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【お酒】声が枯れないよう喉を労る方法【カラオケ】

参考音源付き記事

この記事は2014年2月に公開したものを書き直したものです。

これからの時期、だんだんと暑くなってきてビールが美味しい季節になってきますね~(私はお酒一切飲みませんしビール嫌いですが笑)。

そうするとお酒を飲んだ状態でカラオケに行って歌ったりすることもあるでしょう。

またこのブログを読んでいただいている方の中には日々ボイストレーニングに励んでいるという人も多いでしょうから、晩酌の後、つまりお酒を飲んだ状態で発声練習をしている人もいると思います。

しかしそんな時に知っておいてほしいのは、アルコールが声帯に及ぼす悪影響と、それに伴う環境で発声する時の注意点についてです。

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お酒を飲むと声帯はこうなります

声帯に直接こういうことが起こります

  1. アルコールにより血流が良くなり厚ぼったくなる
  2. アルコールの作用により声帯が乾燥しやすくなる

こういったことが引き起こされます。

この2つの作用がどちらも完全なデメリットかというとそうでもなく(良くないことには変わりありませんが)、人によっては1の作用でお酒を飲んだ状態で歌うと歌いやすくなる!という印象を受ける人も少なくありません。

ではまず

  • アルコールにより血流が良くなり厚ぼったくなる

これにより起こることについて、歌う・発声するという面から色々と考えてみましょう。

お酒飲んで歌うとどう感じますか?

  1. 普段より声がよく出てる感じで歌いやすくなった!
  2. 普段より喉が締まったような感じで歌いにくくなった!

人によって、そもそもの発声状態や歌う際の喉の使い方によって感じ方が違います。

個人的に感じるめちゃくちゃ大雑把な傾向

1の歌いやすくなったという人は、普段から地声傾向で声帯を厚く合わせる歌い方をしているという人が多いかもしれません。

なのでアルコールによって厚ぼったくなった声帯であれば、普段よりも少ない力で声帯を合わせられるので、出しやすくなったと感じる可能性が高いです。

逆に2の歌いにくくなったという人は、ある程度声帯を引っ張って声を出す、つまり裏声傾向で声帯を薄くするということが出来る人なのかもしれません。

音高が上がると声帯を薄くして接地面積を少なくしていく必要があるのに、アルコールによって厚くなってしまった声帯ではそれが思うように出来ない、つまり思うように声が出せないという状態になるでしょう。

最終的にはどちらも『歌いにくくなる』

お酒を飲み続けると、この血流が良くなり声帯が厚ぼったくなるというのと、後で解説する乾燥しやすくなるというのが同時に進行していくので、徐々に乾燥による声の出しにくさの方も大きく影響してきます。

そして最終的には酒飲んで歌いやすくなったぜ~!という人も、もう全く声出ませんガスガスです・・・という状態になります。

地声系の筋肉ばかりを使って、声帯をギュッと閉じて息を沢山吹いて声帯を振動させるというのが、そもそも乾燥や炎症を引き起こしやすい状態なので、ダブルパンチで時間が経つにつれどんどん出しにくくなるでしょう。

それでは次に最初に書いた2つめの作用

  • アルコールの作用により声帯が乾燥しやすくなる

について解説していきましょう。

身体の内側から乾燥していく

よくお酒を飲む方はもうご存知だと思いますが、アルコールには利尿作用があります。利尿作用があるということはどういうことかというと、簡単に言えば身体から水分が多く抜けていってしまうということです。

これはカフェインなどもそうですね。歌手がコーヒーやお茶をあまり飲まないことが多いというのもこのカフェインに含まれる利尿作用のせいでしょう。

重要なのはどちらも摂取した以上の水分が身体から出ていってしまうということです。ということはずっとそれ(カフェイン・アルコール)が含まれているものを飲み続けると最終的に身体は乾いていってしまいます。

それが長時間続くとひどい場合脱水症状を引き起こします、そうなると声や発声云々じゃなく命にかかわるので、水分補給には水やスポーツドリンクを飲みましょう。

呼気でも乾燥していく

呼気、つまり声帯を振動させる息にもアルコールは含まれます、なので直接声帯に当たる空気にも粘膜を乾燥させる作用があるということです。

これはカフェインでは起こらないことなので、声帯を乾燥させるという意味ではアルコールの方が圧倒的に強力ですね。

声帯に乾燥はダメ。ゼッタイ。

声帯というのは筋肉や靭帯で構成されていますが、その表面は粘膜で覆われています。つまり乾いてしまうといくら筋肉のコントロールが上手く出来ても滑らかな振動が作れないため、思うような声が出せなくなるということです。

乾燥している状態で長く声を出すと、炎症が起こってしまったり、それに伴い色々な声の障害が起こりやすくなります。

発声に関するトレーニング方法には諸説あり、何が良い悪いというのは一概に言えませんが、乾燥に関しては誰がなんと言おうとデメリットしかないでしょう。

ということで声(声帯)に乾燥は禁物!なのに、お酒(アルコール)というのは声帯を乾燥させるという面では超強力!ということです。

アルコールを摂取する時に伴う環境

カラオケ・スナック・キャバクラ等など

これらに共通するのは多くの場合、静かで落ち着いた環境ではないということです。

大抵は店内のBGMが大きかったり、それに負けじと周りで沢山の人が大きな声で喋っていたり、それに負けじと・・・といった感じのスパイラルで自分の声が聞きづらい状態&それに伴い普段よりも喋る声も歌う時の声も大きくしてしまいます。

この辺りの環境の違いによる発声の変化についてはこの↓記事の『歌いやすい環境とカラオケボックスの違い』という項目で少し書いてます。

部屋だと上手く歌えるのにカラオケだと歌いにくい!その要因と改善策
今回はタイトルの通り、よくこのブログからも質問を受けたり、クライアントさんからも結構な頻度で質問され...

