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【質問回答】効果的な方法でも“長期間それだけを”やり続けると良くない|吸気/純粋な裏声など

ボイストレーニングTips
Image by Ruwad Al Karem from Pixabay

疑問・質問フォームに来た質問への回答記事です。質問の本文はこちら↓(回答まとめページはこちら

  • 結構前にTwitterで吸気裏声のリスクについての記事を書くとのことで楽しみにしてたんですが、今はもう書く予定はないですか?
  • 完全に忘れてました・・・次回の更新分で記事にします!

    でも内容はシンプルで『吸気発声だけで訓練を続けると良くないよ~』というだけなので、そんなに真新しいことは書けないですが、しばらくお待ち下さい~

以前に私がTwitterでつぶやいたことでしたが、完全に記事にするのを忘れていました・・・そのときのツイートがこちら↓

ということで今回は上記ツイートの通り「吸気発声だけで裏声を訓練する」という方法に潜むリスク、そしてタイトルにあるように、どんな練習でも「特定の発声だけをやり続けるのはよくないよ~」ということに関して解説していこうと思います。

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ボイストレーニングにおける吸気発声の概要

ここ7~8年くらいで一気にボイストレーニングのスタンダードなメニューとして知られるようになった吸気発声ですが、存在自体は大昔からありましたが、恐らくここまで普及するきっかけになったのは武田梵声先生の書籍からでしょう。

この書籍の中でも普通の裏声がうまく出せない場合にこれを利用して探ってみましょうという形で紹介されているのが吸気の裏声です。

なので最近ネットの記事や動画でも裏声の取っ掛かりとしてだったり、裏声の強化を促す練習として紹介されていたりするのが現状です。

確かに吸気性の発声は裏声を作るための声帯の動きである『伸展』と『開大』という2つの動きのうち、特に『開大』を強く起こすため、それに引っ張られる形で『伸展』もさせやすいということになります。

加えて地声しか使ってこなかったような喉の状態の場合、主に意図してできる声帯の動きが地声を作るための動きである『収縮』と『閉鎖』しかないという際に、吸気性の裏声はその強い『開大』の動きによって『収縮』と『閉鎖』を弱めることにもなるため

  • 裏声としては声帯を開大させる動きによって伸展を促しやすい
  • 地声の対抗として収縮と閉鎖を開大によって抑制する

という非常に強力な訓練方法だということになります。

強力な訓練方法ということはそれだけ強度が高いということ

ここまでで吸気の裏声が強力でボイストレーニング的には効果が出やすそうな発声であることはご理解いただけたと思います。

ではここから冒頭に書いた「吸気発声だけで裏声を訓練する」ということについて解説していきましょう。

そんな強力な吸気発声ですが、その効果や分かりやすさから裏声の練習にはとりあえず吸気でやりましょう!と指導するボイストレーナーも多くいるようで、元の喉の状態がこんがらがっているの場合は特にこの訓練方法だけで裏声を探っているという状態になりがちです。

そうなると当たり前に訓練として強度が高い部分だけが突出して効果として現れます。つまり吸気発声の場合もっとも強度が高い『開大』だけが極端に効果として現れるということになります。

私がレッスンをさせていただいて、裏声が極端にスカスカになってしまい所謂『鳴らない状態』になっている方の大半が、指導されて教わった/独学の場合は調べて『吸気の裏声だけを一定期間(数ヶ月~半年以上)やり続けた』という方々でした。

そもそも上記の通り吸気発声の効果として『開大』が非常に強いので、この練習“だけ”をやり続けてしまうと極端に声帯を開大しないと伸展させられなくなる/ちょうどよく閉鎖させられないといった状態になりやすいです。

なので冒頭のツイートのようなことを呟いたわけですね。未だにちょくちょく吸気発声だけをやりすぎて調子を崩した方がレッスンに来られますが、今となってははっきりと覚えてないですがこのときもそういう症状の方が多かったんでしょう。

純粋な裏声なども注意が必要

当たり前ですが訓練の効果が強いということで吸気発声を取り上げていますが、同じ練習だけをやり続けてしまうと良くないというのは別に特定の練習方法だけに限りません。

吸気の裏声と同じく、裏声系の練習の最初期に取り上げられることが多いのが純粋な裏声ですが、これも中長期間やり続けてしまうと余計な固着を生むことになります。

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純粋な裏声もまさしくその『純粋性』が確保できるまでは『開大』を強調して探ることが多いので、それを長く続けてしまうと吸気発声ほどではないものの、声帯を上手く閉じて鳴らせないという状態になることがよく起こります。

手順としては最もシンプルな裏声の状態として純粋な裏声を練習するという事自体は間違っていないのですが、それだけを使って練習し続けるということが良くないということです。

まとめ:どの段階でも常に練習全体のバランスを見る

このブログではもう何百回も書いていますが、指導を受けている場合でも、独学で頑張っている場合でも、日々の練習はなるべく幅広くやりましょう。

もちろん自分の喉の癖や固着、発声の傾向や弱点などを鑑みた上で練習を組み立てられたら最高です。しかしそれがばっちりストライクでできている人を私は見たことがありません。

独学の場合はほぼ100%の確率で自身が思っている改善すべき点と実際に改善すべき点がズレています。初回のレッスンや発声相談で「◯◯が弱いと思うので◯◯を中心に診てほしい」なんて言われて、本当に◯◯が弱くてそこをまず改善すべきだな~となったことなんてトレーナーとして十年以上レッスンしていますが、ほんの数える程度しかありません。

大抵は◯◯が弱いと感じたり思う要因は別にあり、そこから改善していく必要があることがほとんどです。表面的に起こっていることではなく、絡まった糸をほどいていくような『そもそものそもそも』から改善していく訓練が必要になります。

指導を受けていたとしても、当たり前にレッスンを受けている時間の方が圧倒的に短いわけで、トレーナーが考えている事と、生徒が考えている事がズレていることも多いです。

トレーナーから「今の状態にはこの練習が必要になります」と言われたものだけを練習してしまい、それが今回解説したような効果として強いものだった場合、それが続くと逆に改善すべき点が増えてしまうことになります。

ということで今回は

  • 同じ練習だけやり続けるのは良くない
  • 特に効果の出やすい吸気裏声なんかは注意が必要

まとめるとこういうこと↑でした。

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