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ミックスボイスの訓練|連結しやすい地声発声の訓練

最近、私のレッスンに来られる方のほとんどが、このブログをしっかり読み込んでから受講されることが非常に多いようなので、よく記事にしている『裏声』に関しての練度は数年前と比べると明らかに良くなっているのを感じます。

他方で、そんな中レッスンに来られるクライアントさんの多くが

  • 裏声はよく練習しているし、低音域まで下げられるようになってきたけど、未だにミックスボイスが中々掴めない
  • 比較的高音域(G4以上)の発声は強くなってきたけど、換声点付近(C4~F4)がいつまで経っても不安定

といったお悩みをお持ちです。

そんな方々の共通した部分は、これら↑の問題に関してはそのほとんどが『地声』の方に原因があるけれど、その地声が全く手つかずの状態ということです。

つまりは裏声の重要性は理解して、そのための訓練はしっかりやっているけれど、もう片方の地声の訓練は全然出来ておらず、そのため上手く声区が融合・統合できないということです。

なので今回は「裏声はそこそこ上手くなってるはずなのに、中々ミックスできないな~」という方に役立ちそうな地声の練習をご紹介します。

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裏声から地声に断絶することなく下降する

これまでこのブログでも地声~裏声を行き来する練習は紹介していましたが、ここでやるのは、なるべく裏声の質感や感覚・体感を手放さないように地声の音域まで下降するという練習です。

ただ完全に裏声のまま降りてきてしまっても意味がないですし、あまりにも地声の機能がメインの状態でも意味がありません。

地声にはするけど裏声の機能も感じられるように、軽さも含んだ地声を狙ってください。

  1. 発音は裏声はウ、地声はア
    くっきり母音を切り替えずに、滑らかに母音をグラデーションさせていく
  2. 下降した後の地声で持続できるように
    息が漏れすぎて音を持続できないのはNG
  3. 完全明確な地声に変わるのもNG
    あくまで裏声の要素を含んだ地声に下降します

参考音源:成功パターン

狙うのは裏声の機能を含んだ地声ということで、断絶することなく地声の高さまで降ろせたとしても、体感的にいつもの地声の感覚にがっつり切り替わっていたらアウトです。

あくまで軽い地声、がっつり声帯がギュッと閉じてたり収縮してない柔らかい地声を探ってください。

参考音源:失敗パターン

音源冒頭は完全に地声に切り替わっている・断絶してしまっているという失敗パターンで、後半は地声の要素があまりにも少なすぎて、ほぼ裏声の下降になってしまっているという失敗パターンです。

訓練当初は多かれ少なかれこうなってしまうと思いますが、よく成功パターンの音源と自分の発声した録音音源を聞き返してみて、どこが違うのか、どこから違うのかよくよく聞き返しながら練習してみてください。

低い音域でのメッサ・ディ・ボーチェ

正式なメッサ・ディ・ボーチェはC4~F4の範囲で訓練しますが、これをC4よりも低い音域まで引き下げてやってみましょう。

個人的にはこの訓練をやり始めると途端にミックスボイスが安定しだすクライアントさんが非常に多い印象です。それくらい声区を統合させる効果が高い訓練です。

  1. C4以下の音域でやりやすい高さを探る
    ほとんどの人がより高めの音域の方がやりやすいはずです
  2. 大きくするのはそこそこでOK
    低い音域でもなるべく裏声の機能を関わらせて増幅するため、あまり声量は気にしなくて問題なし
  3. 完全に明確な地声に変わるのもNG
    この練習でも明確に地声に切り替えるのはNGです、加えてそもそも地声からスタートするのもNGです

参考音源:成功パターン

これくらいでOKです。正式なメッサ・ディ・ボーチェのように明確な声量差を作ろうとしなくてもいいので、ほんのちょっぴり質感がしっかりはっきりしたかな?くらいを狙ってみてください。

参考音源:失敗パターン

当たり前にメッサ・ディ・ボーチェなので、音源冒頭のようにどれだけ微妙でも断絶しちゃうとアウトです。そうならないように出来る範囲での増幅を狙いましょう。

音源の後半部分はそもそも始めから小さい弱い地声でスタートしちゃってるパターンの失敗です。これも全く意味がないわけではないですが、この訓練の目的からするとズレちゃいますので、できるだけ裏声からスタートするのを心がけてください。

まとめ:クオリティはさておきとりあえずやってみてください

この記事で紹介した練習方法も、正式なメッサ・ディ・ボーチェ同様、そもそも実践するのが難しい場合が多いですが、クオリティはさておき「真似しようとやってみる」ことが重要です。

特に男性の場合は、地声の訓練は意識的に慣れてない状態を作ろうとしないと、中々普段の喉の使い方からしがみつくのをやめられないため、デモンストレーション通りにできなくても、とりあえず真似しようとあれこれ意識を変えながら発声してみましょう。

今回紹介した練習がこなせるようになると、地声に軽さが加わり、明らかに換声点付近の歌いやすさが増すと思います。

「もっと詳しい練習の仕方が知りたい」とか「上手く出来ない原因が知りたい!」といった場合は是非レッスンを受講してみてください♪