今回はプロが歌っている動画を解説していこうと思います!
こういった試みは聞いている人のイヤートレーニングにもなります、私が解説して聞いているポイントを同じように聞き取れ感じれるように、見て聞いてみましょう!
今回解説するプロアーティストはこのお2人です!
『鱗』秦基博&桜井和寿 with Bank Band LIVE
※YouTubeの動画が削除されてしまっているようなのでこちらからどうぞ
まず最初に・・・・
これから発声的にどうやらこうやら言いますが、このお2人の音楽性や歌唱など私自身は大好きです。
どちらのアーティストのCDも持っていますし、歌うのも大好きです。
ですので、これから書く事はお二人の事を悪く言うつもりはこれっぽっちもありません。
発声的にどういった傾向や状態なのかを書くだけです、それ以上でも以下でもありません。
2人の声の傾向・状態
まず比較する前にある程度簡単に項目化しておきましょう。
項目1 CTとTAのバランス
簡単に言えばヘッドボイス寄りの筋肉群(CT)とチェストボイス寄りの筋肉群(TA)の割合の話しです。
このバランスが取れていて、且つ両方が協力的に動作していれば低音から高音まで躓いたり引っ掛かったりすることなくスムーズに行き来できます。
どちらかに比重が寄ると、声が軽くなりすぎたり張り上げてしまったりします。
項目2 母音の純化
低音域でも高音域でもきちんと母音を保っていられているかどうか。
今回の動画で分かりやすい比較が出来ると思いますので、またその時に。
まぁ最初なんでこの2つで比較してみましょう、これからシリーズ化していくにあたって増えていくと思いますが、必要になったらその都度増やしていきます。
では実際に項目に当て嵌めていきましょう。
桜井和寿さんの声の傾向・状態
項目1 TAが強い/CTが弱い
TAに比べてCTが結構弱い感じですね、チェストボイスの成分が多い声だと言えます。
少し高い音域でも声が固く、ある程度太さも保ったままです。
ですが高くなればなるほど、チェストボイスに掴まっているのが引っ掛かりになってしまい、上手く高音域を歌えなくなっているようです。
項目2 全体的に開き気味
高音になるにつれて、ほぼ全ての母音が広がっています。
1:47秒あたりで「会いたいんだ 会いに行くよ」の部分で『い』が『え』のように聞えませんか?
これが母音が広がっている状態です、つまり本来の母音は『い』だけどそれが保っていられなくなって『え』になったということです。
これは別に『い』や『え』に限った話しではなく、どの母音でも起こりえます。
秦基博さんの声の傾向・状態
項目1 CT/TAともにある程度バランスが取れている
どちらも割合バランスが取れている状態です、少しCTが弱いとは思います。
低音では豊かな太い声で、高音でも太さ豊かさをある程度保ったまま発声出来ています。
項目2 比較的閉じられている
『お』と『う』はわりと綺麗に保てていますが、その他の母音が少し開き気味ですね。
4:04秒あたりの「身にまとったものは捨てて」の部分で少し声が引っ掛かっているように聞えませんか?
そこが母音が開きすぎている部分です。
ですが桜井さんと同じ歌詞を歌っている部分の4:46秒あたりの「会いたいんだ 会いに行くよ」は綺麗に歌えていますよね、これは母音を操作してスムーズに歌えている分かりやすい比較だと思います。
同じ歌詞でもこれだけ母音の処理の仕方が違います
この動画ではお2人が1曲を歌っているので大変わかりやすいですね?♪
「会いたいんだ 会いに行くよ」の比較は両者の歌い方ははっきり違うので、比較しやすいですし、意識して聞いてみると結構違う事に気づくんじゃないでしょうか?
こういった聞き方や感じ方は、自身のトレーニングでも非常に役に立ちます。
というかこの違いが聞き取れないと、中々成長に繋がらないともいえます。
今回は分かりやすい例を挙げましたが、みなさんの声ではこういった母音の変化がもっと微妙?な感じで起こっている可能性があります、これが自分で気づけて操作出来たら上級者ですね。
そしてこの動画でわかる、今日から出来るボイトレ実践講座!
おまけです!この動画でお2人の歌い方で大きな違いが有り、それが母音やらなんやらを良い方向に導いているものがあります、それはなんでしょう?
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では正解発表!
それは口の開き方です!
コラムでは何度か口を縦に開くというアドバイスをしてきましたが、この動画でお2人の歌い方で違うのがこの口を縦に開いているかどうかです。
秦さんはサビの高音部になると大きく口を縦に開けているのがお分かりでしょうか?
対して桜井さんは秦さんに比べて高音部でも口はあまり開いておらず、開き方も横方向だと思いませんか?
そして顎の硬さが動画から読み取れますか?桜井さんは声の強さを保つために顎を固めています、秦さんは一気に顎を下げてわりと脱力しています。
この違いがわかればOKです!
そしてこの事から言えるのは、『高音域で母音をなるべく保つためには口を縦に開く』ということです。
これにはいろいろな根拠があるのですが、物凄く簡単にまとめるとこうなります。
歌を歌っていて高い部分でなんだか声が突き抜けない・・・・とか思うように声が出ない・・・・と感じる人はその部分で動画の秦さんのように口を縦にグッと開けてみてください。
それだけで上手い具合にスルッと高音が綺麗に出る事はかなりの確率でありえます。
ということでプロの方の声を聞いて分析してみました、評判がよければまた違うシンガーの声でやりたいと思います?♪
それでは!