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ありがちなバンドで求められるボーカルの声量とその認識について

ボイストレーニングTips

アメブロ時代にすこし書いたのですが最近生徒さんからバンドにまつわる悩み相談を受ける事が多くなってきましたのでまたいろいろと書いておきたいと思います。

特に初心者が集まったバンドによーーーくある勘違いについても書きます。

以前に記事でも書きました声量についてですが、今回はバンドという形式にスポットを当てています。是非ボーカリストだけではなく他のバンドメンバーにも読んでもらってください。

特に今回はボーカリスト以外に向けた記事になります。

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よくあるお悩み「バンドメンバーにもっと声量を上げろと言われます・・・」

本当によくあるお悩みです、みんな経験あるんじゃないですか?

バンドというものでボーカルとして歌っていたらきっと一度は言われたことあるんじゃないでしょうか?

「全然声聞こえないわ、ボイトレとかしたら?」
「もうちょっと大きい声出ない?」

などなど・・・そして実際にボイトレに通い、その先生に言うんです

「どうすれば声量って上がりますか?」

と・・・そんな生徒さんが実際私の所にも来ているのですが、そういった事を聞かれると私は非常に困ります。声のバランスが整ってきたら声量はある程度増えますが、故意に声を必要以上に大きくすると多くの場合バランスが崩れます。

それは何度か記事でも書いているように声の元になる息を増やすとそれだけコントロールは難しくなります。ここの一覧からいろいろ記事があります。

そしてこういったバンドでのお話の場合、問題がボーカリストだけという事は物凄く少ないのです。

各パートの『楽器の違い』理解してますか?メンバー全員で考えてみましょう

まずは基本的な楽器について理解しましょう

バンドで使用される楽器はボーカル以外基本的に電気的に増幅され任意の音量で演奏できます。ドラムは力いっぱい叩かなくてもある一定の音量が出る楽器です、だから楽器自体がデッカイんですね。

さぁそんなある程度音量を自在に操作でき、それが演奏の足かせにならない楽器とボーカルを比べてみるとどうでしょう?

明らかに音量不足なんです。

「ボーカルはマイクがあるじゃん!何いってんの!?」といわれそうですが楽器の原音としてボーカルは生の声です、他の楽器の様に優しく弾いたり叩いたりしてもそれがそのまま電気的に増幅出来るわけではありません。そしてマイクという増幅装置はほかの楽器に比べて物凄く大きな弱点があります。

みなさんもよく知っていると思いますが「ハウリング」です。これはマイクが声以外もの音も集音出来てしまう構造上絶対になくならないし、そのせいで音量としては他の楽器より大きく制限されます。

つまり楽器としてだけ見ればバンドの中でボーカルの声というのは物凄く小さなものなんです、これをボーカルも楽器隊もメンバー全員で頭に入れておきましょう。

じゃあ『声量』は関係ないの?

無くはないです、明らかによろしくないマイクの使い方や声が小さいシンガーもいるのでそれらについてはボイストレーニングなりマイキングなりを勉強すれば改善される事はあります。

しかしある程度のレベルのシンガーであれば本来正しい環境で歌えば他の楽器に埋もれて声が聞こえないなんで状況にはならないのですが、そんな人達でさえバンドでの声量不足に悩まされています。そしてそれは多くの場合、ボーカルの声量云々より以前の問題があるバンドの方が多いです。

バンドの『音作り』考えてしていますか?

いろいろとびっくりする事をしてる場合が多いです

レベルを問わず各楽器の音量が無茶苦茶な場合が非常に多いです。

ロック系のバンドに非常に多い傾向ですが「大きい音が良い・大きい音であるほど良い」といった考えの奏者がかなりいます。

聞くと未だに「○○のアンプはフルテンじゃないと良さが出ない」とか「○○はある程度の音量じゃないと意味が無い」といった変なロックソウルを持った人がいるようです笑

そこまでいかなくてもスタジオなどでの練習時によくあるパターンとして

  1. ドラム「力一杯叩けるの気持いい!!」
  2. ギター「ドラムがデカすぎて俺の音聞こえねぇ・・・ボリューム上げよ」
  3. ベース「俺の音超埋もれてんじゃん・・・ボリューム上げよ」
  4. ボーカル「俺の声全然聞こえないじゃん・・・ボリューム上げたいけどこれ以上上げるとハウる・・・」
  5. ボーカル以外「声全然聞こえないわ、もっと声出ないの?」
  6. ボーカル「ごめん・・・・」

