結構昔に書いた記事だけど、中々良いこと書いてるからちゃんと書き直そうというシリーズの第三弾です。今回は「練習」についての超当たり前で基本的な思考についてです。
一応当ブログはボイストレーニングスタジオのブログなので、タイトルには『ボイストレーニングに行き詰まった時』としていますが、今回書くことは何かしらスキルを習得しようと練習していれば必ず起こる事とその対処方法です。
実践的なボイトレ内容ではないですが、きっと何かを真剣にやっている人ほどいろんな悩みがあると思います。そんな方に向けたちょっとしたお話です。
練習してても上手くできない or 上手くできてるか分からない・・・
それで問題ない、というかそれが良い
どうにもスキル習得の際の練習に正解を求めてしまうことが多いのですが、正解が明確にわかっていて、それを再現できるくらいなら何も苦労しません。
ある程度手探りで、これで良いのかな?と迷いながら練習を続けるしかないんです、ことボイストレーニングに関していえばそれが正しい訓練です。
ボイストレーニングの場合は、今までに使ってなかった喉の筋肉を使い、今までになかった発声をするための神経回路を新たに構築する必要があります。
人間の脳というのは一度覚えたことを基本的には忘れられません、つまり新たにスキルを習得しようとしても、脳は今までどおりの身体の使い方をしようとします。なのでトレーニングというのは、今まで通りの動きをなるべく避けて、新たな動きを覚えさせようとすることに他なりません。
ということは新しい動きがある程度定着するまでは「上手くできないな~・・・」となって当たり前、というかそうなっていないのであれば、今まで通りの動きになってしまっている可能性が高いということです。
『少しの背伸び』と『前向きなミス』を繰り返す
どちらが欠けても効率的な練習にはならない
上でも書きましたが、基本的には「上手くできないな~」とか「これできてるのか?」という状態じゃないと、練習としては上手くいっていないと思ったほうがいいです。
あまりにも「良くできてる!」となっている場合、多くの場合今まで通りの状態や動きになっている可能性が非常に高いわけです。
なので練習する際は今の自分では少し難しいかな?というレベルを選択すると効率的です、それが『少しの背伸び』ということですね。
そして少し難しい課題だったとしても「全然できない!」とか「難しすぎる!もうちょっと簡単にできることをやろう・・・」となってしまうと勿体無いです、常に前向きな「できなかったけどもう少しで何か掴めそう」とか「次こそは!」という意識で取り組むことが重要です。
上手くできないということは脳が新たに何かを覚えようとしているということなので、それを前向きに捉えるべきなんです。決して失敗ではないということを頭に入れておくべきです。
ここまで書いたことの前提条件
自分に必要な練習が明確にわかっている場合
ここまでメインテーマである「少しの背伸び」と「前向きなミス」について書いてきましたが、これらを実践するのは明確に自分に必要な練習が分かっている場合に限ります。
どんなスキルであれ、独学で右も左も自分の得手不得手も分かっていない状態なのであれば、今回ここに書いたことは当てはまらないことが多いでしょう。独学であれば自分で分かる範囲で簡単な練習も少し難しい練習も幅広くこなす必要があります。
まとめ:できないから練習するという当たり前の真実
当たり前に再現できることは練習になりません、それでは現状維持です。
子供の頃のどんなことでもいいですが、初めてできるようになった過程や瞬間を思い出してみてください。補助輪なしで自転車に乗れたときでもいいです、その時にどうやって乗れるようになったか?絶対に何度かは転んだでしょう、そしてあれこれとアドバイスをされて、それらを自分の中であーでもないこーでもないと組み合わせて初めて乗れるようになったはずです。
大人になると生きてきた経験の中で、そういったシンプルな真実を忘れがちになりますが、これは何歳の人でもどんなスキル習得でも同じであるということ忘れないようにしましょう。
そうすれば、余計な思考に惑わされず、スキル習得のための意味のある練習を続けることができるようになります。