先日質問箱の質問に簡単に回答したのですが、個人的に懐かしい感じの質問だったので改めてブログ記事として解説しようと思います。
簡単に質問内容をまとめると
ということです。この悩み実は私自身も過去に結構な期間悩まされていました。
今では全くそういった症状は出ないですが、過去の経験から何が原因でそうなるのか、どうすれば改善するのかということを少し解説してみようと思います。
原因は声の足場の脆弱性
綱渡り的な発声状態だとすぐにヘタってくる
- ミックスボイスはできている(高い声も低い声もある程度出せる)
- 家での練習ではそうでもないけど、カラオケに行くとすぐ不調になる
- 不調は特に換声点付近で感じやすい(高音域まで上手く繋げない)
私自身がこういった↑状態だった時、ボイストレーニングとして実践していたのは声帯のコントロールにフォーカスした練習ばっかりでした。
つまり声帯を細かく繊細にコントロールできるようにはなっていた、なのでミックスボイス的な状態にもできるんだけど、習慣づいた声の大きさや強さから少しでもはみ出ると途端に不調になるという感じでした。多分今回の質問者の方も似たような感じだと思います。
これの原因はつまり発声する足場が弱いからということです。ちょっとでもいつもと違うことをしようとすると対応できなかったり、状態がすぐに狂ってしまうということは、喉が悪い意味で繊細になっている、綱渡り的な発声状態であるということです。
改善するには“喉の自在性を高める”ボイストレーニングをするしかない
ミックスボイスの状態をゴールとするのではない
何とか手を尽くして地声と裏声を連結させただけの状態ではなく、あらゆる状態の声を扱うようなボイストレーニングをしない限り、今回のような悩みは改善しないでしょう。実際私自身そういったボイストレーニングをしてやっと数年前に改善を感じられましたから・・・
どうしても最初のうちは意味がわからないんですよね、毎日欠かさず練習してるのに家では出る声がカラオケやライブになると一切使い物にならないというのが。私もそうでした。
ただひたすらに練習を積み重ねていけば改善すると思っていましたが、私の場合はそういったミックスボイスの状態をゴールとするようなトレーニング方法では5年経っても満足にカラオケで歌えるような状態にはなりませんでした(歌えることには歌えますが、声が鳴らない・引っかかったような感覚が常にありました)。
そして今現在もクライアントさんにお教えさせていただいているトレーニング方法、アンザッツやその他の発声訓練を取り入れだし3年ほどでやっとカラオケでもある程度満足行く形で歌えるようになりました。
まずはこのシリーズにでてくる声を真似してみてください
細かい解説は抜きにして、とりあえず参考として挙げられている音源を真似してみてくださいという企画です。
ボイストレーニングで重要な『様々な声の素材集め』に便利なシリーズです。
この↑シリーズの記事を公開しだしてからというもの、レッスンに来ていただいたくクライアントさんの中でもこれらの記事を真似して練習していたという方の発声レベルが明らかに高いです。つまり何となくでも真似してみると喉はそれなりに動くということだと思います。
なので今回のような症状に悩んでいる方は、とりあえず↑のシリーズにでてくる声を一つ一つ真似してみてください。多分現状ではあまり良く思えないような変化が起こるかもしれませんが、後々のことを考えると大きな前進になるはずです。
まとめ:足場が弱いとどうしようもない
何度かこのブログでも書いていますが、ガクガク揺れるボックスの中に入っている小さなパーツを緻密にコントロールしようとしたってまぁ無理な話です、そんな不安定な所で小さなパーツをあれこれ弄ってしまうとどうしても余計な負担がかかります。
まずは大まかにでも良いからボックスを自分の意識で動かし、その中でパーツのコントロールをするという所から始めるのがベターでしょう。足場が安定し強くなってくれさえすれば、後はボックスの中のコントロールもかなり難易度が下がります。
ということで今回の悩みに思い当たる節がある方は是非この記事を参考にトレーニングしてみてください~