なんだかウチのブログで人気の記事である解剖シリーズの第二弾です!
タイトルのシンガーを知らなければ、前回の記事を読んでからこの記事を読んでください♪
私自身昔から超好きなシンガー二人なので、メカニズム的な事よりただの感想になるかもしれませんが笑 ご了承くださいm(_ _)m
今回の記事で比較に使う曲はOpenArmsです。日本のドラマである「海猿」の主題歌にもなっているので、知っている聞いたことあるという方は多いんじゃないでしょうか?
下の動画はJourneyの全盛期のシンガー、スティーヴ・ペリーが歌ったものです。良い声ですね?♪
軽く声の傾向などを分析してみましょうか。
スティーヴ・ペリーの声の傾向・状態
どうこう言うのもおこがましいですが・・・
ここまで完成されてる声に対して、あーだこーだ言ってもしょうがないのですが、ボイトレブログなのでそこは少し細かく聞いてみましょうか。
解剖シリーズの第一回目ではCT/TAのバランスや母音について書いていましたが、今回は比較するどちらのシンガーもそれらが大変高いレベルで完成されており、大して比較にならないため廃止します。
なのであくまで私はこう聞こえるという、最初にも書きました感想的な分析です。
このスティーヴ・ペリーは元々の声が少しハスキーでスモーキー(こういう表現で伝わるかな?笑)なのが特徴的なシンガーです、ガラガラなわけでもなく超クリアなわけでもない、聞いててとても心地いい具合の枯れ具合だと思います。
この曲はA・Bメロから徐々に音域が高くなっていき、サビで爆発するという王道的なパターンのバラードです、なのでサビで曲中の最高音が出るのですがよーくA・Bメロとサビの声を聴き比べてみてください。
サビの部分で少し声が薄っぺらくなってるのが分かりますか?
上で書いたように元々ハスキーで少し多く息を流して歌う発声なのですが、これが高音域だと息の量に声帯が耐えようとして固くなっているため少し薄く聞こえるんですね。
動画の1:03辺りのサビ入り以降の部分とそれ以前の声でほんのすこ?し声の質が変わります。その辺りから段々声帯に余裕がなくなってきて、効率的に振動できなくなっていると思われます。
ちなみに予想ですが・・・
スティーヴ・ペリーは全盛期の声はそれはもう素晴らしいですが、活動していた期間の終盤は少し声に陰りが見えていました。
こういうハスキーな声というのは、声として鳴らそうとした時一般的な声より多くの息を必要とします、なのでどうしても楽器としての寿命は平均的に短くなります。
それも超売れっ子だったわけで、様々な環境で物凄い数のライブをこなしていたわけですから、通常よりも摩耗するのは当たり前ですしどうしようもありません。
なので今現在も「Journeyのボーカルはスティーヴ・ペリー!それ以外認めん!」って方多いんですが、今現在ももしスティーヴ・ペリーがボーカルとして舞台に立っていたとしても、全盛期のようなあのハイトーンボイスは聞けないと思います。往年の名曲は軒並みキーを下げられてしまうでしょう。
メンバー自身が自分たちのジャンルをクラシック・ロックと言っているので、やはりボーカルの交代というのはバンドにとっても必要な出来事だったんだろうな?と思います。
ただいろいろ否定的な事書きましたが、なぜ未だにこのシンガーを支持する人がいるのか?という部分も合わせてアーネルの声を分析したいと思います。
アーネル・ピネダの声の傾向・状態
こちらもどうこう言えるレベルではないですが・・・笑
声としては物凄い完成度ですね、上から下までどこをとっても欠点がありません、すごいです。
上のスティーヴ・ペリーのバージョンとサビ頭の『So now I come to you』の『come』の『a』という母音を聴き比べてみてください。どちらの動画も1:02辺りからの部分です。
アーネルの方はこの部分で声が太く豊かになっているのが分かりますか?ここは母音の調整がぴったり出来てる部分ですね?お見事です!
ここで少しでも母音が広がるとこういう豊かな声にはなりません、こういう部分を比べるとアーネルの方がボーカルテクニック的には少し上手なのかもしれません。
またこのアーネルはyoutubeなどで検索するといろんなバンドのカヴァーをしている動画が出てきますが、どのシンガーの曲も結構そっくりにコピーしてます。
このバンドに加入するきっかけになった「ZOO」というバンドでもいろんな曲をカヴァーしていましたが、その頃からすごいコピー率でした。
元々の土台であるテクニック部分が強固でないと、違う声に寄せるなんでこと出来ません。いや?・・・すごいですね?・・・笑
じゃあなぜ今でもスティーヴ・ペリー支持派がいるのか?
まぁもちろんバンドを創り上げたメンバーですし、未だに歌い継がれる名曲の大半を作り、彼がいなければこのバンドはJourneyと言えないという部分が大半でしょう。
しかしボーカルの技量としてみた時、やはり作った人が歌うと違いがあるのか同じ曲でもスタイルの部分でかなり違いがあります。この曲でもそれが聞けるのでまた聴き比べてみましょう。
簡単に書くと、スティーヴ・ペリーの方は1番のサビの歌い方と2番のサビの歌い方が大きく違います、気づきましたか?
上の歌詞で比較した部分『So now I come to you』の『come to you』の歌い方が1:03と2:30では大きく違います、1:03では少し抑えて軽いヘッドボイスで歌っていますが、2:30ではかなり強いヘッドボイスで歌っています。
アーネルの方では1番2番共に同じように歌っています。
通して聞くと明らかにスティーヴの方が聞いていてすんなりくると思うのですがどうでしょう?こうして比較して聞いてみるとアーネルの方はちょっと起伏が足りないと思いませんか?
作った人間の強みなのか、曲に対する認識の違いなのか、声自体はそれなりに似たシンガーなのですが同じ曲を歌ってもこれだけ違います。こういう違いが今でもスティーヴ・ペリーというシンガーが支持される理由かもしれませんね。
おわりに
今回はあまりボイトレのテクニック的な部分は書けませんでしたが、スタイル面が結構お勉強になったんじゃないでしょうか?
よ??く聞いてみると、プロのシンガーがどれだけ細かく一言一言に気を配っているかわかると思います。
そういう所まで聞いて、自分の歌にも使えそうな部分がないか探してみてください。結構些細な事で歌がグーンと良くなることも十分ありえます!
ということで今回はここまで!