フォームから予約・お問合わせして頂いた後の自動返信メールについて

【随時更新中】ボイストレーニングに関する質問・要望への回答【2024年1月~4月】

質問回答
Image by StockSnap from Pixabay

2024年1月に来た質問・要望への回答です。質問はこちら↓のページからお送りください。

声やボイストレーニングに関する疑問・質問を募集中
数年前まで利用していた質問箱の代わりに、ブログ読者の方が気軽に利用できる質問フォームの解説記事です。...

回答を見たい月のボタンをクリックすると
その場所にジャンプします

スポンサーリンク

2024年1月に来た質問への回答

01月02日分

  • 現在アンザッツを基本として練習しており、地声がC2〜F4で裏声がF3〜G5まで出せるようになりました!ですがアンザッツ3a、3b等の”いわゆるミックスボイス”が出せないのですが、まだまだ喉頭懸垂機構が弱いのでしょうか。声区融合の目安となる、地声と裏声の音域を設けていますか?
  • いわゆるミックスボイスが出せないということですが、おおまかに3つその原因が考えられます。

    1つ目は地声・裏声共に鍛えられていない場合です。

    各声区で出せる音域を書いていただいてますが、それらがまさに『ただ出せるだけ』になっていて、訓練として必要な負荷が掛けられていない、もしくは狙った状態にできていないため、ミックスボイスを出せるだけの足場が全然出来ていないかもしれないという可能性があります。

    2つ目は地声・裏声のどちらか、もしくは両方で鍛え方が甘い場合です。1つ目との違いは、訓練自体はそこそこ上手くできているけれど、融合するにはまだ弱いという状態です。

    アンザッツの中でも苦手な発声、つまり自在性や出せる音域が他のナンバリングと比べて弱いものがあれば、それを徹底的に鍛える必要がありますし、全体的に喉頭懸垂機構の訓練としては強度が低く、中途半端な訓練状態になっているという可能性もあります。

    3つ目は分離した状態での練習に慣れすぎて、各声区の協働が起こしづらい状態になっている場合です。これに関しては、各声区が十分に鍛えられているのに、中々それぞれが繋がらないという状態で、本当に極稀に起こることがあります。

    こういう状態には特定の発音を使ったスケール練習などをすれば、上手く融合を促すことができるので『ミックスボイスが出せるようになる!』みたいなYouTubeの動画などを参考にして真似するだけで、ある程度は取っ掛かりが見つけられるでしょう。

    この3つの中だと、圧倒的に多いのが1つ目、その次に多いのが2つ目です。

    >声区融合の目安となる、地声と裏声の音域を設けていますか?

    私は特にそういった音域での評価は設けていません。地声はまぁ内筋や披裂筋群が主に働き出せる音域の限界があるので、E4~G4辺りまでそこそこの自在性を維持して出せるようには訓練していただきますが、裏声は常により低くまでという感じです。

01月19日分

  • Mrs. GREEN APPLEの曲を歌ってほしいです!青と夏か僕のことをお願いします!
  • 『僕のこと』は最近レッスンで少し取り上げたことがあるので、練習してみて歌えそうなら歌ってみます~

01月22日分

  • 仕事で一日中声を使っています。 仕事終わりはいつも声が掠れて裏声がスカスカになってしまいます。 こういう場合は掠れながらボイストレーニングを継続するのか、それとも違う練習(地声等)をするほうがいいのでしょうか? ご回答頂けますと幸いです。
  • >掠れながらボイストレーニングを継続するのか

    基本的には声が掠れている状態のまま、そこからさらに声を出すというのは絶対ダメです。なので

    >違う練習(地声等)をするほうがいいのでしょうか?

    こっちも良くないです。

    声が掠れる、明らかに出しにくい、出すと喉に痛みがある等の症状がある場合、基本的にできるのは休息のみです。声を出さないというのが最優先です。

    お仕事で声をたくさん使っているということなので、基本的には仕事終わりにボイストレーニングするということ自体をしばらくは休んだ方がいいでしょう。

    ボイストレーニングをしたいのであれば、まずはご自身の喉に傷病がないか病院で診てもらい、問題なければボイストレーナーに声を聞いてもらってください。

    トレーナーから現状の声の出し方に問題がないか、長時間の発声でもできるだけ負担を抑えるためのトレーニング方法などを教わる、というのが間違いない流れだと思います。

01月24日分

  • いつもブログ拝見させていただいております。 現在アンザッツを中心にボイストレーニングを毎日1時間以上はやっているのですが、どうしても5番が上手くできません。

    ブログの記事でも「裏声の下降」の記事や「こんな声出せますか」のカラスの鳴き声の記事を読んではいるのですが、どうしても裏声ではなく余計な閉鎖がかかったミックスもどきのような発声になります。

    4番は参考音源とほとんどおなじような声質で出せていると思っているので5番だけができない状況です。(6番は4番に似た声質になりますがぎり出し分けられていると思います)

    5番のやりかたを重点的に回答いただきたいです。お願いします。
  • 5番難しいですよね~笑

    4番に問題はないとして、5番のみ上手くできないということであれば、あくまで4番を出している途中でちょこっと喉頭を操作するという意識でやってみてください。

    恐らく4番はそこそこ上手く鳴らせるのに5番になると一気にクオリティが下がるという場合、4番と5番にイメージ的な部分に加え、出そうとしている状態にも大きな乖離があることが多いです。

