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【こんな声出せますか?】第13回:深くて緩い地声

参考音源付き記事
Image by Petr Elvis from Pixabay

前回、第12回の吸気性の地声は質問箱やフォームなどから難しくて上手くできないという声を多数いただきましたが、今回はその呼気バージョンです。なので難易度的にはかなり優しくなっているはずです。

今回の発声では前回の吸気バージョンと同じく、内筋(内甲状披裂筋/声帯筋)をしっかり働かせるのに加えて、それをしやすくするために、強固に喉頭を下げる動作を維持しながら発声します。

『地声に厚みが出ない』とか『高音域になると喉が詰まっていく』などの悩みがある方は、まず今回の発声を真似してみると、何か良い変化があるかもしれませんので、まぁとにかく真似してください( ◉◞౪◟◉)b

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深くて緩い地声発声

パターン1

音量注意!
  1. 喉頭の位置はなるべく低く、典型的なあくびの形
  2. 発音は「オ」
  3. 声量は喋り声から多少大小するくらいでOK
  4. 音域は地声で鳴らしやすい高さからできるだけ下げていく

今回の発声全体のポイントは↑の通りです。発音はとりあえず「オ」にしていますが、最終的には全ての母音で鳴らせるようになる必要がありますし、音量も音域もなるべく拡張していければベストです。

まずはいきなり声を出すんではなくて、喉頭の位置を下げたまま、息を吐いてみましょう。息を吐くだけですが、意識としては明確に暗い「オ」母音を鳴らするつもりで出します。

声を出さずに思いっきりあくびをするつもりでやると上手くいくことがあります。

その際に顎をしっかり縦に落として、その状態で唇を「オ」の形にしてください。それをした上で喉頭がしっかりと低い位置で維持できているか確認してください。

NGパターン1

音量注意!

少しでも母音が歪むとこういう音になります。喉頭を下げる筋力がそこそこある人であれば、これくらいの母音の歪みだと喉頭の位置は変わらないかもしれませんが、そうでない人は少しでも母音が変わると喉頭の位置も微妙に変わると思いますので、そういった変化も頼りに探ってみましょう。

母音が歪んでも喉頭の位置自体は変わらない程度の筋力がある人は、録音しながら上のパターン1と同じような音色の音になっているかよーーーく聴き比べる必要があります。

このパターン1の段階で母音が歪み、それに気づかずに進めると、これ以降の練習はほぼ意味がない、もしくは状態によっては面倒な固着を生む可能性も高いため、慎重に練習してください。

  1. 顎がしっかりと落ちているか?(唇を横に開かないように)
  2. 息を吸う時も表情や喉頭の位置が変わっていないか?
  3. 母音を明確にイメージできているか?

このあたりを常に注意深く確認しながら練習しましょう。

パターン2

音量注意!

次は息を吐くだけだったところから声にしていきます。まずはスタッカートでいいので、息だけで作っていた母音がそのまま声になっているか注意深く聞いて練習しましょう。

息を吐く動作をしてから、いきなり「オ」母音だけで発音しようとすると、恐らく多くの方は余計な力みに繋がるので、ここでは息を吐く際の「h」の子音を付けたまま「ホ」というつもりで発音してください。

NGパターン2

音量注意!

よく起こりがりなNGパターンはこういう感じ。喉頭の位置自体は低くても、それが最大限起こっていないと意味がありませんし、母音が変わっているということは声帯の状態も変わっているということです。

今回の発声では、内筋と喉頭を引き下げる筋群を強く働かせることが目的なので、それら以外が関わることは基本的に余計な動きになるので注意しましょう。

パターン3

音量注意!

最後に母音だけで発声できるかやってみましょう。これが上手く真似できたら、ここから喉頭の位置やその緊張度はそのままに、声帯をもう少し閉じてみたり、より息っぽい音色にしてみたりと強度変更の幅が一気に広がります。

ただ今回ここで真似してもらうのは、そこまで声帯を閉じてない音色なので、音が持続できなくてもOKです。とりあえず音色を真似できるかが重要です。

NGパターン3

音量注意!

明確に母音にしようとした瞬間によくなりやすいNGパターンとしては、こういう感じです。

パターン2くらいだと、表面的にはそこまで変化がないので、自覚しにくかったりしますが、このパターン3だと明確に顎が落とせてなかったり、音の鳴っている感覚が大きく違ったり、喉頭が上がったりということに気付けると思います。

こうなってしまう要因の1つに、暗い母音を鳴らそうとしすぎるというのがあります。あくまで最初に挙げたような条件が揃っていれば、必然的に母音は暗く丸いものになるため、あまり強く意識して鳴らそうとすると余計な緊張を生みます。

ここでも息を吐くような感覚が重要になるでしょう。

まとめ:第4回と合わせてやってみてください

今回の発声と第4回を合わせてやると、地声発声の自由度が結構上がると思います。逆に今回の発声が上手く出来ない場合、前回の第12回を試してみてください。

どちらも上手くできない場合は恐らく相当喉が凝り固まっているか、萎びてしまっている可能性が高いので、早めにボイストレーナーに声を聞いてもらいましょう。