まだまだ一般的な習い事にはなっていないボイストレーニングですが、そもそもボイトレのレッスンってどういう事するものなの?というとても素朴な質問を頂いたので簡単に回答してみようと思います。
たしかに他の習い事(楽器やスポーツ等)と違って声は目に見えないわけで、それをどういう風に指導するの?という疑問が生まれるのもボイトレに馴染みのない方なら分からないでもないですね~
またここで解説するのはあくまで「うちのレッスンの場合」です。他所と大きく違う場合もあります。
決められた固定のメニューは存在しません
声の状態やレベルは絶対一人ひとり違うので
私自身ボイストレーニングのレッスンを受け始めの頃いくつかのボイトレスクールで受けたレッスンが
- 毎回決まった全身の準備体操(10分)
- ピアノのスケール伴奏が入ったCDを流してタングトリル(10分)
- 毎回同じ「Mum」でのスケール練習(10分)
- 課題曲の練習(20分)
- ウォームダウンの体操(10分)
みたいな完全テンプレート型のレッスンでした、まぁ数ヶ月ですぐにやめましたが・・・笑
当たり前のように↑で書いたようなレッスンメニューでは滅茶苦茶勘の良い人かこのテンプレートが現状の声の訓練としてリンクしているかどちらかじゃないと全く意味がありません。それ以外は全く成長しない、もしくは余計な癖を付ける可能性もあります。
声の状態やそれを作る筋肉の大きさ・強さが全く同じという人は存在しません。つまりそれらの状態をより良くしていく方法や手順も無限にあるんですね。
おおまかに分類すると「同じような傾向の声」というのは全然ありえるので、トレーニングメニューが似通ってくるのはありますが、全く同じメニューを与えるというのは絶対にありえません。同じような声の傾向でも、様々なメニューに対する意識や得意不得意は違うので。
発声練習以外の事に時間を割くことはしません
準備体操なんかはレッスン外でもある程度一人で出来ることなので、こういったことにわざわざレッスンの時間を割くのは完全に無駄です。
一人では正しく出来ているのか分からない・判断できない事をレッスンでやっていきます。じゃないとわざわざお金払って時間作ってレッスン受けてるのに勿体無いですもんね。
リアルタイムで声を聞いて状態を「分析」する
喉や声帯がどういう状態になっているか?を出音で判断しながら
生徒さんの声を聞いて
- その声がどういう状態で鳴っているのか?(筋肉群のバランス)
- 余計なプレッシャーをかけて声を形成していないか?(発声時の癖)
- そこから強化するにはどうすればいいか?(発声能力の強化)
等など↑を含む様々な声の状況をリアルタイムで分析しながら、一人ひとり全く違うトレーニングメニューを提案して実践して頂きます。
AさんとBさんは全く違うレッスン内容かもしれないし似た内容かもしれない
ということですね、上でも書いたように声の傾向が似ているのであればレッスンで行うトレーニングメニューも似通ってくる可能性があります。
でも大抵はみんな違うレッスン内容になると思います。声の開発段階が初期であればあるほどこの振り幅は大きいです。
そしてある程度開発された声(最低限バランスの取れた発声)であれば、そこから強化していく方法というのはあまり多くのトレーニングメニューを行う必要もなくなってくるので段々と少なくなっていく傾向が多いです。
具体的な当研究所のレッスンの流れ
主にこういう感じでレッスンをやっていきます
- 現状についてのカウンセリング
- 声のウォーミングアップ(リップバブル等、声の状態によっては省く)
- カウンセリング・ウォーミングアップを踏まえてメニューの組み立て
- 最後に次回レッスンまでの自主練習の際の注意点
とてもシンプルですがこんな感じです。こうやって書いてみるとほぼ声を出すという事以外やってないですね。
声を出すことに慣れていないと最初の内は結構疲れると思います。上には書いてませんが、レッスン開始から20分過ぎた辺りには休憩を入れます。
休憩もあまり長時間集中していられないという脳の構造を加味した上で入れています。
参考記事 ボイストレーニングするときに絶対に意識しておきたい効果を劇的に上げる方法
参考記事 ボイストレーニングに行き詰まった時に知っておいてほしい練習方法とそのポイント
おわりに
最初に書いたようなテンプレートレッスンを受けてきた人だとこういう一人ひとり全く違うメニューを処方されるレッスンを受けると戸惑うようですが、ボイストレーニングのレッスンというのは本来一人ひとりのオーダーメイドレッスンであるべきです。
気になった方は是非レッスンにお越しください?
ということで今回はここまで!