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ボイストレーニングを続ける中で、短期間で起きた『変化』は『成長』なのか?

ボイストレーニングTips
Image by Bishnu Sarangi from Pixabay

以前に公開した記事↓でも少し書いていますが、当研究所は出戻りのクライアントさんが非常に多いです。

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レッスンを受けてある程度の方向性が判明したり、状態がそこそこ安定してくると「これくらいなら自分ひとりでもできそうだな!」となるか「もっと手早く効率的に上手くなれる方法を探そう!」となってレッスンに来られなくなります。

そして数ヶ月から数年経って再度レッスンを受講される方がかなり多いです笑

うちでレッスンを受けていなかった期間中にどんな練習をしていたのか、どんなレッスンを受けていたのかを聞いてみると、ほとんどの方がほぼ同じような変遷をたどっていることがわかります。

それがこの記事のテーマである『短期間で上手くなった!良くなった!と感じる練習』についてです。

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『地味で地道な練習』をやめて『効果のすぐ出る練習』を探す

このサイトのレッスン方針にも明記していますが、私の指導方針は地道だけど着実にスキルアップしていくことを最優先にしています。

なので短期間や数回のレッスンで何かしらの効果を実感したいという場合は、ほとんどの場合でお役に立てませんと説明しています。

これは私自身が山程レッスンを受けてきて、そういう地道な変化でしか成長を感じたことがなく、過去の私を含む、元々喉の機能が非常に脆弱な多くの人にとって、最適解だとだと考えているからです。

しかし誰もが私のような気の長さを持っているわけでも、先行き不安な中練習をとりあえず続けるといったメンタルを持っているわけでもないため「もっと早く成長するのはこの方法ではいかん!」と思ってしまうのも無理はありませんね。

しかし多くの方がまた地味で地道な練習をするレッスンを受けに帰ってこられます、なぜでしょうか?

その『変化』は『成長』なのか?

速く成長したい上手くなりたい!と思い様々なメソッドを試したという方が出戻りのクライアントさんには非常に多いのですが、その多くが「始めは急に上手くなった気がしたけど、その後はずっと不調だった」と言います。

つまりその時感じた『変化』は本当にただの『変化』なだけであって『成長』したわけではなかったということです。

ここがボイストレーニングの難しい部分で、喉の筋肉が強化されたり、その筋肉を動かす神経回路が強化されて起こった『変化』と、元々あったバランスを変えた、もしくは崩したことによって起こった『変化』の違いが相当耳が良くないと判別できないということです。

何度かブログ記事でも書いていますが、基本的にボイストレーニングというのは『今まで動かしたことのない部分や狙って動かない部分を柔軟に動かせるようにするため』の訓練が主です。

なのでそもそもが『元々できることのバランスだけを変えて新たな動きを覚える』というのはボイストレーニングではなく、むしろボーカルトレーニング的だと言えます。

歌が上手くなりたい!という時に知っておきたい『ボイストレーニング』と『ボーカルトレーニング』
この記事は2014年1月に公開したものを書き直したものです。 結構昔に書いた記事だけど、中々良いこと...

バランスを組み替えるだけなら短時間でも可能

ただただ今あるバランスを変えて発声に大きな変化を起こすだけであれば、1回1時間程度のレッスンでも可能です。

しかしそれはあくまでただの『変化』なので、それを長く続けても『成長』しているわけではないです。というかほとんどは喉に極端な偏りが生まれるため、長い目で見たらどんどん不調を自ら招いているということになります。

こういったレッスンが効果的に刺さるのは、そもそも高いレベルで喉に柔軟性があったり、多少の偏りはあるけれどどの部分も強固に鍛えられいるような場合に限ります。

つまりは上でも書いたように、過去の私もそうだった『脆弱すぎて鍛えようにも鍛えられない喉の状態』の人がこの類のレッスンをすると、もうめちゃくちゃにこんがらがります。それをほぐすのに何年もかかることになるくらいこんがらがります。

まとめ:『ふと気づいたら変わってた!』くらいが安心

  1. 世間一般でボイストレーニングが必要かも?と思う人の急激な発声の変化は、ほとんどの場合、なにかを犠牲にして起こったただの『変化』
  2. 本来ボイストレーニングは『できなかったことをできるようにするための訓練』なので、変化はじんわり気づかないくらいの速度で起こる
  3. 数週間から数ヶ月くらいのスパンで「お?ちょっと良くなった?」くらいの変化がまさに成長しているということ

簡単にまとめるとこんな感じです。

今ボイストレーニングをしている、習っているという方で「本当に良くなってんのかなぁ・・・」と心配している方は、数ヶ月前の自分と比べてみてください。

全く何の変化もないのであれば、ちょっと方針を変える必要があるかもしれませんが、何かしらちょっとでも「ここは良くなってるかな?」という部分があるのであれば心配する必要はありません。

その積み重ねがボイストレーニングにおける成長です。

逆に以前に比べると明らかに不調を感じたり、できないことが増えたという場合、今している練習が完全に逆効果ということなので、すぐに中止して信頼できるボイストレーナーに声を聞いてもらいましょう。

声を聞いてもらい、どんな練習をどんな時間・頻度で行っていたのかを伝えれば、その状態を脱するヒントをもらえるはずです。