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ボイストレーナーの歌唱力|教えるスキルと歌唱力の関係

ボイストレーニングTips
Image by Dimitris Vetsikas from Pixabay

質問箱に来た質問への回答記事です、質問内容はこんな↓感じ。

質問内容の大まかなテーマとしてはよくある「トレーナーのプレイヤーとしてのスキル」ということですね。

  • プレイヤーを上手くスキルアップさせられるのであれば問題ない
  • トレーナーといえどもプレイヤーとして最低限のスキルは必要

と大雑把にこういう考えに分かれると思います。まずは今回の質問者の方へ回答しておきましょう、

木田
木田

まぁ、いいんじゃないですか?

ってことです。実際に今現在の貴方自身が上手くなった!と思っているのであれば、それで良いと思います。

これだけだと味気ないので、今回はよく議論されるテーマを私なりの考えで解説してみようと思います。

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そもそもボイストレーナーとボーカルトレーナーの違い分かってます?

ボイストレーナーはあくまでフィジカルトレーナー的な立場

歌が上手くなりたい!という時に知っておきたい『ボイストレーニング』と『ボーカルトレーニング』
この記事は2014年1月に公開したものを書き直したものです。 結構昔に書いた記事だけど、中々良いこと...

プレイヤーが怪我なく最大限のパフォーマンスをできる体作りを手伝うのがフィジカルトレーナーですが、ボイストレーナーはこっち寄りです。

野球選手のフィジカルトレーナーに「お前野球選手を指導できるくらい野球上手いのかよ!」って言わないですよね?笑

逆にスポーツトレーナーに安全で効果的な身体の鍛え方や解剖学的な深い知識を求めるのも基本的にはナンセンスです。

ボイストレーニングも↑これと同じようなことなので、ボイストレーナーに人並み外れた歌唱力を求めるのは意味がありません。

実際に身体は結構太ってダルダルだけどスポーツの指導しているトレーナーもいますよね、あれはあくまでそのスポーツに必要なスキルを持っていてそれを指導できるからであって、トレーナー本人が健康的で動かしやすい身体をしているか?そういった身体の作り方を指導できるか?は別問題だからです。

なので究極的にはボーカルトレーナーに「その声どうやって出してるんですか?どういった筋肉の強化が必要でどういった練習でその筋肉が鍛えられますか?」とか聞いて答えられなかったとしても別に何も問題はないわけです笑

それにしてもあまりに極端な能力差がある場合

最終的には教えられてどうなったか?でしかない

ただ直接的には指導力とプレーヤーとしての能力が関係ないと理解できたとしても、上のような例だと野球選手のフィジカルトレーナーをしているのに、そもそも野球を全く知らないとか、野球を全くプレーしたことがないというのはちょっと「ん?」と思う人も多いとは思います。

身体の使い方や鍛え方は非常に上手く教えられるのに、トレーナー自身は全くそれを使ってプレーができてない、もしくはプレーしたとしてもめちゃくちゃ下手くそということですから。

めちゃくちゃに上手い必要はないけれど、それなりにプレーして、どういった身体のパーツを鍛えたり、自在性を高めるとより良いプレーが出来そうなのかということは知っておいた方が良いと私も個人的には思います。

逆にスキル自体はあるけど、あまりにも身体の構造や可動性に対して無頓着で、無茶なトレーニングばかり提案するトレーナーも良い結果を産まないことは想像に難くないです。

今回の質問者の方は前者のようなギャップに戸惑っているという感じでしょう。ただそんなことは些末なことで重要なのは教えられた人がどうなるか?でしかないです。

トレーナーが教える内容を全て備えていないといけないわけではない

「失敗」すらも伝えられるから意味がある

  • トレーナー自身が歌が上手くないのに、そんな人が教える内容に信憑性あるの?
  • 人を上手くできるならまずトレーナー自身がその技術でもってして上手くないとおかしくない?

こういったことはよく議論されますが、何も自分自身での成功体験やその方法を教えるだけがトレーナーではないです。

というか逆に「これをしたからよくなかった」という経験を伝えられる方にこそ意味があると個人的には思っています。

つまり歌の上手くないトレーナーは失敗に失敗を重ねて、意味のないトレーニングや逆効果になるトレーニングを繰り返した結果、自分自身の歌唱力は全然向上していないけれど、そのことが理解できているのでれば、それを伝えることで人のスキルアップを助けることは十分できます。

今回の質問者の方の場合もそんな感じで、たくさん失敗したからこそ人には上手く行きそうな道を示せるタイプのトレーナーかもしれません。

私自身もその側面は多くあると思います。自分自身、歌は上手くないですが結構あらゆるトレーニング方法を試してきてるので、それら考慮した上で上手く行きそうな方法をクライアントさんにお伝えしているような感じです。

貴方の能力をどれだけ向上させられるか

ボイストレーナー自身が全く歌が上手くなかったとしても、そのトレーナーの指導が的確且つ効果的で、貴方が上手く喉をコントロールできるようになって歌が上手くなったのであればそれ以上の結果はありません。

これはボーカルトレーナーでも同じです、レッスンを受けて教えてもらったように歌うと上手くなったという実感があったり、実際にそういった評価をしてもらえるようになったのであれば、何も問題はありません。

逆に歌がめちゃくちゃ上手くても/ボイストレーニングの知識が山程あっても、貴方の能力を伸ばせないのであれば、それはトレーナーとして問題があります。

まとめ:トレーナーに自分自身の未来を重ねる必要はない

習っていて上手くなっているのであればそのまま続けて、もうそのトレーナーからは得られるものがないと思ったら止めたらいいだけです。

何も同じような練習をしているから、歌の上手くないトレーナーに習っているからとって貴方がそうなるわけでも、そうならないといけないわけでもありません。

貴方は貴方が上手くなる方法だけを考えていいんです、そのために利用できそうなら利用して、そうじゃないなら止める、そういう考えで良いと思います。