ボイストレーニングをする時に『脱力』は必要なのか?

昔から初回体験レッスンや、新規のクライアントさんによく質問されるもので

  1. 腹式呼吸は必要ないのか?
  2. 日々の練習方法は?
  3. 日々の練習時間は?
  4. 脱力しないとダメ?

といったのが定番になっていたのですが、この中で1~3はこのブログの記事にして解説していると思うのですが、4の脱力に関してはしっかり解説してなかったな~と思ったので今回少しお話しておこうと思います。

私の基本的な考えとしてはボイストレーニングする上で『脱力』は別に意識しなくていいんじゃない?って感じです。

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脱力が必要な状態というのは非常に限られてる

本気でガッチガチな発声状態だと脱力は必要

これはつまり発声するとなった瞬間に、

声の大きさ・高さ = 息の量・身体のテンション(力み)に比例する

という状態になっている方が多く該当します、レッスンさせていただいて感じるのは、こういった症状でお悩みなのは全体の2~3割くらいの方ですね。

なのでそこまで多くないって感じです。というかこの状態でも色々と大きなデメリットはあるものの、そもそも声は大きく出てるし、高音もある程度は出せたりするので、本気で改善したい!もっと楽に歌いたい!良くなりたい!という向上心のある方しかボイストレーニングを始めようと思わないことも数の少なさの要因だと思います。

こういった状態の方であれば、とりあえずそこまで負担をかけなくても声は出せるんだよ~ということを脳と身体にわかってもらう必要があるため「とりあえず脱力しましょう」という指導はある程度役に立つかもしれません(私はこういった指導はしませんが笑)。

ある1つの音色だけで判断すると危険

例えば地声でしっかりとしたトーンの声を出そうとして↑のような声の大きさ・高さ = 息の量・身体のテンション(力み)になってしまう場合に「もっと脱力して!」という指導をしてしまうと、それ以外の音色を出しているときにも脱力してしまう可能性があります。

しかし地声のそのトーンはテンションかけすぎな発声になってるけど、裏声は逆にどんなトーンを作ろうとしてもテンションが弱すぎて息が漏れすぎている状態になっているという場合、脱力して!という指導は完全に逆効果になります。

つまりボイストレーニングする上で、全体的な状態を指して「◯◯して」という指導は非常に危険かつ成長を見込めない可能性が高いので、基本的に発声するときは常に脱力してなければいけないという思考は必要ありません。

無駄な力みがなく楽に自由に発声できる状態

それは最終的に目指す地点であり、トレーニング方法ではない

そりゃ「脱力して!歌うのに力はいらないの!」って言われてそれが出来て、その状態で歌えればそれに越したことはないんですが、それはもう発声の最終地点の話しです笑

それに到達するために行うのがボイストレーニングなわけで、最終地点でやっと再現できる状態を、それよりもーーーっと手前の段階でできるわけないですよね(; ◉◞౪◟◉)>

この脱力を意識して上手く歌えるレベルの人は、どんな素っ頓狂なトレーニング方法でも成長できるようなそもそも声を自在に扱えるような人だけでしょう。

まとめ:『脱力』を意識するのは声の状態による

常に脱力して、どんな声を出すときにも必要以上に力んじゃだめなんだ、とか常にだらーんと力の抜けた状態でボイストレーニングをするのが良いんだとかは全く考えなくていいです。

そもそも声を出すときに必要なテンションがかけられないパターンの人は「もっと喉とかお腹にテンション感じていいですよ~」という指導が必要なこともよくあります。

何を意識して・どう出せば良いのかは、狙って出したい声の音色や声量・その他のバランスによるので、とりあえず脱力して出すようにするという、ある種の思考停止なトレーニングは非効率的なので止めた方がいいでしょう。

しかしこの脱力云々に関することは、自分一人の感覚や意識だけでは測れない、というか基準が自分しかないので、中々難しい部分だったりします。なので自分の発声するときの状態がトレーニングしていく上で適切なのかどうかというのはやはりボイストレーナーに聞いて、ある程度の状態をアナウンスしてもらい、自分の感覚や意識とすり合せて修正・練習をしていく必要があるでしょう。

  1. 何でもかんでも脱力すれば良いわけじゃない
  2. 本当に脱力して発声する必要があるかどうかは状態による
  3. 一人で診断するのは難しいからトレーナーに聞いてもらうのが良い

ということでございます。

この脱力という言葉に取り憑かれて、必要最低限のテンションすらかけれなくなり、その状態で声が固着状態になってしまっている方も多くいます。

何度も何度もこのブログに書いているように、なにか1つの状態や意識だけをもって練習しちゃってると大抵それは自在性を高めるトレーニングにはならず、不自由さを生む固着になってしまうということです。

何を狙って、何を動かしたくて、どんな音色になれば、どういった効果が見込めるのかというようなことを、一つ一つのメニューでしっかり分けて、考えて、意識してトレーニングしていきましょう。

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