レッスンをある程度のスパンで受講していただいているとあまり起こらないのですが、半年に一回とか、数ヶ月に一回というスパンだとよく起こってしまうのが前回まで出てた声が出せなくなっているということです。
これはレッスンを受けている受けていないに関わらず、ボイストレーニングをある程度の期間継続してると、新たに出せるようになっている声もあるけど、じゃあ今まで当たり前に出てたこの声やあの声は?となると「あれ?なんか出ないな・・・」となることが結構あったりします。
何度かこのブログでもTwitterの方でも書いたのですが、新たに出せる声のトーンが増えたとしても、今まで出せていたのが出なくなってるのであればそれはプラマイゼロなわけで、一歩進んで一歩下がっちゃってるんですね。
なので今回はそういった事が起こりにくいようにホームエクササイズを決めておこうというお話です。
まずホームエクササイズってなに?どういう意味?
あなたが得意/心地よく出来るエクササイズツールの事です
という風な感じで以前は書いていたのですが、今現在はいつでもどこでもどんな状態でもスルッとなんのストレスなく出せる声だと考えています。
そしてそれはあらゆる声の基礎になるもの、それが出せないと他の声も出せないであろうと予測できるものであればより便利です。
だってそれが出せないような状態であれば、それ以外の声もほぼ安定して出せないということが分かるわけなので、練習を効率化するという意味でも狙いが定まりやすくなります。
なるべく要素の少ない声
やっぱり純粋な裏声/ピュアファルセット
がホームエクササイズとして最適かな~と思います、↓の記事の参考音源4の純粋な裏声みたいなトーンの声です。
もしくは↓の記事のような軽くてふわふわした典型系的な裏声ですね。
声に含まれている要素を出来るだけ少なく、そして強度の軽い声を採用すると出しにくくなっている状態が恐らく一発で分かる(自覚できる)と思うのでおすすめです。
強くて高い声を出す練習したいのに、こういう軽いトーンの声が出せないのであれば、それはもう練習自体の強度も下げる必要があるのは当たり前に理解できると思います。
10kgのダンベルで筋トレしようと思ってるのに、5kgのダンベルが楽々上がらないのであれば、とりあえず当面は5kg以下のダンベルでトレーニングをする必要があります。無理やり10kgでトレーニングしても身体を壊すか大きくトレーニングのバランスを崩すだけです。
常になくさないように確認する
家がなくなっちゃうと大変です
極端に声に含まれている要素が少ない音色というのが出せなくなると、大抵の場合声の混合が起こっちゃっているということになります。
人差し指だけを曲げようとしてるのに、思いっきり中指も薬指も小指も同時に曲がってしまうような、こんがらがった状態が喉に起こっていると考えていいでしょう。
そうなるともう何をやっても狙ったトレーニングの効果が出ないのは目に見えているので、出来る範囲でしっかり意図した動きを再現できるトレーニングに強度を下げる必要があります。
親指だけならなんとか思うように動かせるのであれば、そこから徐々に混乱を解いていくしかないわけです。その親指だけの動きというのが、ボイストレーニングでいえば要素の少ない音色の声という風に考えられます。
そしてその要素の少ない音色さえも出せないのは、もうどの指も全部一緒に動いちゃうくらいヤバイ不自由な状態なので、出来るだけ避けたいわけですね。
常日頃から頻繁に繰り返す
これが一番手っ取り早く確実です、暇があれば弱い声でいいから出す。これだけで↑に書いたような声の混合はかなり抑えられます。
新たな音声パターンを探したり、今までにない強度でトレーニングしようとしてるわけじゃないので、フルパワーで声を出そうとしなくてもOKです。鼻歌感覚で頻繁に出しておいてあげましょう。
まとめ:戻る位置を定めておく
長期間決まったメニューのトレーニングを淡々とこなすのも熱心でよろしいのですが、その時も「これは常に出せないとヤベェ」というメニューを決めておいたほうがいいです。そしてそれが出せないような状態になっているのであれば、トレーニングのメニューを見直す必要がある可能性が非常に高いということでしょう。
どんどん変化して進んでる気がしても、振り返ると色々な声を落としてしまっているというのは私自身経験があります。
常に引き出しの手前の方に色んな声を置いておいて、いつでもサッと取り出せる状態を維持するというのが効率的な成長のために重要なポイントだと考えています。