最近なにかとお問い合わせ頂くことが多いので記事にしてまとめてみようと思います。
お問い合わせの内容は
- ボイストレーニングで喋り声は改善されるのか?
- ミックスボイスにチェストボイス(地声)の訓練は必要なのか?
ということです。
どちらもチェストボイスに関することなのでまとめて解説してみます。
ボイストレーニングで喋り声は改善します
歌に使う低音域(チェストボイス)も喋り声と同じなので
よく喋り声と歌声は分けないとだめって言ったり、その2つを全くの別物と扱う人がいたりしますが、全く同じ声帯という楽器を使って同じ音域の音を出すのに別物に扱う意味がわからないです。
また別々に分けて出さないとミックスボイスにならないということを言ってる人もいますが全く根拠が無いので気にしなくてOKです。
ということで所謂ミックスボイスを作って強化していくトレーニングにはチェストボイスのトレーニングも含まれます。
その過程で徐々に喋り声が改善していくという方が多いですね。
特に低音域を意識しなくても良くなっていくということも
高い声が出ないからという理由でレッスンを初めて、ほぼ高音域の練習しかしてないのに「喋り声が楽に出るようになった」とか「話してて聞き返されることがなくなった」という生徒さんはかなりの数いらっしゃいます。
これもトレーニングの過程で喉の筋肉をバランス良く動かそうとした結果、チェストボイス側のバランスも整ってきたということです。
前回の記事でも書いたように声は喉のいろんな筋肉を使って出されているので、ミックスボイスを作るトレーニングをしていれば完全に低音or高音にだけ効果があるという練習は少ないのです(練習方法としてはいくつかありますが)。
ただ全てのボイトレが喋り声に効果あるかというと・・・
わざと鼻にかけて声を出させるような指導をするトレーニングだと上で書いたこととは逆に喋り声が聞き取りづらくなったりすると思います。
また声全体のバランスを見ないトレーニング(チェストボイスのまま高音域を無理に発声させるような)も、喉頭が上がりきって聞き苦しいしすぐに疲労する声になるでしょう。
あくまで低音から高音まできちんとバランスを見ながら両方の筋肉をしっかり鍛えられるボイストレーニングであればということです。
ミックスボイスのトレーニングにチェストボイスはすごーく重要です
結構多くの方が上の方(ヘッドボイス・高音域)にばかり目が行きがちですが
これも上の記事に書いてますが、2つの筋肉の割合によって声の状態が変わります。
低音向きの筋肉が優勢だったらチェストボイス、高音向きの筋肉が優勢であればヘッドボイスです。
そしてこの2つをバランス良く動かすのがミックスボイスなので、どちらかが”弱いもしくは動きが悪い”と効率的なミックスにはならないわけです。
よくあるパターンとして、高い声が出ないからヘッドボイスの方の筋肉に問題あり?!と自己分析して独学で練習し始めるけど思うように声が強くなっていかない・・・という事態が多くあります。
これはなぜか?
つまり自分では高い声が出ないから高音側の筋肉不足だと思ってたけど実際は低音側の筋肉の方が脆弱且つ使い方がわかってなかったでござる。
ということなんですね。結構こういうケースはあります。
ただ我武者羅に裏声で歌ってたらミックス出来るよ!
んなわけないんですねこれが(ノ∀`)
そんな簡単ならこんなにボイトレ難民はいないわけで。
高い声は楽に出るようになったけど中々強くなっていかないという方は結構な割合でチェストボイスのトレーニング不足ということがあるので心当たりのある方は疑ってみるといいかも?
チェストボイスの音域から弱く出してヘッドボイスに繋がればいいんじゃね!?
ミックスが上手く繋がって発声出来ない場合こういった考えに至りがちですが、その声で満足にカラオケやらライブやらで歌えますか?
これをやっちゃうといつまでも上で書いたような低音側の筋肉をきちんと使っていないので弱いままの声です。
こういう使い方であれば超高音も楽々出るでしょう、なぜなら声帯を厚く使ってないから。
男性の場合特にですがクラシック歌手のテノールみたいな声が激ムズですが、女性声種のソプラノみたいなトーンは結構似た音がある程度の高さまで出せます。
両側の筋肉をフルに使って出しているのか片側の筋肉でフルに歌っているのかの違いです。
この辺りの話は語りだすと長くなるので切りますが、ソプラノみたいな声だと低音域がスッカスカになりますよね?チェストボイスを軽く出してヘッドボイスに繋げていくというのはつまりこういう事です。
おわりに
さていろいろ書いてきましたが、チェストボイスに関してはまだちょっと書きたいことがあるので次もチェストボイス関連の記事になる予定です。
次はちょっと実践的な事書こうと思ってるのでなんとなくご期待くださいー♪