勘違いしがちな強いミックスボイスと強い声門閉鎖の違い

まず初めにこの記事は2013年12月13日に書いていたものを一から全部書き直した記事です。ということで丸々書き直していくのですが、よく声を強くしていこうとする段階で喉や声に対しして間違った認識をしていると

  1. 裏声は声門閉鎖は弱い
  2. 声門閉鎖弱いから裏声
  3. じゃあ地声っぽくするには?
  4. 強い声門閉鎖!!!

という方向に向かっちゃう人がいるのですが、残念ながら声門閉鎖だけを強めても声は強くならないんですね~笑

逆にそういう声門閉鎖で声を強くしようとしていた前の段階の方が声のバランスが取れていたなんて場合もよくあります。それくらいこの方法で声を強く出そうとするのはデメリットが多いです。

今回はみなさんが想像している力強い高音発声(ミックスボイス)と声門閉鎖の違いをいろいろとご紹介します。

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まず初めに強い高音発声ってどういう状態?

最初にこれらの記事を読んでください

ミックスボイス/ミドルボイス=力強い高音を発声している時の喉の状態
最初にこの記事を公開したのが2013年の9月ともう3年も経ちました。今まで書いていたことが2016年の今となっては「この表現はどうだろ?」と...

まぁ↑の記事を読んだ段階で勘の良い方や今まで勉強されてきた方であれば「なるほど」と思うかもしれません。

地声のようなトーンに聞こえる声を作るためには声帯筋(甲状披裂筋)という筋肉がかなり大きなポイントになります。

声帯筋とは?

このブログ内でもよくTAと表記していた筋肉群です。

裏声?ファルセットとヘッドボイスの違いをおさらい
以前に何度か記事内で少し説明したのですが、今一度しっかり解説しておこうと思います。 いろんな解釈や用語があって中々統一するのは難しいの...

この↑記事でも少し解説していますが、つまり声帯を並走する形で張られている筋肉で役目としては地声系の他の筋肉たちが動いても閉じきれない声帯の中央部分を閉鎖させるといわれています。

まぁ細かい筋肉の動きなんて詳しく知らなくていいです、ふんわり解説するとしたら声帯筋は地声系の筋肉なんだけど他の筋肉たちと比べたら声帯を緻密にコントロール出来る筋肉って感じですかね~。

裏声系の筋肉が働いて声帯は伸ばされている・・・けど!

この声帯筋も働いていれば声帯を縮めて緊張と厚みを作り振動の状態を変えることが出来るんですね、これが裏声時の地声っぽさを作る大きな要因です。

輪状甲状筋により声帯が引き伸ばされ、声帯筋がほぼ働いていないのがピュアな裏声のトーンだと思ってください。

引き伸ばされつつも声帯筋が動いて、声帯を緊張させながらも厚みを持たせた状態で振動しているから地声のようなトーンが出せるというわけです。この“引き伸ばされつつ”というのがすごく重要です、この輪状甲状筋での伸展が声帯筋に負けるようでは音は狙った所に届かなくなりますから。

つまりめちゃくちゃ緻密なバランスで成り立っている発声状態

と考えた方がいいですね、それくらいいろいろな筋肉が一緒になって拮抗している状態です。これが恐らく多くの人々は望んでいる高音発声ですね。

まぁ文字で見ても分かる通り難しいので簡単に出来ると思わないでくださいね笑。

では強い声門閉鎖で作ろうとした高音はどういう状態?

大きく分けて2パターンあると思われます

これも主にメインになっている筋肉群の違いで状態や息の量が違ってきます。一つは上で書いたように輪状甲状筋も声帯筋も両方動いてはいるんだけど、そのバランスがおかしいってパターンです。

もう一つはそもそも裏声なんて貧弱な声はいらねぇ!地声だけでハイトーン出してやるぜ!という無謀なこと考えている方に多いパターンです笑。

1.地声系の筋肉+裏声系の筋肉両方使えているけどバランスが悪い

これはつまり声が混合している状態の場合が多いです、声区の分離からきちんとやっていき、声帯が受け止められてなめらかに振動している状態というのを地声/裏声の両方できちんと感じならが訓練していく必要があるでしょう。

またレアなケースとしては、融合しているんだけど息の量が多くて声帯を余計に閉じちゃってるというパターン。「発声にはほとんど不自由していないんだけどなんだか安定しない・・・」とか「場所によってすごく歌いにくい時がある」とかって言う方はこのケースかもしれません。

2.地声系の筋肉だけで声を出そうとしている状態

これです、これは本当にすぐ止めたほうがいいです。

こういう発声になると、息の量だけが声帯の振動数を変える唯一の方法になっちゃいます。だから腹式呼吸だのなんちゃら呼吸だのっていうのが発声にとって大事だ!なんてされちゃうんです。

