このブログを始めた、というか私がトレーナーとして活動し始めた2013年頃、今からもう5年も前になりますが、その頃はミックスボイスというワードが大流行した時期でした。
もう猫も杓子もという感じだったのですが(私も例に漏れず笑)、最近はまた別のワードが少しずつ流行りだしているみたいですね~
これから一番流行りだしそうなのがベルティング/ベルトでしょうか。
その他にも色々とナンチャラボイスがまた増えていってるようですが、私がこの記事で何がいいたいのかというとタイトルの通り名前や文字に惑わされないようにということです。
もう全部「裏声」でいいと思うんだ
二声区で考えれば超シンプル
どんな力強い声でも、地声で張り上げてるように聞こえても、換声点以上の高さが出てるのであれば裏声
で良いんじゃないでしょうか。
多くの方々がミックスボイスやベルティングボイスという言葉でイメージするものは簡単に言えば力強い声、それも高音域のということでしょう。
そういう意味であればもう狙っている高さで、そして望んでいるトーンで声が出せればなんだって良いわけです、それがナンチャラボイスでも関係ありません。
だったらもう裏声として括っちゃうほうがシンプルだし、開発していく段階としても分かりやすいでしょう。
【地声で高音!】も【ベルティングボイス!】も全部裏声に聞こえる
声帯の伸展がイメージ&コントロール出来てきたら
ここ数年、自分自身のスキル、特に聞く力が育ってきたからだと思いますが、きっちり前筋(輪状甲状筋)で伸展が起こせている声はどんなトーンであれ裏声に聞こえるようになりました。
本当にほぼ前筋のアクションがなく、本当の意味で張り上げている声というのもなくは無いですが、実はそういう声はめちゃくちゃ少ないです。張り上げ持ち上げとはよく言いますが、本当の意味でそれが出来ているパターンは逆に珍しいということです。
なのでほぼどんな声を聞いても裏声に聞こえます、換声点以上の音域は特に。
上記のような本当に張り上げている声以外は、声を出している本人が「完全に地声を張り上げてます」と言ってようが「チェストボイスで高音出してます」と書いてようが裏声に聞こえます笑
勘違いしがちなのは以前にも解説したところでのソースとフィルターの混合です。よくあるのがソース(声帯)の状態は薄いのにフィルター(共鳴腔)のコントロールによって太くなったトーン(仮声帯の関わった状態もよくあります)の声です、それを地声としちゃうと、聞く人が聞けばソース自体の薄さに気づき「いやそれも思いっきり裏声やで」となります。
まぁ当たり前っちゃあ当たり前です、だって本人の感覚はどうであれ、ある一定の音高で声が出てるのであれば声帯を引き伸ばすアクションが優勢で起こっているということでしょうから。
出せる声の幅が狭ければ聞こえない
この裏声に聞こえるというのは、前筋の動きをなんとなくイメージしてそれが実際の声に反映されて聞こえるということです。
そしてその聞こえ方というのは、ある程度自分自身の出せる声の幅がないと中々理解出来ないと思います。
私自身の経験としても、今まではどう聞いても地声に聞こえる、裏声には聞こえないというシンガーの声が最近になって「しっかり伸ばされてるな~裏声だわ~」と変化してきました。
声生み出す細かいパーツのコントロールがある程度出来てきて、そのコントロールによってどういう変化が起こせるのかということを知っていれば知っているほど、声の源の部分がはっきりくっきり見えてくるんだと思います。
まとめ:言葉と状態をむやみに固定しない
この名前はこの声!って限定出来るほど、声っているのは幅の狭い楽器じゃないわけです。しかしこれからもそれそれは山程色んな声の名前が出てくることしょう。
その度に「なに!?また新しい出し方が見つかったのか!?」なーんて踊らされないように笑
- 声を作る機能として声帯を伸ばす/縮めるの2つに分けられる
- 一定の音高から上は伸ばす機能の方が優勢になる
- その状態を裏声とする
- だったら一定の音高以上の声はどんなトーンでも裏声だよね
というシンプルな考え方にしてみてはいかがでしょうか?ということでございます。