくら発声能力の向上を謳っていても、最終曲でそれを表現できないとただのボイトレマニアになっちゃうだけなので、かなり重要な内容です。

スポンサーリンク

まずは大前提としてある程度幅広いレンジで声が『ミックス』されているかどうか?

声区融合が全く出来ていない状態では曲を歌うのはすごーーく難しい

楽曲の表現として声のひっくり返りがマッチしているのであれば歌っても違和感はないと思います(森山直太朗/桜とか)。

ただそういう曲以外だとある程度声がチェスト~ヘッドで繋がっていないと、その段階で何かしら声に支障が出てきます。

  • 力強く歌いたい所で声が裏返る
  • 裏返らないようにチェストボイスで歌い続けると一定の高さから音が出ないorフラットする
  • 母音子音が不明瞭になり言葉が聞き取りづらくなる
  • そもそも一曲通して歌うだけのスタミナがない

等など、一定のレベルまでミックスボイスが鍛えられていないとこれら様々なトラブルに見舞われます。なので実際に曲を練習する段階というのは中級者以上になることが多いです。

ここからこの記事で書くことも、上記のような歌う時声にトラブルが出ない方が対象になると思います。

① スケール練習で歌いやすい母音子音の組み合わせで曲のメロディーを歌う

実際レッスンでも使う方法です

あんまりこの方法を書いているボイトレ本やサイトは多くないのですが、実際のレッスンの現場だとかなり頻繁に行われています。

スケール練習の時に歌いやすい母音子音の組み合わせというのはイコール発声時のバランスが整えやすいと同意義なので、そのまま歌ってみましょうということです。

参考記事 ボイストレーニングの効率的な進め方について、ホームエクササイズの意味とその効果

上の参考記事でも書いているように、気持よく歌えているという事は喉に余計なプレッシャーがかからず、安全に声が出ているということなのでその状態をなるべくなくさないように曲のメロディーを歌う練習をしましょう。

こういう練習をする時の原則として「歌わない」

実際私自身レッスンを受けた時にいろんなトレーナーに何度も何度も言われました笑

「曲を練習してるのに歌うなってどういうこと!?」と思うかもしれませんが、この言葉はとっても重要なので説明しておきます。

多くの場合テクニックトレーニングで発声を鍛えたとしても

歌う際の余計な癖は取れていない

のが大抵です。これがテクニックのレベルと実際に歌う曲とのレベルを分けてしまう大きな原因の一つです。

私自身なんか未だにそうですが、テクニックのレベルと曲を歌う際のレベルに大きく差があります。スケールやロングトーンであれば女性の声域でもある程度のクオリティで出すことが出来ますが、曲を歌おうとなると男性のそこまで高い曲でなくともレベルがガクンと落ちます。

これはスケール練習時の発声を司る脳のスイッチと、曲を歌う時の発声のスイッチがリンクしていないのが原因です。

同じ『声を出す』という動作なのですが、そもそも脳からの信号の時点で違うものが発信されちゃってる状態です。

これは長くボイストレーニングをやってテクニックのレベルが上がれば上がるほど陥りやすい所だと思います。

なのでこういう場合、バランスが取れているスケール練習時の声をなるべくそのまま曲でも使えるように「曲を歌わずスケール練習のように取り扱う」という指導がされるわけです。

スケール練習の時のように淡々とその母音子音を言い続ける

上で書いたように大抵スケールを歌う時と曲を歌う時はスイッチが違うようになっているので、スケールを歌う時の感覚や状態に曲を歌う時も寄せてあげる事が重要です。

曲を曲と、歌と歌と思わないことが重要かもしれません。

よくレッスンでも言ってますが『曲のメロディーがスケールの音階に置き換わったと考える』という事です。

「Mun」であれば「Mun」で歌い続けます、「Mun」なのに歌っている内に「Maa」になっちゃってたりしませんか?

スケールの状態で歌おうとしちゃうと大抵語尾がルーズになる傾向があります。音としては「マン」なので「マー」って伸ばしちゃってたらスケールの時とリンクしてないわけです。

② 母音のみでフレーズをしっかり繋げて歌ってみる

恐らく母音だけで歌い繋げる方が難しい人が多いと思います

上の方法だと子音が付いているのでフレーズ1個1個が切れぎれになるはずです。

この切れぎれになるというのが普段やっているスケール練習と同じ感覚なので、それを曲でも感じやすいというのが大きなメリットですが、母音だけで歌おうとすると基本的に

実際の歌詞で歌った時のフレージングと同じように歌う必要が出てくる

と思います。これが超難しい&いい練習になるわけですな。

この時もスケール練習時の母音の調整を絶対に変えないように

最初の内はフレーズのスタートだけ「Mun」にしてそこから出来るだけ「a」で繋げるとやりやすいかも?

この時もスケール練習と同じで母音を変えないように注意です。高くても低くても最初に出した母音のまま変えないのが非常ーーーーに重要です。

まぁこの練習の時以外でもですが録音してみましょう。最初は絶対維持しようと思ってても出来ていないので・・・笑

フレーズが切れていたり母音が変わっていたりしている場所が曲のどの部分なのか?高い部分なのか低い部分なのか早い部分なのかゆっくりした部分なのか自分で何度も聞き返してみましょう。

番外編 ボイトレ書籍を使用する

数自体多くはないですが本によってはメロディーを歌う練習があるものも

一番のおすすめはYUBA本です。

このブログではロジャー本などもおすすめとして紹介していますが、YUBA本以外は基本的なスケール練習しかCDに収録されていません。

その点YUBA本はCDでの練習の終盤に実際の楽曲と比べると簡単ではありますが、ただの音階ではないメロディーを使ったトラックが収録されています。

実際にある曲を歌う前の事前訓練としてはかなり効果的だと思います。

参考記事 ボイトレ本で独習される方にちょっと役立つ情報 YUBA本編

おわりに

結構長々と書いてきましたが、これってある程度のレベルになると実際にレッスンの中でもやることなので現状レッスンを受けている方は特に読まなくてOKです笑。

またここに書いてあることがよくわからないという方は是非うちでなくてもいいんでレッスンを受けてみてください。実際にレッスンで実践してみるとわかると思います。

今回書いた事自体独学でやるにはかなり難易度が高いことなので、わからなければ信頼できるトレーナーに見てもらいながらやるのが安全です。

それじゃ今回はここまで~