- 異性のトレーナーに習っても上手くなれる?
- 異性のトレーナーに習う時の注意点は?
ボイストレーニングを習いたいと考えているけど、様々な事情で「異性のトレーナーのレッスンを受けるしかない」というときに、あらかじめ知っておいた方がいい事や、習うときの注意点について解説します。
異性のボイストレーナーに習っても問題なく上手くなれます。しかし男女で喉の違いは確実にあるので、未熟なトレーナーに習ってしまうと危険なこともあります。
この記事を最後まで読んでいただければ下記のことも学べます。
- 事前に未熟なトレーナーに気づけるようになる
- 異性のトレーナーの指導でも不安にならず迷わなくなる
性別による声の違い
人間の持つ声帯は男女で全く同じ構造・組織でできています。
しかし例えば喋り声にしても、男女で明確に聞き分けることができます。それは声帯自体の大きさや、声帯でできた喉頭原音と呼ばれる声の源になる音を共鳴させる空間(共鳴腔/声道)の大きさが全然ちがうからです。
男女で違う喉の大きさ
- 男性の喉
- 声帯は大きく長い
- 共鳴腔/声道は広く大きい
- 低音域~中音域までが鳴らしやすい
- 女性の喉
- 声帯は小さく短い
- 共鳴腔/声道は狭く小さい
- 中音域~高音域までが鳴らしやすい
あくまで男女での傾向ですが、基本的には上記のような違いがあります。
未熟なボイストレーナーに習うと起こりがちなこと
男女の喉で得意な音域とそうでない、不得意な音域があるということを、トレーナーはもちろん、レッスンを受講する生徒も知っておく必要があります。
例:女性のボイストレーナーに男性の生徒が習う場合
男女で音域によって得意・不得意があるということを双方が理解していないと例えば
- 高音域が得意な女性トレーナー
- 「なぜこんな簡単なことができないの?」
- 高音域に悩む男性生徒
- 「なぜこんなに難しいことをやらせるんだ?」
上記のような、大きなギャップを抱えてレッスンを進めることになってしまいます。これは男女が逆のパターンでも全く同じことが起こり得ます。
習う側が気をつけるしかない
体験レッスンなどを受けてみて、自分の声の悩みに全く共感してくれなかったり、理解が全くないという場合には、そのトレーナーのレッスンを受けるのはやめたほうがいいでしょう。
レッスンの中で男女による喉の違いが考慮されていないのでれば、無茶苦茶な指導をされて喉の故障させてしまう可能性も十分にあります。
私自身も未熟な女性のボイストレーナーに習っていた時に地声をそのまま高音域までなるべく引っ張り上げるという指導を延々とやらされて、レッスンの度に声が枯れる・掠れるという恐ろしい状態になったことがあります。
- 男女の喉の違いを理解していない
- レッスンの中で性別による発声の違いを考慮する発言がない場合は要注意
- レッスンを続けても明確な効果を感じない
- 貴方の喉にとって栄養になる練習が提供されていない可能性大
- レッスンの後、声が異様に疲れる/枯れや掠れがでる
- すぐさまレッスンはやめましょう!
まともなボイストレーナーでも異性なら考慮したいこと
男女の喉の違いに理解があり、解剖学/音響学的な知見もあるまともなボイストレーナーであっても、物理的に男女の喉で違いがあるため、いくら知識や経験があってもお互いの感覚や悩みを完全に把握することはできません。
ここからは異性のボイストレーナーとのレッスンをスムーズに、そして効果的なものにするため意識したいこと3つを解説します。
- 悩みや難しく感じることをしっかりトレーナーに伝える
- 喉の違いを考慮しつつお手本を聞く
- 嫌なことは先に伝える
1. 密にコミュニケーションをとる
生徒の悩みをトレーナーはそっくりそのまま理解できていないことが多いです。なので自分が感じている悩みや感覚などをしっかりとトレーナーに伝えましょう。
- この音域は地声と裏声のどちらで出せばいいの?
- この音域になると少し苦しい・・・
- この音域は出そうにも力が入らない・・・
上記ような感覚や体感をシェアしてもらうと、トレーナーは指導するときの大きなヒントになります。
2. そっくりそのままは難しい
同じ高さで発声しても、男女で感じる感覚・体感はもちろん、共鳴腔/声道のサイズの違いによって音質も大きく違います。
- 男性のボイストレーナーに女性が習う
- 高音域を開発したい場合に生徒が望むデモンストレーションは難しいかも
- 女性のボイストレーナーに男性が習う
- トレーナーの発声(特に高音域)をそのまま真似しようとするのは難しいかも
レッスンの中でお手本としてトレーナーの発声を聞く機会は何度もあると思いますが、異性のトレーナーの場合そっくりそのまま真似しようとするのは建設的ではありません。
あくまでボイストレーナーが言う注意点や意識してほしい事は頭にとどめておきつつ、お手本はあくまでもお手本として狙って作りたい要素を集中して聞きとるように練習しましょう。
3. 距離感など同性では感じにくい部分
呼吸方法などの指導で身体を触れる、もしくは触れてもらう機会があるレッスンもありますが、同性であれば特に気にしない場合でも異性の場合は不快感があったり緊張してしまうこともあります。
事前にトレーナーの方から伝えられるとは思いますが、異性だからこそ嫌なことはしっかり伝えて、それに変わる指導をしてもらいましょう。
- ちなみに私のレッスンでは呼吸に関してはほとんど練習しないため身体に触れることは全くありません
まとめ:異性のボイストレーナーでも問題なし!
今となってはボイストレーナーになっている私自身も、過去には女性のボイストレーナーの先生に長期間習っていた時期があります。もちろん成長を感じていたからこそ何年もレッスンを受けていました。
自分がトレーナーとして女性にレッスンをしてきた機会も沢山ありますが、性別の違いによって致命的にレッスンが難しかったり、成長させられなかったという経験はありません。
最終的には異性でも同性でも、そのトレーナーのことをどれだけ信じて付いていくことができるのか、この人なら自分を成長させてくれそう!と思えるのかどうかが最も重要でしょう。