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間違いようがない練習と慎重さが必要が練習|日々のボイストレーニングで注意すべきポイント

ボイストレーニングTips
Image by Antonio López from Pixabay

昔からよく「時間がない中でも毎日これだけはやっておいたほうがいいという練習はありますか?」といった質問をされるのですが、私はその手の質問に回答する際にできるだけ「間違いようがなく、どれだけやっても逆効果になりにくい練習」をお伝えすることを心がけています。

レッスンを受けていただいているクライアントさんであれば、その時々での訓練全体の進捗状況や次のレッスンまでの期間などを鑑みて「正しくできれば効果的だけど慎重さが必要な練習」をお伝えしたりもしますが、それでもあまり練習時間が取れないという方も多いので、そういった方々にも「間違いようがなく、どれだけやっても逆効果になりにくい練習」を中心にお伝えしていたりします。

  1. 間違いようがなく、どれだけやっても逆効果になりにくい練習
  2. 正しくできれば効果的だけど、慎重さが必要な練習

今回は意外と知られていないボイストレーニングの練習の中でも、上記のような2つの系統について解説していきます。

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根本的な訓練か発展的な訓練か

以前にも記事として書いていますが『ボイストレーニング』と称されている練習方法の中にも、めちゃくちゃ大別すると2パターンの練習があります。

  1. 発声能力を0から1にする練習
  2. 1以上ある発声能力を高める練習

参考記事 根本的に喉を鍛えられるボイストレーニングなのか否か

喉の筋肉が萎びていたり神経支配がごちゃごちゃな場合にその状態から改善していくのが1の練習で、そこまで脆弱な状態ではないから少しずつ喉の筋肉・神経を強化・整理していくのが2の練習になります。

今回の記事のテーマである「間違いようがない練習」はもちろん1のような根本的な練習です。発声的な土台が全くないような状態や、なんなら癖や固着でマイナスからのスタートも全然ありえるので、それらを改善するには超シンプルな「こういう風にしかならない」といった練習が必要だからです。

このような根本的な訓練であれば、基本的にはあまり間違いようがなく長期間もしそれだけをやっていたとしても逆効果になりづらいです。

他方で2の「1以上ある発声能力を高める練習」のような、いわゆる発展的な訓練は段階的に違いはあれど基本的には強度が高い場合が多くやり方を間違えると逆効果になる可能性もあるということがほとんどです。

間違えられやすい根本的な訓練

  • 強度が低い
  • 狙っている効果が超ピンポイント
  • 生理的な反応・反射を用いてズレやブレをできる限りなくす

上記のような要素が全て含まれているのが根本的な訓練です。これらのうちどれか1つでも欠けると「どんなレベルの誰がやっても比較的安全」という訓練ではなくなります。

よく勘違いされているのが純粋な裏声です。

参考記事 ボイストレーニングの基礎|ファルセット/裏声/ヘッドボイスの練習
参考記事 ボイストレーニングで超重要なファルセット/純粋な裏声の出し方とそのポイント

声帯の振動パターンや訓練の初期段階に行う、基礎的な訓練として捉えられているのですが、これも根本的な訓練とするには難易度が高すぎます。

長年レッスンをしていると、上記のような初心者向けの練習とされがちなこの純粋な裏声ですら全く取り扱えない・出そうとすると喉をめちゃくちゃなバランスにしてしまうという方が非常に多くいます。

なので初期段階にやる訓練=根本的な訓練ではないということになります。

よくある練習方法のほとんどが発展的な訓練

よく知られている定番の練習方法のほとんどは発展的な訓練になります。様々なスケールで子音・母音の組み合わせを変えながら発声する練習も、最近ではメジャーになってきたアンザッツなども発展的な訓練です。

これらの練習は正しく繰り返すことができれば非常に効果的ですが、根本的な訓練と比べると声帯や声道の操作も複雑になってくるので、そもそも狙った状態で発声できているか?というのが重要になります。

レッスンなどで指導される場合の多くはこのカテゴリーにある練習方法を教えられ実践し、それが上手く機能しているかどうか判定してもらいながら進めることができますが、独学や自主練習では中々思うように効果のでる状態で実践できているかがわからなくなるため、必ずクリアしたい状態や条件を設定しながら練習を繰り返す必要があります。

参考記事 ボイストレーニングの練習内容を項目化する|ルール設定しそれを守って繰り返す

まとめ:なにをどうやっても効果の出る練習を探す

現代人は皆時間に追われているので毎日きっちりと練習時間を確保できないという方も多いでしょう。そんな中で喉の状態を向上させることはできないまでも現状維持させるための練習方法は知ってくと便利です。

時間がないときに加えて喉の調子がおかしい/悪いときなどでも、その時の状態やどれくらい回復したかの確認する際にも利用できます。

この記事では具体的な練習方法として根本的な訓練を紹介していませんがその理由は、そういった練習方法はシンプルではあるものの、効果や練習する際の注意点などを解説するとかなり膨大な量になりまとめるのが非常に面倒だからです。

私がレッスンでお伝えする根本的な訓練の特徴やその方向性をいくつか挙げると

  • 特定の声道形状で息だけ吐く
  • 口腔内の特定のパーツを弛緩・緊張させてただ発音する

上記のようなものが多いです。詳しく知りたい方はぜひレッスンにお越しください。

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