最近レッスンでもこちら側が「良い感じに整ってきたな?」と思っているのにその生徒さんから「今までの感覚よりかなり弱い声になっているような気がするんですが・・・」という風な事を言われることが多くなってきました。
よくよく思ったら私自身も習い初めの時明らかに声のパワーダウンを感じたことがありました。
なので今回は実際の声の変化とその人自身が感じている感覚のギャップについていろいろ書いていこうと思います。
ここで違った方向に行くと一気に発声のバランスが崩れる可能性がありますので、注意して読んでみてください。
そして色々書いてみたら一つの記事にまとめきれないので、この記事はその1です。また更新します。
追記 ヘッドボイスが出てミックスボイスが徐々に強く出せるようになると陥りがちな感覚とギャップ その2
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無理やりチェストボイスを張り上げての発声としっかりヘッドボイスで出す時のギャップ
まず第一段階としてはここをクリアする必要があります
以前から何度も何度も書いているように、健康的な発声を身につけるにはチェストボイスから離れてヘッドボイスにリリースしていく事が絶対必要になります、これは絶対です。例外はありません。
参考記事 兎にも角にもヘッドボイス!ミックスボイス云々は置いておいてまずは声を手放す感覚・出し方を練習しましょう
今回の記事はとりあえずこの部分をクリア出来始めた方に向けた記事です、上の記事を呼んでない方や理解してない方はとりあえずピュアなヘッドボイスを出すことを目標としてください。
そしてこれらが出来た方は「うん?なんか俺・私が望んでる声ではないぞ?ってか繋がってないぞ?」という疑問が湧いてきた方に読んでいただきた記事です。
そういうギャップを感じているのは恐らく正しい道順を来ています。まぁ実際声を聞かないとわからない部分ではありますが、恐らくそういうギャップを感じるということはチェストボイスに捕まり過ぎてない発声が出来てきていると予想されます。
徐々にヘッドボイスにチェストトーンが増えてきて強くなってるのに・・・
自分では気づかないくらい徐々に強くなってます
毎日自分自身の声と向き合って練習していると小さな変化はどうしても見逃しがちですが、正しい練習メニューで練習している限り声は徐々に強くなってきています。
だけど案外本人は違いを感じてない事が多いです、それはもう大半そうなんじゃないか?ってくらいです。
それくらいヘッドボイスを強くしていくというのは地道な作業です。今までチェストボイスを押し上げていた時の声のパワーや感覚とは全く違います。
それを理解して受け止める必要があります。
ここで「やっぱり俺の思っている出し方はこうじゃない!もっとハードに出すんだ!」と思って少しでもチェストボイスのトーンを多く残そうとしてしまうと大抵声のバランスは崩れます、それもすぐに。
大きな操作や変化では声はバランスを必ず崩します
以前から言ってるようにエッジボイスや鼻腔共鳴はこの大きな操作です
声を自由に鍛えていく方法は本来母音の操作でのみ行われます。
それ以外の方法で強くしようとしても必ず何かが足りない、もしくは多すぎる声になってしまいます。
エッジボイスを声に混ぜ込んで出そうとする場合、明らかに声門閉鎖が強くなり、息を吹き上げ、細くキンキンした只々耳障りな声になります。
鼻腔共鳴を意識した場合もそうです、この場合共鳴腔の移行(ヘッドボイスに移行するという意味)が行われていないことが多いため、声は固まり詰まったような声質になるしかありません。
こういう大きな変化や操作、つまり誰もが分かり大きく認識出来る部分で声を強くする要素は一切ありません。
正しい練習をしていれば、母音をしっかり操作できていれば
徐々に声は繋がり強くなっていきます
本当に徐々~に徐々~にです、いきなり声がバーーンと出るようになることはありません。
しかし細かく細かく、声を診て、母音が崩れていないか?維持出来ているか?という事を繰り返していけば声は強くなります。