この↑一連の流れは滅茶苦茶多いです、それはもう初心者のバンドだとほぼこうなってるんじゃないか?ってくらい。

人に聴かせるならばきちんと考えて音作りをしましょう

「ただ趣味で大きな音で楽器をかき鳴らせるのが気持ちいい!」それが目的であればなんの問題もないです。しかしその場合はボーカルもその基準の音量に巻き込むのはご法度です。

声はアンプと違って長時間大音量で使うことに耐えられません、枯れたり潰れたりが当たり前に起こる楽器です。

そしてバンドとして人に聴かせいたい、人前で演奏したいと思うならばバンドの各楽器の特性をしっかり理解し音作りをしましょう。いろんな楽器が入り混じって一つの音を作り出す、全ての音をきちんと聴かせるという前提から考えれば

一番音量の小さな楽器に合わせる

ということにせざるを得ません。何度も書いていますが、他の大音量の楽器に合わせてそれらと同等の音量を出し続けられるシンガーは世界中探しても多分いないでしょう。

今回はとても極端な例に対しての解答です

声という楽器についての認識を改める機会になれば

極端に大きな音量で演奏しているバンドの場合、ボーカルがいくら声を鍛えてもその状況は打破できません。

声が極端に小さい場合を除いて、その状況はボーカルからすれば仕方がないという状況が殆どです。

今回はボーカルに対する正しい認識とバンドにおける音量の問題のよくあるパターンについて書いてみました。ボーカルはバンドを始めると絶対に突き当たる問題だと思うのでしっかし自分自身で理解する事と、バンドの他の楽器メンバーにも理解してもらう努力をしましょう。

ボイストレーナーだからではなく

こういうボーカリスト寄りの事を書くと「お前もボーカルだから庇うんだろ!」と思われがちですが、そうではありません。

世の中あまりにも声という楽器を軽視している方が多すぎるのです。他の楽器に合わせて歌えば平気で一瞬で壊れることもありえます。

同じ状況でボーカル以外の楽器メンバーも歌ってみるといいでしょう。単純に声量の問題では無いことがよく分かるはずです、いくら訓練したとしても人間が出せるであろう声量では他の楽器と同じように演奏できないことは明らかです。

まとめ!!

今回はボーカリスト寄りの記事でしたが、ここで書いたのはあくまで

バンドの音作りが極端に出来ていない場合、あまりにもボーカルに理解がない場合

です、これらのパターン以外でボーカルの声量がないとされる場合、それは単純にボーカルのレベルが低い事が原因です。そうなれば上で書いたようにトレーニングや工夫しなければいけません。そのパターンについては次回いろいろ書こうと思います。

ということで今回はここまで!

追記1

更新記事1 バンドでボーカルに問題がある場合の声量の改善方法その1

更新記事2 バンドでボーカルに問題がある場合の声量の改善方法その2

追記2 2016/02/17

Facebookで物凄くシェアして頂いてるみたいで、ご覧頂きありがとうございます。

しかし私自身がFacebookに登録していないため沢山いいねを頂いてますが、どういった意図でシェアされているか分からないので、追記としてこの記事の内容に同意出来ない方に向けて少し補足説明してみようと思います。

人間の声の出せる最大音量が私が知っている限りでは135デシベルです、しかし恐らくこれは言葉を乗せられない叫び(シャウト等)の音量です。それで135デシベルが最大です。

しっかり歌詞を乗せてなんとか歌える音量がめちゃくちゃ訓練された歌手の声で最大120デシベル程度です。こんな声が出せるのは世界的に見てもそう多くないはずです、まぁこの記事中に話しているバンドボーカル初心者では100%無理なレベルです。

それとくらべて生ドラムの音量は余裕で130デシベル出ます、バスドラであればキックペダルを思いっきり踏み込めば140デシベルを超えることも普通にあります。

(;´∀`)・・・まぁここまで書けばわかると思いますが、こんなバカみたいな比較をしたとしても、誰でもわりと簡単に130デシベル出せる楽器とめちゃくちゃ訓練しないと120デシベル出せない楽器を比べてるってわけです。

こういう基本的な知識を頭に入れておいて、この記事を読んで頂くといいんじゃないかな~と思います♪