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【質問回答】オンラインのボイストレーニングレッスンに適したオーディオインターフェースの選び方

オンラインレッスン
Image by Sly from Pixabay

疑問・質問フォームにこんな内容の質問が来ました。ボイストレーニングとは直接関係ありませんが、結構頻繁にメールやチャットサポートにも同じような内容の質問をいただくので、まとめて記事として回答していきます。質問文はこんな↓感じ。

  • いつも楽しくブログ拝見しております。

    当方コロナ禍の時期からオンラインレッスンを始めたボイストレーナーなのですが、レッスンを行う機械についてお聞きしたいことがあります。

    現在motu m2というオーディオインターフェイスを使用しているのですが、生徒さんによって声が非常に小さくしか聞こえないことが多々あり非常にストレスな場面があります。
    生徒さんに音声ボリュームを上げてほしいと伝えてもすでに最大になっているらしいのです。

    この場合当方のオーディオ機械に問題があるのでしょうか、それとも生徒さんの方に問題があるのでしょうか。
    当方に問題がある場合オーディオインターフェイス本体が悪いのか使い方が悪いのかご教授いただきたいです。

    乱文失礼いたしました。

結構レッスン機材についてのご相談は多くて、今現在使っているものの相談から、購入する予定のものまで、色々と聞かれます。

私自身もそこまで詳しくはないのですが、知っている、経験した範囲でアドバイスさせていただきます。

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回答:通常使用時に問題がないのであれば機材自体は悪くない

今回いただいた質問を大雑把にまとめると『レッスンしてると生徒さん側の音が小さい、けど音量自体は最大にしてるとのこと、これってこっちが悪いの?』ということですね。

まず質問者さんの使用している機材(オーディオインターフェース)の使い方がおかしいのか?ということから解決していくのであれば、普通に使用していて、つまりPC上で音楽を流したり YouTube で動画を再生しても普通に聞こえるのであれば、機材自体は問題ないでしょう。

この時点で音量が小さい、オーディオインターフェースで調整しようにも小さい、大きくできないという場合はオーディオインターフェースの不具合か、使用しているスピーカー・イヤホン・ヘッドホンの出力機材の故障・不具合が考えられます。

稀にオーディオインターフェースだけでは鳴らしきれないような高インピーダンスのイヤホンやヘッドホンを使用しているということもありえますが、そんなものに手を出すのであれば、こういった機材に関して悩まないと思いますので、ここではこの可能性は省きます。

つまり通話ソフトを使用した際に限り、相手側の音量が小さい、ソフトの音量を最大にしてもまだ小さいということであれば、相手側の問題である可能性が高いです。

相手側が適切に機材を使用していてもどうにもならないことがある

例えば生徒さん側がダイナミックマイクを使用し、それをあまりゲインが稼げない(音量を上げられない)オーディオインターフェースに繋いでいる場合、機材には故障・不具合はなく、それらを適切に使用したとしても、その状態で通話したら質問者さん側にはかなり小さくしか声が聞こえないでしょう。

もしくはスマートフォンからレッスンを受講している場合、iPhoneであれば通話アプリでマイク音量を設定することができないことに加え、環境ノイズの程度によってはどう頑張っても声と同量のノイズが混じってしまい、声がほとんど聞き取れないという状態になることもよくあります。

つまり生徒さん側がこういった状態になっていると仮定すると、質問者さんは現在使用している機材だけではどうすることでできず、生徒さんに何らかの対処をお願いするしかありません。

しかしここに書いたような生徒さん側に対処をお願いしたくなるような場面は、オンラインレッスンをしていると非常に多く起こります。その度に機材のセッティングや買い替えを提案していたら、生徒さんの数は減っていく一方でしょう笑

なので次からは記事のタイトル通り、オンラインレッスンに適したオーディオインターフェースの選び方について少し解説していきます。

オンラインレッスンに適した自由度の高いオーディオインターフェース

一般的なオーディオインターフェースは、PC上で鳴っている音を全てまとめてオーディオインターフェースから出力します。iTunesで流れている音楽も、ブラウザで再生している動画の音声も、通話ソフトで鳴っている相手側の声も全部まとめられます。

なので通話ソフトの再生音量が小さい場合、通話ソフト自体のスピーカー・再生音量を最大まで上げてもまだイヤホン・ヘッドホンから聞こえる音が小さいのであれば、オーディオインターフェース本体のイヤホン・ヘッドホンボリュームを音量を最大まで上げるしかありません。

しかし↑でも書いたように、そもそも通話ソフトに来ている段階で相手側の音声が非常に小さい場合、いくらオーディオインターフェースのイヤホン・ヘッドホンボリュームを最大にしてもまだまだ小さいということになります。恐らく今回の質問者さんもこういう状態に陥っているのだと思います。

