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喉頭(喉仏)の位置を正しく上げる/下げる|狙った喉頭懸垂筋群を働かせる

参考音源付き記事
Image by asvsrgr from Pixabay

前回の記事でも解説したアンザッツや喉頭懸垂筋群にも関わってくる内容の記事になります。アンザッツの有用性は知られるようになりましたが

  • 喉頭を動かすことができない
  • 喉頭が動いているかわからない
  • 喉頭は動かせても、それを保って発声することができない

といったお悩みは初回レッスンやメールでもお問い合わせいただくことが非常に多いです。

以前に喉頭を下げることに関する内容は少し解説したのですが、今回は上記のようなよくある喉頭の操作に関する悩みやよくある間違いに関して解説していきます。

  • アンザッツで練習しているけど各ナンバリングで出し分けができない
  • 喉頭の操作を含めた練習をしているけれど効果を感じない

上記のような状態の方はぜひこの記事の解説をよく読み、できているかどうかか確認してみてください。

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ステップ1. 特定の動作により喉頭を動かす

冒頭にも書いているように時々お悩みとして「喉頭が動かせないです」という方がいらっしゃるのですが、基本的にそんなわけありえません。発声や呼吸・嚥下に明確な障害がないのであれば喉頭は柔軟に上下に動かせています。

意図して喉頭を操作したことがないというだけで、喉頭が動かないわけではないということです。

  1. 喉頭を下げる
    あくびをする/息をたくさん思いきり吸い込む/むせび泣く真似をする
  2. 喉頭を上げる
    何かを飲み込む/思いきり息を止める/赤ちゃんの鳴き声を真似する

上記のようなことを喉仏を触りながら試していただくと、喉頭が上下するのがわかると思います。

やろうとしてもできない、もしくはやっても喉頭が動かないようであれば、相当に固着しているか、やり方が全く違うかのどちらかなので、早急にボイストレーナーや言語聴覚士に声を聞いてもらうことをオススメします。

ステップ2. 動作なしで喉頭だけを動かす

次にステップ1で行った動作や声真似をせずにただ喉頭だけを動かせるか試してみましょう。恐らく喉頭の操作に慣れていない方の多くがこのステップで苦戦すると思います。

いきなりステップ1の予備動作をなくして喉頭を動かそうとするのは難しいはずなので、少し予備動作を少なくしたり短くしてやってみましょう。

このステップ2でも次のステップでも同じですが、喉頭を無理くり上げ下げしようとすると大抵は

  1. 無理に喉頭を下げようとすると
    舌の付け根を喉の奥に押し込める/顎を思いきり下げて物理的に喉頭の位置を押し下げる
  2. 無理に喉頭を上げようとすると
    舌を緊張させ口内で高い位置に押し当てる/歯を食いしばる

上記のような発声訓練にはあまり関わってほしくない動作によって喉頭の操作を行おうとしてしまいます。これらの動きが喉頭の操作と同時に起こっていないかよーーく確認しながら練習してみてください。

最終的には舌や顎や口の動きとは完全に分けて喉頭の操作ができるようになるのが目標です。最初のうちはできる気がしないかもしれませんが、ステップ1の冒頭にも書きましたが喉に何らかの傷病がないのであればできるようになります。

ステップ3.発声しながら喉頭を動かす

最終的にはアンザッツなどに関わってくる喉頭を操作しながらの発声です。ステップ1と2が上手くできていたとしても、声を出しながらになると突然、前述のあまり関わってほしくない動作がてんこ盛りになる方が非常に多いです。

なので基本的にはかなり難易度の高いことなんだと思って、地道に練習していただければと思います。

発声しながら喉頭を下げる

出し始めは特に喉頭の位置を操作していない声で、そこから徐々に下げています。

音色の変化として「こんなもんでいいの?もっと明確に変える方がいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、この参考音源よりも明らかな音色の変化が起こっている場合、それは喉頭の位置だけではなく声道・共鳴腔の形により暗い音色を作ってしまっている可能性が高いです。

NGパターン

「喉頭を下げて発声しました」という方がよく陥りがちな舌で喉頭を押し下げて発声した間違いパターンです。これが癖になると中々にほぐすのに時間がかかる面倒な固着になるため、こういう音色になっている場合はステップ1からやり直してください。

発声しながら喉頭を上げる

上げるパターンも下げるときと同様にただただ声だ響く空間が少し狭くなっただけなので、あまりにも音色が鋭くさせようとしたり平べったくしようとするのは違います。

NGパターン

これもよく喉頭を上げて発声しようとする方が陥りがちな声道・共鳴腔全体を強く狭窄させながら発声しているいわゆる詰まった声です。

こういった発声の状態をアンザッツの1番や5番だと勘違いしている人が多いのですが全然違います。この状態で練習を続けても本来動かしたい懸垂筋群の引き上げる系の訓練には全くなりません。

このNGパターンっぽい音色になってしまっている場合は、ステップ1から丁寧に練習して探るか、ボイストレーナーに声を聞いてもらいましょう。

私個人の経験として、こういった喉頭を引き上げる発声を独学で全く問題なく上手にできている人というのは、これまでに何百人とレッスンしてきた中で両手で数えるほどもいませんでした。99%の人はめちゃくちゃな状態になっているので、上手くできない場合は独学で続けるのは現実的ではありません。

まとめ:ボイストレーナーとしては有用だけどそもそも難易度が高い

前回の記事でも書きましたが、今回解説したような喉頭の操作を入れた発声訓練やそれに類するアンザッツなどは、そもそも訓練として効果がでるようなレベルでこなすにはかなり柔軟な発声の下地が必要です。

発声できる中で何一つ自在なものがないような状態で、今回解説した練習やアンザッツは絶っっっ対に無理です、余計な癖・固着を生むだけです。

ボイストレーニングをしたいと考えているけど何をしたら良いのかわからないという方は下記の記事でまとめてある「ボイトレ未経験者~初心者の方に読んでほしい記事」に目と通して真似してみてください。

これまでに公開した『喉の状態』や『発声レベル』に応じたボイストレーニングの練習方法をまとめた記事
このブログではこれまでに300ほどの記事を公開しているのですが、それらを喉の状態や発声のレベル、声に…

そこそこ発声の自由度はあるけど、アンザッツ系の練習で成果を感じられない場合は、この記事で解説しているようなパターンを一つひとつ試して真似できるかやってみてください。

もっと詳しく自分の喉に合った練習を知りたい場合はぜひレッスンにお越しください~

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