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【参考音源付き】高音域で息の量を減らすためのトレーニング【吸気発声】

参考音源付き記事

前回更新した記事の内容をもっと詳しく解説してほしいというような旨の質問をいただきました。

このブログでも何度も繰り返し書いていますが、音域が上がるにつれ息を増やして呼気圧でなんとか声を出そうとする状態・癖というのはボイストレーニングをしていく上で、最優先に解決したい部分だったりします。

この状態を引き摺りながらのトレーニングでは、望む効果の半分も得られないんです。なぜならどんなトレーニングをやっても、大量の息を吐かないと狙った状態にならないという非常に限定された訓練になってしまうからです。

すごく端的に言えば、よくレッスンでクライアントさんにもお伝えしてますが、声を出す時に息・呼気圧に主導権を握らせてはダメということです。

ということで今回は高音域で息を使わなくても良いんだよ~ということを脳に覚えてもらうために使えそうな吸気発声での練習方法をいくつかご紹介します。

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1. 吸気での裏声発声

呼気での裏声発声時にどうしても音量が大きくなってしまう場合に有効

【こんな声出せますか?】第3回:吸気性の裏声
第3回目の【こんな声出せますか?】ですが、今回は武田梵声先生の書籍に収録され、フースラーメソッドでは...

基本的な出し方やポイントはこの↑記事に書いてあるので、まだ読んでない方は先にそっちに目を通しておいてください。

呼気での裏声発声の際、思いっきり息をぶつけて発声してしまう場合、吸気にするとその癖が抑えられることが多いです。

呼気の場合、息を増やせば増やすほど音量は増し、音域も高くなるので、そのテンションで頑張っちゃいがちなのが、吸気だとそもそも息を吸う量を増やしても声にならなかったり、音高が上がらなかったりするので、体感的にも出音的にも「このやり方じゃ無理だな」と理解しやすいです。

2. 吸気発声でシュナル/ボーカルフライから裏声に移行

吸気の裏声発声でも息が減らない場合はこっち

案外このブログでは紹介してなかったのですが、まぁここに行き着いたような方はすでに知ってるでしょう、文字で説明すると呪怨の「あ”あ”あ”あ”あ”」というブツブツギリギリした超低音域の声です。

こんな感じの音です、喉頭の位置やテンションのかけ方によってもっと色んな音色になりますが、今回はこれを吸気でやります。

1の吸気の裏声発声でも息を吸いすぎてスカスカになったり、声にならないような状態になってしまう場合、地声よりももっと低い部分から裏声に連結させてみましょう。

ポイントとしてはこんな↓感じです。

  1. 喉頭の位置はちょっと下げ気味にする
  2. 母音は「オ」がベター
  3. ブツブツギリギリしたトーンを維持し続ける
  4. 音高が上がるにしたがって音が小さくなるイメージで
  5. 慣れるまで高さは裏声で出しやすい音域でOK
  6. 音がでなくなっても音を上げていくイメージを離さない

この↑音源での最高音はA4#付近ですが、もうちょっと低くても、もっと高くてもOKです。なるべくギリギリジリジリしたトーンを保ってください。

ただそのトーンを作りすぎようとしすぎても音量が大きくなりすぎて音高が上がらなくなったりするので、それは今回の練習方法の場合NGです。

3. 吸気発声でシュナル/ボーカルフライからホイッスル/フラジオレットに移行

2ができるようになったらこっちにも挑戦してみてください

2の状態ようにシュナル/ボーカルフライから裏声にスムーズに移行できたら、そこからさらに音高を上げてみましょう。

もしかするとホイッスル/フラジオレットもこのブログで扱うのは初めてかもしれないので軽く説明しますが、笛みたいな声のことです( ◉◞౪◟◉)

Mariah CareyとかMISIAが曲中で時々出してる超高音のピーとかヒューって音です笑

↓の音源の00:14~の音ですね、音高はC6付近です。

こっちのポイントも2のままです、音量は絶対大きくしないように、というかさらに音高を上げようとすると小さくせざるを得ないということに気がつくと思います。

これも音量を大きくしながら無理くりホイッスルフラジオレットに移行することもできますが、今回の目的からは逸れてしまうのでNGです。

ここまで出せれば音高=息の量・圧力という呪縛からは開放されていくので、普通に呼気での裏声発声も息に頼らず出せる下地ができます。

まとめ:感覚・体感の変化を感じやすい状態で練習する

呼気での高音域を練習しようとすると、自分が必要以上に息を吹いていたりめちゃくちゃテンションがかかっているということに、長く練習している人ほど気づきにくいものです。

そこで吸気発声を利用すると、明らかに音色が変化したり、体感的に「無理してる」ということに気づきやすいのでこういう形で利用してみましょう。

超小声でも、というかどれだけ音量を出さなくても高くしていけるかがポイントなので、どこでも練習できます、暇があればどんどんチャレンジしてみてください( ◉◞౪◟◉)b

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