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音感/リズム感の問題を解決するのはボーカルトレーニング?

ボイストレーニングTips
この記事は2014年01月に公開したものを書き直したものです。

最近はカラオケの採点機能などで音程やテンポの正確性などもある程度測れるので、それをみて「音程正確率が悪い・・・音感が悪いのか」とか「リズムが走り気味だな・・・リズム感がないのか」と思ってしまう方が多いようです。

この記事を公開した2014年頃からレッスンに来られるクライアントさんの中にも一定数この音感やリズム感が悪いから改善したいと仰られる方がいらっしゃいます。

ただし当研究所はあくまでボイストレーニング専門なので、音感/リズム感を確実に鍛えることができるようなトレーニングはできません、にも関わらず最初に↑のように悩んでいた方々はボイストレーニングをすることでほとんどが改善していきます、なぜでしょう?

ということで今回は「リズム感や音感が無くて困っています・・・・」という悩みについて、それって本当に「リズム感・音感の問題」ですか?

ということで少し解説していこうと思います。

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問題の原因を見極める

本当に音感/リズム感“だけ”の問題なのか?

そもそもカラオケなどで曲を歌った時に現れる音程やリズムの問題というのは、多くの場合発声の状態が主な原因であることが非常に多いです。

何度かこのブログでも書いていますが、つまり曲をこう歌いたい!というイメージと実際に出せる声の大きな乖離があり、そのせいで発声の状態に加えて音程やリズムまでこんがらがってる状態といえます。

ここからいくつか発声起因で起こりがちな歌唱時の問題を挙げてみましょう。

発声の状態が原因で起こりがちな『リズム』の問題

1. リズムが走り気味(早く)になってしまう

この場合、そもそもリズムキープが全く出来ないような状態であれば、メトロノームに合わせて手拍子を完璧に合わせられるようにする~といった訓練が必要かもしれませんが、カラオケで歌っているときテンポが早く難しい曲を歌うと、所々オケを置き去りにしてしまうというような症状であれば、大抵原因は発声の状態が不安定だからということだったりします。

ある程度正しいテンポは身体にあるんだけど、特定の箇所(よくあるのは歌詞が詰まっていて尚且音域が高めのフレーズ)だけゴチャゴチャっとなってしまうのであれば、歌詞を発音するという部分と音高の素早く確実な移動が出来ていないパターンが非常に多いです。

そしてこの歌詞を発音するというのと、音高を素早く確実に動かすというのは喉のお仕事、つまりボイストレーニングで鍛えられる部分です。

あとこれは超なんとなくな診断ですが、比較的裏声のテンションが強い、もしくは声帯が薄くなりすぎている場合、この走り気味な状態になりやすいと思います。

イメージ的にはあまりにも声帯が軽すぎて、摩擦がない状態という感じですかね、音高の移動をやりやすい状態にしようとしすぎて、ズラズラっと言葉が流れちゃうようなそんな状態であることが多いです。

2. リズムがタメ気味(遅く)になってしまう

この場合は走り気味になってしまう場合とは逆で、声が軽く動かせない、重たすぎる声で歌っているとちょっと複雑な早いフレーズになると途端に対応できなくなるという事が起こりがちです。

もしくは自分の歌いやすい声の状態を優先しすぎて、音符のお尻の方で合わせるのが癖になっているという可能性もあります、声帯の調節をできるだけ確実にやろうとするとこうなります。

発声の状態が原因で起こりがちな『音程』の問題

1. 音程がシャープ気味(高め)になってしまう

音程の問題に関しては、リズムの問題よりも圧倒的に発声が原因である可能性が高いです。声の高低を作るのは声帯なので、そこが狙ったようになっていないということは、そもそも発声の状態が何らか不自由であるというのが大半です。

音程がシャープ気味になってしまうという場合、あまりにも薄い裏声で歌いすぎていたり、地声が思うように協働してくれないとき、すっぽ抜けて音程がいきなりフワッと高くなってしまうことがよくあります。

この場合、地声をトレーニングし、裏声と釣り合いをとらせながら、両方の要素を同時に稼働できるようにすると改善していくことが多いです。

1. 音程がフラット気味(低め)になってしまう

これもまたシャープ気味になってしまう場合とは逆です、地声的な声帯の使い方、要素が多すぎて、音高を上げられない場合に多い傾向です。

曲のサビの1番良いところで思いっきり音が外れる、届かないという場合、ほぼ100%音感の問題ではなく発声能力の問題です。

音感が問題ではないので、狙ったピッチに思った音色の声で音を当て続けるといった半分ボーカルトレーニング的な練習をしてもあまり効果はでないでしょう。

この場合、徹底的に裏声を訓練して、その軽さと自在性を声域全体に広げるしかありません。付け焼き刃な方法では本当の意味で満足の行く結果は得られないはずです。

まとめ:よっぽどの状態じゃないかぎりまずは発声訓練から

一定のリズムを全くキープできない、例えばメトロノームに合わせて手拍子を続けていると徐々にズレてくるとか、ピアノの音に合わせて声を出そうとしても全く違う高さの声を出してしまうというような状態であれば、それぞれの基礎的な訓練が必要でしょう。

ただそのレベルの状態の方というのは中々にいません、大抵は今回書いたような発声の能力が歌いたい曲の難易度に追いついていないというようなパターンがほとんどです。

色々と書いてきましたが、超簡単にまとめると

ボイストレーニングして声がある程度自由になってきたら改善することが多いよ

ってことでございます、超ハイレベルなシンガーになりたいのであれば、どちらのトレーニング(ボイス/ボーカル)も徹底的にやる必要があるので、まずは非常に大きな割合を占める発声能力を鍛えていってはいかがでしょうか?