加えてこれも一般的なオーディオインターフェースの場合、マイクの入力ゲインがそのままイヤホン・ヘッドホンボリュームに紐づいている事が多く、通話している相手側の音声が小さいからといってオーディオインターフェースのイヤホン・ヘッドホンボリュームを最大にしてしまうと、自分のマイク音声の返りが大きくなりすぎるということもよく起こります。

ということで、まぁ色々と書いていますが、超シンプルに何が言いたいのかというと、一般的なオーディオインターフェースというのは基本的に音楽制作用なのでPC上での細かい音量調整などは難しいということです。

なので私がオンラインレッスンをする側としてオススメするのは

オーディオデバイス毎に音量調節ができるミキサー機能が付いたオーディオインターフェース

です。ちょっと何言ってるかわからないという人も多いと思いますので簡単に説明します。

オーディオデバイスというのは上に書いたような、PC上で鳴っている音をまとめたものです。一般的なオーディオインターフェースというのはこのオーディオデバイスが基本的に一つ、PC上で鳴っている音は全て一つのオーディオデバイスとしてまとめられ、それをオーディオインターフェースで再生しているということです。

しかし数あるオーディオインターフェースの中には、このオーディオデバイスが複数作られ、それぞれにPC上で鳴っているどの音を割り振るのか選択できるものがあります。

そしてそれらのオーディオデバイス毎に音量調節できたり、エフェクト(コンプレッサーやEQなど)をかけたりすることができる、いわゆるミキサー的な機能を搭載した機種があります。

こういった機能があれば、通話ソフトに関する音量を一つのオーディオデバイスに振り分けることによって、通話ソフト本体の音量調節にプラスして、ミキサー側でも通話ソフトを割り振ったオーディオデバイスの音量調節という形で操作することができます。それでもまだ相手側の音声が小さければ、オーディオインターフェースの出力音量を上げて自分のマイク音量の返りだけ下げるということもできます。

加えて機種によってはコンプレッサー(大きい音を小さく、小さい音を大きくするためのもの)などのエフェクトをかけることができるものもありますので、どうしても相手側の音量が小さい場合そういったエフェクターを使い擬似的に音量を稼ぐということもできます。

なのでこういった機能が搭載されたオーディオインターフェースを購入すればいいのですが・・・

便利な機種は価格が高い

上記のようなDSP(オーディオインターフェースに搭載されたエフェクターなどの機能)やミキサー機能が搭載されたオーディオインターフェースは基本的には上位機種に分類されるので価格が非常に高いです。

低価格帯の製品でも機能は豊富なのはありますが、かなり少ない上に細かい部分の使い勝手が「おしいなぁ・・・」ってものが多い印象です。

価格に糸目をつけないのであれば以下のようなオーディオインターフェースであれば、この記事で書いているような部分は全てクリアできるし、オンラインレッスンには完全にオーバースペックなくらい何でもできます。

RME Babyface Pro FS
RME
¥154,000(2024/11/02 00:05時点)
RME Fireface UCX II
RME
¥264,000(2024/11/01 11:49時点)
MOTU UltraLite mk5
MOTU
¥119,900(2024/11/02 00:05時点)
MOTU 828
MOTU
¥179,300(2024/11/02 10:38時点)

ですがこれらの製品はどれもこれも操作方法が非常に複雑です。知識がない人が購入すると、普通にオーディオインターフェースから音を出すことも、マイクを繋いで録音するということもままならないということも珍しくありません。

オンラインレッスンを主に活動していこうと思っているトレーナーであれば、これくらいのクラスの製品を買って勉強して使いこなせるようになりましょうね~とは思いますが、そうでない場合はここまで高級な製品を買うのは躊躇われるでしょう。

比較的低価格帯の製品でも今回解説した部分がそこそこクリアできるものもあるかもしれませんが、私自身があまり触った経験がないためなんとも言えません・・・

最近DSPソフトがアップデートされた Steinberg の UR-C シリーズであればほとんどの場面でそこそこ対応できそうです。ただ購入されるときは自分でも死ぬほど調べて納得してから購入してください。

Steinberg UR22C
Steinberg(スタインバーグ)
¥25,800(2024/11/02 00:05時点)

まとめ:音響機材って難しい

ということで非常に小難しいことをちまちま書いてみましたが、もっと詳しく知りたい!とかこれはどうしたらいいの?という場合は質問フォームからお送りいただくか、体験レッスンにでも来ていただいて直接お聞きください。

またこの記事で書かれているのはWindowsOSのPCを使っている場合のものです。MacOSの場合はオーディオ周りの操作性がWindowsに比べて不自由な部分が多く、オススメするオーディオインターフェースも全然変わってきます。

そもそも私自身が過去にMacOSを使っていたことはありますが、最近は全く触れてませんので解説するほどの知識がないです。

ちなみにここで紹介したものを購入したけど難しすぎて全然使いこなせない!どうすんだよ!といったクレームも全く受け付けませんので笑、新たに機材を購入しようとされている場合は、この記事だけではなくもっとたくさん下調べしてから購入してください。