    つまり4番と5番で全く違う出し方にしようとしちゃってるということです。

    どちらも裏声で、番号的にも隣同士なわけなので、めちゃくちゃな乖離があるわけではないです。主な違いはあくまで懸垂機構の使い方により起こる倍音構成です。

    なのでまずは4番と5番をきっちり出し分けて練習するのではなく、4番をしっかり出した上で、その延長線上で喉頭を降下させる動きを徐々に弱めて、がっつり引き上げるまではいかなくてもいいので、4番とは呼べない範囲まで喉頭を操作してみてください。

    こういう練習で徐々に5番を探ってみましょう。

    そして↑のような操作ができない場合、4番がよくない固着をしちゃっているということなので、しっかり4番を出す練習と、そこから少し音色(倍音構成)を変える練習を同時に進めてください。

2024年3月に来た質問への回答

03月22日分

  • 質問失礼します。 現在純粋な裏声を練習しているのですが、ブログで説明されていた「純粋な裏声のタネ」までは出せるのですが、そこからいわゆる純粋な裏声への移行が出来ません。よろしければ何かアドバイスしていただけたら幸いです。
  • 意外とあの『裏声のタネ』の方が難しいという話はレッスンをしてるとよく聞くのですが、質問者の方は逆なのですね。

    恐らくポイントはこの『裏声のタネ』が、記事にもあるように声帯の動きがほぼない状態でできているのか?ということです。

    記事では詳しく書いていませんが、実はあの『裏声のタネ』の状態は、ほんの少しだけ声帯を開く動きをすることでも、同じような音色で鳴らせます。

    参考音源は声帯への司令を0にして、ただ息が流れている状態です。なのでそこから息の量だけを調節してやると、声帯がひとりでにひっつくような動きが起こります(ベルヌーイ効果)。

    なので質問者さんが『裏声のタネ』をどちらの状態で鳴らせているかによって、解決できるかもしれない方法が変わるということです。

    声帯の動きがほぼない状態でできているのであれば、上記の通り、息の量を調節してみてください。このとき当たり前ですが、息の量を変えるのと同時に声帯にまで動きを加えないように、あくまでほんの少し息を足す、くらいの感覚でいいと思います。

    声帯を少し開いて鳴らしている状態の場合、こちらのパターンで純粋な裏声に移行できないのであれば、かなり声帯を開大する動きが入ってしまっている可能性が高いため、この場合は息を減らすことによって、声帯の緊張を少しづつ抜いていく必要があります。

    どちらにしても、この『裏声のタネ』の状態は、鳴らすだけなら息の量はかなり少なくて済むはずなので「意外と大きな音で鳴っていないか?」や「あまりにも音を持続するのが難しくなっていないか?」などの点に注意しながら探ってみてください。

2024年4月に来た質問への回答

04月22日分

  • ボイストレーニング独学者の方の声を聴くと、多くの方が内筋が固着して重ための声になっているように感じました(自分もそうでした)

    その為、裏声系のアンザッツが弱いと判断し、ボイストレーニングの半分以上を純粋な裏声やアンザッツ4を行うようにメニューを変えたところ、かなり声が軽くなりました

    特定のアンザッツをメインに行うことは推奨されず、全てのアンザッツを満遍なく行うことが推奨されますが

    歌を歌う際に地声系の筋肉がある程度アクティブになる関係上、多くの場合は裏声系のアンザッツをメインに行った方が失敗が少ないように思うんですが、木田先生はどう思われますか?

    また、純粋な裏声やアンザッツ4などを多く練習し続けた場合、どういったリスクが考えられますか?(地声の虚脱など)
  • >多くの場合は裏声系のアンザッツをメインに行った方が失敗が少ない

    この質問へ正確な回答をするには、どういう前提なのかというのが重要になります。

    まず『純粋な裏声やアンザッツ4などを多く練習し続けた場合』という部分の『多く』がどの程度なのかです。

    練習内容の90%以上を裏声だけにしているのか、それとも70~80%くらいに抑え、地声を多少でも触っているのかで、結果が大きく違ってきます。

    そして上記の練習の割合と合わせて、生活の中でどれだけ声を使うか、つまり喋り声として地声を使っているかによっても条件が変わります。

    社会生活の中でそこそこの強度で頻繁に声を使う人(特に男性)の場合、練習を裏声に100%寄せても、全く問題なく順調に好転していくことが多いです。

    つまりまとめると『人による』ってことになります。それらを前提として以下の回答です。

    >純粋な裏声やアンザッツ4などを多く練習し続けた場合、どういったリスクが考えられますか?

    これも練習の内容によります。

    裏声系の練習だけでも、低音域(地声の声区含め)までしっかりアンザッツ系統の裏声、つまり調整された、強化された裏声の状態で下降できているのであれば、そこまで大きな問題は起こらないことが多いです。

    ただ中~高音域しか鳴らしていない、それも4番だけしか触っていないという状態であれば、書かれているように地声の虚脱、というか披裂筋郡が高い強度(声帯を厚く触れ合わせたまま維持する)に耐えられなくなるということは起こり得ます。