今までチェストボイスで張り上げてギリギリ出ていた音域が、ほぼ同じようなトーンでヘッドボイスで軽く(チェストボイスと比較して)出せるようになることも夢ではありません。
最初に書いたようにチェストボイスオンリーの発声に先はありません、ヘッドボイスを鍛えていく必要があります。
が、やはり人間早く成果を欲しがるもので、上で書いたようなインスタントな方法で声を強くしようとしちゃうんですね・・・
ある程度声の筋力あるのに、そういった余計な出し方を覚えているせいで声の開発が大幅に遅れるということはよーーくあります。勿体無いことです。
初期は母音でもヘッドボイスにしっかり移行するように練習するので
チェストのクオリティと落差があるのは当然です
声がひっくり返る、ブリッジでショックがあるというのはチェストボイスの状態から徐々に声帯を軽くしていくという事が出来ないから起こっているわけで、大抵はそこを何とか乗り越えようと余計な力を使い声を出す癖を作ります。
なので何度も書いているように、そうじゃなくてとりあえずピュアなヘッドボイスを出して、いきなり声帯を軽くしてもいいから高い声を負担なく出す感覚を身につけます。
母音に関しても閉じて閉じてとりあえずヘッドボイスを出しやすい状態にしますが、徐々にそこから離れて声を強くしていきます。
そしてそれが当たり前のように出来るようになれば、徐々に母音を操作してチェストボイスのトーンを増やしていきます。この辺りは実際にレッスンでやらないと危険なので詳しくは説明できませんが、そうすることによって声は上と下も自由に繋がっていきます。
母音の操作についてはいくつか記事にもしてますので、そちらを参考にしてください。
参考記事 ミックスボイスを作る/強化していく上でとても大事な母音の調整について?
しかし徐々~に変化が起こるので自分自身では分かりにくいです
私自身声が強くなったな?なんて思った事ありません
いつのまにかなんとなくチェストボイスのトーンを多く残したままヘッドボイスを出せるようになったという感じです。
しかし今現在でも自分自身の声は「やっぱり弱いな?軽いな?細いな?」と常々本気で思っています、でもレッスンでデモンストレーションして強く出したヘッドボイスを聞いて生徒さんは「それはチェストボイスですか?」とか「チェストボイスにしか聞こえない」といったお言葉を頂きます。
しかしそんな声でも私自身はふつーにヘッドボイスをちょっと強めに出している程度の感覚です、つまり身体には大きな負担はかかっていません。
その程度の操作、細かーい操作で声はハンドル出来るということです。
というかその細かいミリミリの操作が難しいわけで、こう出せばこうなる!なんて大雑把な操作では一生強くなりません。
そんな感じで徐々に強くなっていくわけなので、レッスンに定期的に通っている方でも変化が気づきにくいです。
定期的にある程度のスパンでレッスンを受けていれば徐々に声は強くなっています、それを認識出来るか?もしくは自分の理想との乖離が大きくてあまり変化を受け入れていない場合が非常に多いんです。
おわりに
なんだか色々脱線して長々と書いてしまいましたが、超簡単にまとめれば
しっかり練習してレッスン受けてたら自分ではわからないかもしれないけどちゃんと成長してるよ!
って事です。トレーナーを名乗ってお金を頂いてやっている以上しっかり成果は上げます、また成果がもし!もしも!!出ない場合は全く違った方向からのアプローチや最終違うメソッドや先生を紹介します。
まぁこういう基本的な思考ではない講師がいる(無駄に生徒さんを引き込んでレッスン回数を増やすようなのが時々います)ことは確かですが、きっちり生徒の成長を望んでいるトレーナーであれば伸びていると言われたら伸びているし、思うように進んでない場合はそうアナウンスされるはずです。
このブログでは何度も何度も何度も言ってると思いますが、自分の声の事は自分では中々わからないものです。
そんなこんなでその?はここで終了!次回はミックスボイスのギャップについて詳しく書きます。