少し前からTwitterでも呟いていたのですが、最近私のフォロワーやフォローして頂いている方々の間では、徐々に今までの意味があるのかないのかよく分からない(ほぼ意味ない)ボイストレーニングではなく、きちんとした発声訓練の手順が広まってきているように思います。
ただそんな中で
- 今まで教えられてきたもんはなんだったんだよ!
- こんな間違った方法が一般的なのはおかしい!
- 正しいものを広めないと!
というような思考の方が多くなってきているように思います。
ですが私自身は全くそういう事は思わないし、自分のこれだ!と思っている方法を広く知らしめようとも思いません。なぜか?というのを書いておこうと思います。
何かを広めたい!という時の思考パターン
本当に目を向けるべき所はどこなのか?
啓蒙活動にも思考的には二種類ありまして、
- 良いものだから自分以外の人にも知ってもらいたい!
- 現状の間違っているものを排除したい!
というパターンです、最初に書いたような思考は2ですね。この二つの思考は似ているようで全く違います、何に目を向けているかです。
1は広めたいと考えている物自体だったり、それを広めることによって喜ぶであろう人に目を向けています。
2は現状の間違っていると考えているものだったり、人に目を向けています。
じゃあ目を向けているものによって何が違うのか?ということですが、大きな違いはその考えている時の感情です。
1はワクワクしているでしょう、前向きなマインドです。
2はイライラしているでしょう、怒っていてあまり良い気持ちではないはずです。
私個人は常に1の状態で居たいんです、その方が幸せなのを知っていますから。
怒り自体は原動力かも知れないが幸福ではない
ということです、「なにくそ!」と思って行動するのは良いと思いますが、それだけではいずれ疲弊して動けなくなります。
その怒って動いた先に、自分がどういったものを創り出せるのか?ということを考えないとただただしんどい思考のパターンになってしまいます。
だから私自身は前からブログでも書いているように、全然効果のないようなレッスンを提供しているトレーナーがいることも、それらが至高だと考え啓蒙活動している人たちのこともなーんとも思っていません。
そこに目を向けている時間ほど無駄なものはないと知ってるからです。
そこに目を向けて、怒って「こいつらをなんとかしないと!」と考えるよりは、今私のレッスンを受けてくださっている生徒さんたちがより成長でき幸せになれるにはどうしたらいいか?ということを想像したいわけです。
優しいわけでも甘いわけでもなく「興味がない」
好きの反対は無関心とはよく言ったもので
まさにその通りで、興味もなければ、関心もないんです。
「仮にも教育者だったら未来のより良い教育のために活動しようと思わないのか!」と言われれば、そういったことでさえどうでもいいんです。
私一人が頑張ったところで、世界中の人々にその正しいであろう考えや教えを伝えられるわけではありませんから、だったら目の前にいる人達に幸せになってもらえればそれでいいです。
わざわざ怒ってムカつく事柄に目を向けて、その状態が当たり前だと思ってしまうことほど恐ろしいことはありません。今の世の中結構いらっしゃいます、気づいてないけど常に何かに怒ってたり憤っている方。
研究者であれば必要な感情かもしれないが・・・
常に正しさを追い求めている人であれば、自分の考えや理論の正しさを証明するために他者と比較してそれを競合させる必要があると思います。
ただそれすらも、より良いものであろう、価値のあるものであろうという前向きな考えからくるものだと思います、なにも他人の理論を潰すためだけに研究している人はいないでしょう。
ただ最近ネットの世界では、そういったとりあえず他人の考えをねじ伏せたいという思考の人が多いのも事実です、まぁそれを研究者とは言いませんが。
私個人に関して言えば、常に研究しながらも同時にお教えさせて頂いているので、知る必要はありますが、それに関して一々感情的になってもしょうがないんですね。
「よく他のトレーニング方法批判してますよね?」
それは別にそれらの間違った方法を排除したい!という考えよりも、自分自身が実践してきて明らかに効果がなかったから言ってるだけです笑
ボイストレーニングというのを始めだして10年以上、実際にある程度の期間やってみて明らかに効果がない、もしくは完全に逆効果だというものがあります。
それらを経験からお伝えしているだけで、それを教えられたからといって「あの詐欺教師が!」とか「金返せ!」とは思わないわけです。
それよりも同じように回り道してしまう人が一人でも減らせればいいなーという考えから言ってるだけです。
おわりに
今回書いたのはあくまで私自身はこう思ってるということです、そしてみんなそうなったら楽なのになーと考えていますが、ここで書いたことが全く共感できない人はいるし、そういう思考は中々変えられないと重々分かっています笑。
普通に生きてれば別にどう考えようがいいんですが、今回書いたことを気にしたほうがいいのが教育者です。
教えてる人間がここで書いたような常に怒りや後ろ向きな思考で生徒さんを教えているのは大変よろしくありません。
人に何かを伝え習得させる側の人間が明らかな競合マインドだと、絶対に生徒に悪影響が出ます、これは私自身が山ほど体験し、目の当たりにしたことなので確かです。
なので習い事をするときはそういう後ろ向きで暗ーい、常に怒ってて「俺の教えることが一番正しい!他は全てまがい物だ!」という先生は避けたほうがいいでしょう。