前回バンドでのボーカルの声量にすいての考え方と間違いがちな認識に関する記事を書きました。
前回記事 ありがちなバンドで求められるボーカルの声量とその認識について
上の記事ではボーカル以外の問題に関して書きましたが今回の記事は
ボーカル自身に問題がある場合
についていろいろ書こうと思います。
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まずは原因をしっかりつきとめましょう
『声が聞こえない』といってもどこが・なにが問題?
極端に楽器の音量が大きい場合以外でもボーカルの声が聞こえないという事も多くあります。
そうなってくると問題はボーカルのスキルにあるということでしょう。
いろいろなパターンがありますので、しっかり確かめてみて改善していきましょう。
簡単に改善方法も書いておきますので、原因がしっかり判明したらそれに応じた対策をしてみましょう。
ボーカルテクニックに問題がある場合
所謂『声量がない』という状態
これはボイストレーニングなどで少しずつ改善していくしかありません。
基本的にバランスの良い発声を身に付ければ極端な声量不足になることはあまりありません。
声域を伸ばし無理のない安全な発声を作っていけば自ずと声量は付いてきますし、声の大小のコントロールは自由になってきます。
ただ大きい声でしか歌えないという状況は理想的なバランスとは言い難いので注意です、その状態は良くない癖が染み付いている可能性が多いので注意です。
参考記事 カラオケボックスでは計れない、本当の意味での声量とは?
上の記事でもその辺りのテクニック的な事に関して書いているので参照してみてください。
シンガーズフォルマント
フォルマントという言葉はあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、超簡単に言えば声の周波数のピークの部分です。
もっと簡単にすれば、その音がその音である特徴といったところでしょうか。
全く同じ息の量、つまり声帯から発せられる原音でも、口の開け方や舌の位置などで母音を言い分けられますよね。
これはその口の形や舌の位置、つまりは共鳴の違いによってフォルマントに違いが出て最終的に「ア」であれば「ア」という風に私達の耳に届きます。
そんなフォルマントですが、周波数ですので音としてこの世にあるものとでは似通ったものがたくさん存在します。
たくさんの人が喋っている中では、話し相手の声も自分の声も聞き取りにくいですよね?
これも簡単に言えば周波数の問題で、極端に大きな音ではないのに聞こえにくいという場合は周波数が似ている音が近くにあるという事が考えられます。
そしてこれはバンドでも似たような状況になりえます。
所謂「キンキンした声」だったり「甲高い声」というのは周波数的にみればバンドでの他の楽器と似ている部分が結構あったりします。
ギターやドラムなどですね、こうなってくると似た周波数の位置で歌っている限り音量の小さなボーカルが埋もれるのは明らかです。
そういったお悩みにこのシンガーズフォルマント!
このフォルマントはある特定の位置にエネルギーが集中すると人の耳に届きやすくなり、しかも他の楽器との被りも少ない声が出せるようになります。
これを忠実に守って歌っているのがクラシックのシンガーです。このフォルマント特性があるからオーケストラの中でも埋もれること無く客席まで声が届けられるのです。
クラシックのシンガーの声が極端に大きなものだと思っている方も多いのではないでしょうか?
確かに普段聞くような普通の声量ではないですが、大きなホールでも後ろまで声が届けられるのは音としての大きさだけではないんです。
どうやってこのフォルマントを増やすの?
という話ですよね、しかしとっても難しいのです。
基本的にバランスの取れた発声じゃないと出ません、喉頭を上げたり極端に下げたりしてもこのフォルマントは出ません。
しかしある一定のレベルのシンガーであれば、特定の音域・母音を歌っている時
心地よくて、物凄く声が出ている場所・感覚
というのがなんとなく分かったりします、力を入れているわけでもないし完全に脱力しているわけでもなく、喉も口もしっかり共鳴して声が空間いっぱいに響いているような感覚です。
この時シンガーズフォルマントが出ているはずです。
つまりしっかりボーカルのテクニックを磨いていけば、自ずとこういった声になるということなので、特別な練習方法があるわけではないんですね~
まとめ!!
声量だけの問題であればボイトレしましょう
初心者だけのバンドであればどれくらいの音量が適正なのか分からないので、ベテランさんがいるバンドで歌わせてもらったり、オープンマイクの会場で歌ってみましょう。
ある程度平均的な音作りなのに自分の声が聞こえないとなると、それはほぼボーカルのテクニックの問題です。
その場合一番理想的な改善方法はボーカルの声自体を大きくする以外にありません。
長くなってしまったので違うパターンはまた次回いろいろ書きます、これ以外にもこの問題の要因はありますので。
ということで今回はここまで!