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“歌の才能”と勘違いされ続けてきた“声のスタートライン”

ボイストレーニングTips

歌や発声というのは、普通に声を発して喋れる程度の能力があれば、誰でもプロ並にも上手くなることも出来ます(多くの場合めちゃくちゃ時間はかかりますが)。

これは喉という楽器自体が音を出すという機能に限って言えば、めちゃくちゃ個体差が少ないものだからです。

しかしこの喉の機能と、それを今までどう使ってきたか?という部分は違いますよ?ということと、それが世の中では歌の才能とされてますよ~という事をお話します。

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喉の機能に大きな違いはないが・・・

それをどれだけ使ってきたか?というのは大きく違う

ここでめちゃくちゃ簡単な例を上げてみます。

幼年期からはしゃぎまくって、お母さんから「静かにしなさい!」と叱られてもやめず、少年期も落ち着きなくよく喋り、そのまま青年になってもおしゃべりが好きなAさん
小さな頃から物静かで、少年期は本を読むのが好きで、騒ぐのもおしゃべりもあまり得意じゃないまま青年になったBさん

さて、この二人の青年は同じような楽器を生まれたときから持っていました、そういう意味で才能の有無に全く差はありません。

しかし同じ年齢、例えば20歳になったときの喉の機能的な部分は全く違うものになっているでしょう。

この違いを世の中では歌の才能とされているわけです、でもこれは後天的なものなので生まれついての才能ではありません、二人は全く同じとは言えないものの、ほぼほぼ同じ機能の楽器を生まれながらに持っていたんですから。

物心が付く時には得意不得意がはっきり別れる

Aさん=なにもしなくても歌が上手い人

つまり上の簡単な例で出たAさんのような人が、特に練習などしなくても声がある程度出る人ということが多いです。

加えて学生時代に運動部などで大声で応援しまくっていたり、生活の中で声を出すことが習慣化していたら、尚更Bさんのような普段あまり声を出さない人との差は大きくなるでしょう。

こういうことを言うと「私は学生時代合唱部だったのに歌が下手です!」とか「軽音でボーカルだったのに歌は・・・」という人がいますが、それは前から言っているようにそのジャンルの声の出し方しかしていないからです。それだとそもそもの機能性は育たないわけです。

逆にそのジャンル特有のマナー、つまり発声時の癖を長く続けていると、そのせいでよろしくない固着を起こすことが多々あります。

例えばクラシックや合唱などの訓練を長く積んできた人ははっきりとした地声が出なくなっていたり、逆にバンドサウンドの中での発声を長く続けていると弱い裏声が取り出せなかったりと色々な症状があります。

まぁこの辺の話は↓の記事に書いてますのでどうぞ。

歌が上手くなりたい!という時に知っておきたい『ボイストレーニング』と『ボーカルトレーニング』
この記事は2014年1月に公開したものを書き直したものです。 結構昔に書いた記事だけど、中々良いこと...

なので上記のような特定のジャンル内での訓練ではなく、とりあえず大きな声を出そうとし続ける=喉の機能を十分に働かせないと実現できないような運動を続けて来た人の方が、自在性を持っているということは往々にしてあります。

要するに、発声能力に個人的な才能の差はなく、現状のあなたの声は今までどういう風に声を使ってきたかの結果でしかないということです。

スタートラインには大きな違いがあるかもしれないが・・・

それが才能そのものだと勘違いしないで!

才能がないんじゃなくて、今まで使ってきてなかった部分が山ほどあって、そのせいで思うように音が出ない楽器なだけで、訓練すれば誰でも良くなります。

ただこの事実は1つの大きな事実を示しています、それは訓練を始めるのであれば早いほうがいいということです。

以前にTwitterでこんなことを呟いてました。

この呟きでは多くの人は地声をメインに使ってきてるんだから、それに見合った裏声にするにはそれ相応の時間がかかるということを書いてるんですが、このような地声/裏声のバランスのみではなく上でも書いたように発声の際の癖というのもそれをどれだけの時間をかけて付けてきたのか?ということです。

例えば10年間、常に歌いにくいなーという状態での発声を続けてきたのであれば、それが1年や2年でパパぅと変わるということは考えにくいということはなんとなくわかると思います。

つまりボイストレーニングを必要と感じたのであれば、始めるのは早いに越したことはないということです。

育ってきた環境=才能?

好き嫌いも声も同じわけないよね

この記事を簡単にまとめると、

小さい頃からでっかい声出してそれがデフォルトの人と、普段の喋り声から小さい人の発声レベルが同じわけないよね

ってことです。

これが全く訓練を受けずに歌手になったような人だと、

小さい頃から常に音楽に触れて常に歌いながら生活してたような人と、中学生になって初めて音楽に目覚めて歌い始めた人が同じ発声レベルなわけないよね

みたいなことですね笑

声というものに触れてる時間でも個人個人大きな違いがあり、その上に上記のそもそも声の運動性能を上げるためになってきたのか、それともただ癖を付けてしまっていたのかの違いにより、さらに個人差が出ます。

おわりに

今回ここで書いたのはあくまで例です、でもこういう声の始めの段階から考え出すと、このブログで何回も言ってるように世の中に蔓延ってる短期間で声が変わるよ!系の当てにならなさがなんとなくわかると思います。

多くの場合、今まで生きてきた年数、喉からすると栄養にならないようなものばかり食べさせられてきたという人の方が多いわけです(私もその中にどっぷり入ってます笑)。

たまたま栄養になるものばっかり与えられたのが全く訓練せずにプロになったというだけで、それは才能というより環境の違いです。

なので時間をかけてゆっくり確実に栄養になるものをあげて、喉を育てていきましょうね~というお話でした♪