そもそもアルコールが入ってない状態でも、声を出すという意味では負担がかかりがちな状況だということですね~

そんな状況でアルコールを摂取して、声を鳴らしにくい状態にして歌ったり喋ったりするということで、声帯からすると四面楚歌なわけですね笑

タバコも加わってきたりする

そういったお酒がある環境というのは、一緒にタバコが吸える環境でもあるということが多いと思います。

タバコを吸うと、煙に含まれる成分(主にタール)が直接声帯を刺激するという作用と、やっぱり粘膜を乾燥させる働きがあるといわれています。

つまりたとえ自分がタバコを吸ってなくても、煙が充満している部屋でカラオケとなると、めちゃくちゃ空気の乾燥した環境で声を出さないといけないということです。

冗談じゃなく結構ヤバイ状況

  1. お酒飲んで
  2. タバコも吸って
  3. 喧しい環境で声出して

となるとめちゃくちゃヤバイ状態だというのはなんとなく理解していただけたと思います。

これらの内、どれか1つしか該当していない、もしくはどれか1つはクリア出来ていたとしても、中々にハードなヤバイ状態です。

こういう声帯にかかる負担が物凄い状況で発声している時間が長くなればなるほど、慢性的に炎症が起こってしまったり、それが長期間続くと結節になったりします。

そこからもっと怖い病気を発症する可能性も十分にあります。

ではヤバイということは分かったけど、じゃあどうすりゃいいの?という部分について諸々の解決方法を解説していきます。

声が枯れないように出来るだけ労る方法

お酒と同時に『水』も飲む

歌いたい!けど酒も飲みたい!というのであれば

お酒と同量以上の水を飲む

というのを意識すると良いでしょう。アルコールの摂取を止めないのであれば、それに伴う悪影響を軽減させるしかありません。

そこで一番簡単なのが、お酒と同時に水を飲むということです、アルコールを手っ取り早く身体から排出するためですね。尿として排出される以上の量の水分を摂取出来れば、極端に身体が乾くことはないので、出来るだけお酒よりも多めの水を飲むのが良いでしょう。

お酒を飲んで歌うときは、必ずお酒と一緒にチェイサーとして水も用意して、お酒を飲んだら水も飲むということを心がけましょう。

そうするだけで、アルコールだけ摂取したときと比べて明らかに負担は少なくなります。

タバコは吸わない

喫煙者に吸うなっていうのも無理な話かもしれませんが、まぁ歌う時くらいは吸うのを我慢出来ないでしょうか?笑

吸っちゃうとどうしても、煙の成分による刺激と乾燥が100%声帯に影響してしまうので、吸わないという以外の回避方法がありません・・・

自分は吸わないけど、周りがバンバン吸って、煙モクモクの環境で歌わないとダメなんです・・・という場合は、これもいかに乾燥を防ぐかというのがポイントなので

水分補給を多めにする&鼻呼吸を心がける

というのが重要になります。

口で呼吸してしまうと、乾燥した空気がそのまま声帯を通過してしまうので、出来るだけ口では呼吸せず鼻で呼吸しましょう。

そうするだけで、乾燥は結構な割合防げると思います。

ボイストレーニングをする

最後はそもそも声の出し方を変えるということになるんですが、お酒を伴う環境で声を出すということは普段よりも大きな音量を求められているということなので

声を大きくしない!

という方法では解決できないでしょう笑

それが出来りゃ苦労しないよ!でっかくしなきゃ歌うにしても話すにしても聞こえないんだよ!ってことだと思います。

なのでそもそもデフォルトの声の状態を強化していくということでしかこの辺りは解決出来ないと思われます。

ということで、ここは

日々ボイストレーニングを継続して、逆境にも負けない声を作る

ということになるでしょう。

喋る時におすすめする声のトーン

よく勘違いされるのが、音源の最初のトーンのような声の方が声帯の負担が少ないと思われがちなのですが逆です。

過剰にテンションをかけて音源の後の方のトーンを作ろうとするのはよろしくないのですが、音源くらいの大きさ&トーンであれば圧倒的に後の声の方が負担は少ないです。

大きな音量で最初のトーンのような声で喋り続けたら、かなり早い段階で声は掠れてくると思います。

なので音源の後の方の声みたいな息の漏れるようなトーンが少ない、はっきりくっきりした声をリラックスして出せるように練習すると良いでしょう。

まとめ:歌うなら飲まない&吸わない

これもそれが出来りゃ苦労しないよ!っていう方が大勢いるとは思うんですが、楽器として考えるのであれば、お酒を飲みながらカラオケや飲みながら喋るという行為はめちゃくちゃ負担が大きいということは頭に入れておいてください。

声を使うプロであれば、完全にNGです。

ピアニストやギタリストが自分の楽器の弦に塩水ぶっかけながら長時間演奏するようなものです、そんな人いないですよね?

でもボーカリストはそれと同等の行為をやっちゃいがちだし、その重大さに気づきません。

  1. 声を発するという時にお酒はデメリットしか生みません
  2. なので出来るだけ飲んだら歌わない、歌うなら飲まないをおすすめします。
  3. どうしても飲みながら歌うときはここに書いたことを試してみてください。

ということでした!ただただ喋ることでも消耗する楽器です、やりすぎなくらい労ってあげて丁度いいくらいなので、大事に扱ってあげましょう。