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声を楽器としてみたときに他の楽器と比べて何が違うのか?その難易度の差は?

ボイストレーニングTips

今回は少し短いですがよく聞かれる又は勘違いされている声とその他の楽器(ギターやベースやピアノやドラムやヴァイオリンやフルート等など)との大きな違いをサラッと書こうと思います。

ボーカルってバンドでも誰でも出来そうって思われがちですが、他の楽器と比べると一定のレベルに達するまで結構厳しかったりするのでその辺りの認識も改めて頂けたらと思います。

photo credit: TheMM via photopin cc

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誰でもやれて一番簡単だと思われているパート・・・それがボーカル

演奏技術の習得としても一番簡単に思われているようですが・・・

どの楽器もきちんと技術を習得するには何ヶ月や何年で済むものではありません、それは真剣に音楽をされている方ならわかると思います。

何年も練習しているけど、どんどん出来る事が増えると同時に出来ないことも目に付いてきます、もっともっと突き詰められる所があるんじゃないか?と考えますよね。

声以外の楽器は生まれ持ったものではありません、早い人だと幼少から触れる機会があったり練習出来る環境の方もいるでしょうがそんな恵まれた人は中々いないでしょう。

なので一般的は音楽に触れる機会が多い思春期頃に初めて楽器を手に取るという方が大半だと思います、それ以外だともう少し歳を重ねてからという人も沢山いるでしょう。

しかし声という楽器は生まれた瞬間から全ての人に備わっています、スタートの段階が他の楽器とはえらく違いますね。

そんな背景からか『歌』というものは人間とそんなに離れたものではなく、当たり前に出来るという考えの方が多いと思います。

楽器を習うのはまぁ普通だけど歌を習うと「えっ!?」っていう反応の方多いです

大半の反応は「え、なにプロ目指してるの?」というものじゃないですか?

「楽器習ってます!」と言ったら「楽器やってるんだ?すごいですね?」となると思いますが、「ボイトレ習ってます!」と言ったら「えっ!なんか目指してるんですか?」という反応になります。

まぁボイトレがまだ世間一般にはハードルが高く、あまり浸透していないというのも多分にあると思いますが、やはり根本的な考え方として大半の方が

「歌なんて習うほどのことなの?習わないと歌えないの?」

という心理が根強いんですね。

最近カラオケなどが一般にすごく浸透してきたので「ただカラオケで上手く歌えるようになりたい」という理由からボイトレを受けるという人も沢山いらっしゃいますが、それでも音楽や歌から離れた所で生活してる人には「わざわざ習うの・・・?」って思われがちです。

そういった心理から上に書いたような『一番簡単なのはボーカル』という風潮が生まれてるんですね~

それが別に悪いことだとは思いません、ただ単純に簡単と言ってしまうのはどうでしょう?この記事が少し考えるきっかけになればいいと思っています。

伝説的なボイトレ書籍『The Voice of the Mind』にとても分かりやすい文章があります

今はバカみたいな値段になってるので、中々読む機会がないと思いますが・・・

この本です、定価3,500円の本ですが2014年5月現在50,000円を超える値段になってます・・・・恐ろしい・・・・

今となっては幻のボイトレ書籍ですが、この本の一節にこんな文章があります

ヴァイオリニストやピアニスト、その他の楽器奏者は歌手とは違い、楽器を見たり触れたりできるし、一部の隙もない完成品として楽器を入手し、そのまま演奏できるものです。そのうえ彼らは楽器の構造や機能を多少なりとも知っていて、学ぶべきテクニックも確立されているものですが、それでもなおマスターするには5年や10年、根気強く勉強します。
もし楽器が作りかけのまま手渡され、あれこれ苦労して組み立てなければならなかったら、さらに多くの勉強に励まなくてはならないでしょう。スタートからハンディキャップを背負うわけです。歌手がまさにそうなのです。歌手の楽器は未完成なのがふつうで、理性的に学ぶことのみ、完璧に機能させられるのです。

と、まぁ今回この記事で言いたかったこと全てこの一節に凝縮されてるわけですが笑

つまり声という楽器は生まれ持ってはいるのですが、その楽器は見えないしそのままでは十分に音が鳴らないわけです。これは技術的な問題もありますが、楽器として持っている機能自体が未完成なわけです。

どこかが壊れたりチューニングが狂っていない限り、楽器というのは正しい使い方をすれば十分に音は鳴ります。それを演奏する技術だったり知識があるかないかのお話です。同じピアノやギターでも初心者だと上手く演奏できなくとも技術が十分にあるプロに演奏させるとしっかり演奏することが出来ます、これは楽器の問題ではなく演奏者の技術のみの問題だからです。

しかし声はそうじゃないですよ~とこの本の著者E. ハーバート・チェザリーは言っておられるわけです、声というのは鍛え訓練しないと満足に音楽的な音は出ませんよ~と。

ここからはちょっと役立つボイトレtips

一般的な楽器との違いを理解した上での効果的な練習方法

上で書いたように声というのは長い時間訓練しないと中々楽器として美しい音を鳴らすことが難しいのですが、加えて他の楽器と違い見るということが出来ないのでギターやピアノのようにミスしたとしてもどう間違っているのかが分かりません。

つまりは音で判断するしかないわけです、後は体感です。

ということで一つ一つの音をどれだけケアしてやれるかどうか?というのが練習の有効な方法になったります。

自分で鍵盤を弾きながらの練習

前にも何度か書きましたが、自分で実際どのくらいの高さの音を出そうとしているのか?そしてその高さの音がきちんと出ているのか?ということを自分の目で見て、確認しながら練習する事をおすすめします。

  • どの高さでどう感じるのか?
  • 感覚が変わるときそれ以前の音と以降の音でどう違うのか?
  • どうしても崩れてしまう高さがあれば、その音のすぐ下の音はどう感じているのか?
  • 母音・子音の組み合わせで感覚は変わるか?
  • 歌いやすい母音子音と歌いにくい母音子音ではどの感覚に違いがあるか?

等などいろいろと声を出している時に自分の身体にしっかり耳をかたむけて、感覚の違いを感じ取ってください。

ボイトレ本に付属しているCDなどで練習している方も多いと思いますが、実際に鍵盤を弾きながら発声練習してみるといろいろな事に気づくと思います。

まぁキーボードなども安くなってるとはいえある程度の鍵盤数であれば超手軽に買えるものでもないと思いますが、スマートフォンであれば簡単な鍵盤のアプリがありますのでそういったもので確認するのも良いと思います。

あと前々から繰り返し繰り返し言ってますが録音はしてください、自分自身発している声は実際に空間に鳴っている音とは違うものです。

おわりに

ということでよく聞かれたり話題になるテーマを書いてみました。

ボーカルはボーカルで、その他の楽器は楽器で難しさはあるもんです。なにか一つのことを習得しようとするというのは等しく難しいということですね。

ということで今回はここまで~♪