気をつけて!ボイストレーニングをする上で間違いがちな感覚のお話し

ボイストレーニングをしているとそれはそれは様々な感覚が語られます。

しかし多くの人がその感覚について大きな勘違いをしています。

今回はそれについて書いてみようと思います。独学でいろいろ調べながら練習している人には特に読んで頂きたいです。

これに気づけているか、理解しているかで独学の場合大きく進歩の速度が違ってきます。

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話はボイトレ黎明期に遡ります・・・・

発声指導や発声理論などはわりかし最近生まれたものです。

それまでは生まれつき歌の上手い人間が歌手になっていましたが、しばらくしてその生まれつき歌の上手い人間が教えるという事をビジネスにしだしたのです。

そうして発声を指導するということが始まりましたが、生まれつき歌の上手い人間はまさに生まれつきなのでどう教えて良いかわかりません。

“感覚”で教える始まり

今のように科学的にどういったことが喉で起こっているか、どのような声を出せば喉のどこを使っているかなんてわからない訳です、機械も無ければそんな事を調べている人もいないわけですから。

そうなると指導者たちはどのように教えたのでしょう?

多分感覚で教えたと思います。「私はこういう声を出すときはこんな感覚で、ここを意識して声を出しているよ!」みたいな感じだと想像できます。

これが昨今まで続いている日本での教え方の元になっています。

それから紆余曲折ありつつも・・・・

それから科学も少しずつ進歩しながら、いろんな発声理論が出てきては消え出てきては消えていきました。

「声量・音域にはとりあえず呼気を強めろ!」「それではだめだ力を抜いて頭に響かせろ!」「頭声はだめだ!全身に力をこめて胸声で歌え!」などなどなど

それは多くの発声家や科学者が研究し実践し・・・・という事が今日まで続けられてきたわけです。

そんな歴史がちょっとずつズレを生じさせてきました

さぁそんなこんなで感覚で教えるというのが今の教え方の元になっていると言いましたが、それが今では大きくズレてきてしまっているんです。

このズレは今に始まった事ではなく、この感覚で教えるという事が始まってから少しずつ生じたものだと思います。

そしてこのズレは昨今日本のボイストレーニングでは大きな足かせになっているように思います。

指導者と追随者でのズレ

指導者は自分が出している感覚を生徒に伝えているわけです、これには完成された声を出しているという枕言葉が付きます。

ですが生徒はそうではありません、なので本来正しい方向として生徒は
「指導者が感じている感覚を、自身も体感できるように訓練する」
というのが必要になってきます。

ですが最近の傾向はこうです
「指導者が感じている感覚を、そのまま体感しようと操作している」
こうなってきています。

頭に響かせて!鼻に声を集めて!軟口蓋を下げるように!脱力して!

なのでこんな風な指導が行われるのです。

ですがこれでは全く意味がないのです、なぜならばこれらの感覚というのは正しい理想的な声を出した結果体感できる事だからです。

なのでこれらを意図的に身体で感じようと操作すると、欲しい結果が得られないのです。

高くて伸びやかで煌びやかな声を出した結果、頭に響いている感覚がするのであって、頭に響かせようとしても目指す声は出ません。

力強く太く伸びやかな声を出した結果、鼻の辺りに共鳴・共振を感じるのであって、鼻に声を当てようとしてもそんな声は出ません。

ほとんどの指導法がこんな間違いの上になりたっています

日本で多く広まっている指導法は多くのものがこのような間違い・勘違いでなりたっています。

結果を得るための手段が、目的になっているんです。

こんな指導に悩まされた方は日本中に数多くいらっしゃいます。

しかもこのような指導法は元を辿れば才能の塊のような、何も考えずに自由に歌える人間が感じた感覚です。

多くの人はそうではありません、なのにあまりにも高いレベルから持ってきたものを感じようともがいているのです。

最近は少し落ち着いてきた感もありますが・・・・

最近は海外の理論や科学的に声が見られる様になってきたので、このような指導は少しずつ減っているのですが、それでも一定数こういう指導をしている所もあります。

また最近はこの感覚で指導するものと、ある程度の科学的根拠を混ぜ合わせたメソッドが増えてきています。

それらもまぁ問題は多くおすすめ出来ないのですが、それはまたの機会にします。

訓練していく上でこの感覚には十分注意しましょう

最後になりますが、やっとみなさんの練習についてお話しようと思います。

いろんな書籍やサイトなどで様々な練習方法や感覚が書かれています。

それらは結果得られるものであって、それを体感しようと身体を意図的に操作しない事です。

練習の初期ではそのような感覚や操作が良い方向に導く可能性もありますが、多くの人が向き合って行かなければいけないブリッジエリアについてはこの様な意図的に操作するというのが最大の敵になったりします。

こういった感覚的な記述に関しては「なるほど~上手い人はそうなんだ~」くらいの認識でいいです。

「じゃ何を手がかりに練習すればいいんだよ!」と言う方は私のレッスンを受けてください。

というのは無責任な気がするので笑何度もコラムで紹介しているこのボイトレ本などで練習してください。

感覚を得ようとするとどこかに余計な負荷がかかります。

Googならば低音でも高音でもGoogを言い続ける、MumならばMumを言い続ける事が重要です。

正しいバランスで歌っていられるならば、指導者が言っている事も体感出来るでしょう。

その体感が出来ないならば何かが間違っています、ですが意図的に操作しないでください。

何度も繰り返し繰り返し考えながら練習すれば、なんらかの変化は必ず起こります。

ということでボイストレーニングをしている方に向けた注意喚起でした。

それでは!