ミックスボイス/ミドルボイス=力強い高音を発声している時の喉の状態

最初にこの記事を公開したのが2013年の9月ともう3年も経ちました。今まで書いていたことが2016年の今となっては「この表現はどうだろ?」とか「これじゃ説明しきれてないな?」と思うこともあり一度まっさらにして書きなおすことにしました。

当時はミックスボイス時の声帯の状態を書いていたこの記事でしたが、最近では私自身があまりミックスボイスという言葉を使わなくなったこともあり当初の記事の内容とはちょっと違う方面からのアプローチにしようと思います。

この記事ではミックスボイス・ミドルボイスを「力強い地声のような高音」と定義してお話していきます。本来の意味でのミックスボイス/ミドルボイスや声区融合については↓の記事を参考にしてみてください。

【質問回答】チェストとミドルとヘッドをまとめてミックスボイス?
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地声発声時の喉の状態

喋り声やチェストボイスといわれる発声です

歌う際の低音域の声は喋る時の声と同じです、よく曲を歌おうとすると低音域(地声・チェストボイス)から不自然に深いトーンを作ろうとしちゃう方がいますが、喋っている時のトーンでいいんですよ。

喋り声の時点でなにかしら発声に問題が有る場合はその限りではありませんが、基本的には低音域を歌うときに使う声としては喋り声と同じOKです。

喉の筋肉的に地声をみると

地声系の筋肉たちが優勢に働いている状態です。主に甲状披裂筋、声帯筋、外側輪状披裂筋、披裂間筋等などいろいろとありますが、基本的には声帯を閉じたり縮めるといったアクションをする筋肉たちです。

これらが優勢に使われて声を作っている状態を地声(チェストボイス)といいます。

裏声発声時の喉の状態

これには主に二種類あります

↑の地声発声時の筋肉で出てきた、声帯筋という声帯の外側を並走している筋肉がありこれが収縮して声帯を縮めるます。

裏声発声時の声に主に二種類の状態があるのはこの声帯筋が働いている裏声なのか働いていない裏声なのかが重要だからなのです。

喉の筋肉的に裏声をみると

こちらは主に輪状甲状筋という声帯を引き伸ばす筋肉が優勢な時の発声です。ボイストレーニング界隈ではYUBAメソッドで一躍有名になった発声時の音程を決める要の筋肉と言ってもいいでしょう。

さて裏声には主に二種類あるといいましたが、どちらもこの輪状甲状筋が優勢であるのは変わりません。そこに地声系の筋肉がどう関わってくるか?というのが分かれるポイントです。

一つはあまりいい印象がないファルセット(純粋な/支えのない裏声)

これもYUBAメソッドや17世紀型のメソッドでは物凄く重要だとされている声です。

この声を出す時はほぼ輪状甲状筋オンリーでお仕事している状態です。

つまり地声系の筋肉が関わっておらず、声帯を閉じたり縮めるというアクションがありません。だから声帯は引き伸ばされっぱなしで振動出来るのは声帯の表面のみになり、加えて閉じる筋肉が働いていないので声帯がしっかり触れて振動しておらず息が大量に漏れます。

これがファルセットが「息漏れのある裏声」と呼ばれたり「純粋な支えのない裏声」と呼ばれる要因です。簡単に言えばピッチを上げる筋肉しか使ってないからということです。

この声自体は声を強くしたり声区を繋げる力はありませんが、ただ声区融合の際最初に必ず出せないとお話にならないってくらいめちゃくちゃ重要な声です。

歌に使えないから?とか強くならないから?といった理由で出す練習をしないとずっと声が不自由な状態になるので是非この声もしっかり練習しましょう。

ボイトレ本で独習される方にちょっと役立つ情報 YUBA本編
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もう一つはみんな大好き芯のある裏声(ヘッドボイス/強い裏声)

さてこの記事のメインテーマである力強い高音というのはこの裏声に分類されます。

ファルセットの場合はほぼ輪状甲状筋オンリーの状態で、声帯を息が通過するといった感じで音がなると書きました。

じゃあこの裏声/ヘッドボイスは?というとこちらは輪状甲状筋が優勢なのですが地声系の筋肉(主に甲状披裂筋=声帯筋)も発声に関わっている状態の声です。

だから息の持ちが全く違います。ファルセットの場合は恐らく2?3秒で息がなくなりますが、ヘッドボイスであれば簡単に10秒以上のロングトーンが出せるでしょう。

ただ恐らく多くの方は「裏声じゃなくて地声で高音が出したいんだよ!」と思っているのではないでしょうか?

どんなに強く地声のように聞こえる声も換声点より上であれば”裏声”

上のファルセットの箇所でも書きましたが、音程を主に作っているのは輪状甲状筋です。これが動いていない状態で高い声をだそうとすると呼気圧で声帯の振動数を上げようとしたり声帯筋を緊張させて振動振幅を狭めて音を鳴らすかになります。

どちらも大量の息、呼気圧を必要とし、声帯は大量の息を受け止めようと地声系の筋肉つまり閉鎖するための筋肉たちが思いきり動き、さらに声帯には大量の息があたりすぐ乾く状態になります。

それを長く繰り返しているとポリープや声帯結節を発症させる大きな原因となります。

つまりある一定の音域から上は必ず輪状甲状筋によって声帯を引き伸ばして発声するというのが絶対に必要なアクションということになります。

その際に輪状甲状筋と地声系の筋肉がどういう力関係で動いているか?というのが高い声でも強く出せるかそうじゃないかというのを分ける重要な部分です。

地声と裏声の筋肉がどれくらいの強さで拮抗しているか

これで声の強さ、印象が変わります

この拮抗している状態というのが言うのは簡単ですがやるのがめちゃくちゃ難しいわけです。

ピッチを決めるために輪状甲状筋は必死に声帯を引っ張りますが、それと同じように声帯を縮めて緊張させ張りを持たせようと声帯筋やその他の地声系の筋肉たちも働いています。

しかもどの筋肉も手や足のように思った通りに動かせるような筋肉じゃありません。そんな複雑な筋肉たちを複数箇所同時に同じような力加減で使おうとしているのです。

これが声区融合(ミックスボイス)の状態ですがどうでしょう?私は書いててすげ?難しそうだなぁ・・・と思うのですがみなさんいかがですか?

拮抗状態が崩壊しない範囲でどこまで声を強く大きく出来るか

つまりはこういうことに尽きます。強い声を出そうとして声帯を閉じたり縮めたりという事をしようとしても、そのテンションに輪状甲状筋が耐え切れなければ声帯は一気に縮みバランスが一気に地声傾向になり声は出なくなるでしょう。

もしくは逆に輪状甲状筋がそのままのテンションで地声系の筋肉が一気に弛緩してもファルセットにひっくり返ります。

だから力強い高音というのは難しいんですね?拮抗している状態を保ちながらそれらにさらにテンションを掛けていこうとしたいわけです。まぁすぐに出来ることではありません。

ではそれの出し方や練習方法は?

当ブログにもいろいろヒントはばら撒いています

【質問回答】出来るだけお金をかけずに無料の情報だけでボイストレーニングの効果を出せるか?
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ただ全くの独学でネットの情報だけというのは↑の記事でも書いているように恐らく無理です。なんらかのお手本や声を聞きながら訓練してくれる人を探しましょう。

そしてこの記事でも書いたように簡単にできるわけ無い技術なので、長い目でじっくり育てていくのが大事です。

ある程度融合が始まればそこからは徐々に強くなっていく体感があるはずなので。

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