こういう発声でよくないのは、例えそこから訓練してきちんと裏声を扱えるようになっても今まで散々やっていた「息の量で高さを出そうとするマインド」から中々抜けられないからっていうのが凄く大きいです。

ただでさえ普通に歌っていても大抵のシンガーは息が多く、その量を適切に変えるだけで不調から一気に抜けられる場合もあります、それくらい重要なんですね声帯がきちんとした振動を起こしている状態というのが。

「もしかしたら自分はこの発声になっているかも?!」とちょっとご心配されている方に簡単な診断方法をお教えします。

良くない発声になっていないかのチェックポイント

  1. 高い音域になっていくほど声が大きくなっていく、小さく出せない
  2. 低い音域から高い音域に移って行く時にひっくり返そうとしても出来ない
  3. E4より下の音域で裏声が出せない

これらに一つでも当てはまっていると注意が必要です、でも結構厳し目なのでみんなどれかには引っかかるかも笑?

1.高い音域が大音量でしか出ない

これは完全に息が高さの手動を握っているからですね。息の量+早さ=高さなので、ある一定の高さになると思いっきり吐かないと届きません。

そして息の量はすごく要約するとイコール声量なので、絶対小さな声では高い音が出せません。こうなっちゃってる方私の経験上かなりいますね~あなたはどうですか?

この出し方は何がよくないかというと、上でも書いたようにそもそも治すのに時間がかかると言うのと声帯にダメージが行き易いということです。

高い声を出すぞ!と思って本来は全く必要ないくらい大量の息をバーっと吐いて、それを受け止めようと声帯を閉鎖させるわけですが、そもそもそんな量の息を受け止められるほど声帯は強くありません、がそれを地声系の筋肉主に声帯を閉鎖させたりする筋肉たちをフル稼働させて受け止めようとしています。

必要以上に強い声門閉鎖で必要以上に多い息を受け止めて声帯はもうすぐボロボロになります。こういう出し方をしちゃっている方ほどカラオケに行くと数曲で声が枯れるとか掠れるといった症状に見舞われるでしょう。

2.本来はひっくり返るような音域で”ひっくり返せない”

これは「え?ひっくり返らないならいいじゃん?」と思った方もいると思いますが、この場合はひっくり返そうとしてもひっくり返ないというのが問題なんです。

簡単に言えば地声系/裏声系の筋肉のどちらかしか使っていない場合やどちらも動いて入るけれどそれがかなり悪いバランスになっている場合はひっくり返りません。

筋肉群を使い分けようとバトンタッチさせるから訓練の初期ではひっくり返るのであって、始めからそれをやろうとしなければひっくり返りは起きません、つまりバトンタッチせずにどちらか一方を使い続けようとしているってことです。

これもほぼ①のパターンと同じなのですが、ここで説明するとめちゃくちゃ長くなるので割愛しますが、このパターンは声区が混合している時によく見られます。

例えば地声の音域なのに意図していない所から勝手に裏声の筋肉が動き出していると、声は一本に繋がったように聞こえます、ただこの場合もそれで出来た発声から裏声系優勢の発声にしようと思っても出来なかったりとつまりひっくり返せない状態です。

3.低い音域で純粋な裏声が出せない

これは声区はきちんと分離していないから起こる、もしくは息を大量に吐いて張り上げて歌ってこられた方はそもそも分離の以前に裏声を出す筋肉がほとんど動かないという場合もあります。そういった時にこの低音域で純粋な裏声を出すというのが全く出来なかったりします。

この記事内だと裏声を出す筋肉をほぼほぼ使ってこなかったから出ないという方がメインの症状かなと思います。分離とか以前に息で押し上げる方って裏声なんて使う気がそもそも無いって方ばっかりだと思うので笑。

男性女性ともに低い音域(地声でも出せる範囲)で裏声が出せるかどうか試してみてください。かなり息っぽくなってスカスカな声だと感じるかもしれませんがその声が重要です。

ヘッドボイスの前にまずファルセット/息漏れの裏声の練習
以前は弱くてもいいからヘッドボイスを出しましょうというテーマで記事を書いていたのですが、最近はまぁそれよりも最初にやることあるよね?って事で...

つまり融合状態(ミックス)と強い声門閉鎖の声は全く違う

同じだと思い込んじゃうと中々抜け出せられないので注意

上でもちょろっと書いたように、如何に声帯がきちんとなめらかな振動を生み続けられるかって話です。どんなにハイラリンクスに聞こえる声でもロウラリンクスに聞こえる声でもそれが起こってりゃOKです。

そうじゃなくて、声帯がもうギュッと締まっちゃったり緊張しまくってる状態で声を出そうとするのがよくないってことでございます。そして大抵は声門閉鎖で声の強さを捉えちゃう方はそういう過緊張の状態しか再現できない状態なので、やっぱりそういう場合は分離から初めてきちんと声帯が鳴っている状態をしっかり身に付けましょうということです。

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