結構昔に書いた記事だけど、中々良いこと書いてるからちゃんと書き直そうというシリーズです。今回は独学の方へ向けてではなく、実際にボイストレーナーのレッスンを受けている方へ向けた記事です。
- レッスンを受けているけど、なんか成長を感じられない
- 毎回毎回同じようなことばっかりやらされてる気がする
- 言われたことだけを淡々とやるレッスンを受けている
こんな感じの方はぜひ今回の記事を読んで、レッスンの効果を最大限上げる取り組み方というのを意識してレッスンを受けてみてください。
そして今回の内容は別にボイストレーニングに限ったことではなく、何かを教わる・習うというときには絶対に意識しておいたほうが良いことです。教えられ上手になりましょう。
レッスンでは“双方向”のコミュニケーションが重要
『ただ話を聞いてやるだけ』では非常にもったいない
教えられたことを淡々とやり続けるというレッスン形式でも、問題なく成長できるという種類のスキルもあるでしょう。しかしボイストレーニングやスポーツなどの自分の身体を動かして新たな動作を覚えさせるというスキルの場合、この双方向のコミュニケーションが非常に重要になってきます。
『どこをどう動かした時、どのように感じるか』ということを言語化して、それをアウトプットできれば、トレーナーはより効果的なトレーニング法やそれを上手く実践するための伝え方を考えることができます。
この積み重ねにより、トレーナーとのレッスンを重ねていけばいくほど、貴方専用の理解しやすく効果的なレッスン形式ができてくるわけです。
ボイストレーニングの場合も全く同じ
ボイストレーニングの場合は例えばこういう声を出してみてくださいと言われ、デモンストレーションを聞き、その声を真似して出そうとした際に
- 主観的でもいいので喉や身体の感覚の変化やプレッシャー
- 自分の中でどうやってデモンストレーションの声に近づけようと意識しているか
- 近づけようとした際に抵抗やプレッシャーがかかるか
等など、なんでもフワッとした感想でも構わないのでお伝えいただければ、その言葉から何がどうなっているのかをトレーナーは何となく判別します。
そしてそれを聞いた上で新たな方法を提示しまた実践していただく、そしてまたアウトプットして予想する・・・ということを繰り返してトレーニング方法の純度を上げていくのが効率的なレッスンの受け方、そして組み立て方です。
なんでも良いのでお伝え下さい ( ;∀;)
よくレッスンを受け始めて間もない時にかなりの確立でありがちなのが、クライアントさん自身の感覚や体感を中々アウトプットしてくれないということです。
まだ自分自身が感覚を掴みきれていなかったり、どういう風に言語化すればいいのか分からないということだと思うのですが、声を出していて体のどこにも何も感じないというのはありえません、自分でこういう声を出そうと意識しているのであれば尚更です。
なので本当に何となくのフワッとした感想、普段との何となくの違いや、心地良いのか悪いのか?そんな些細な事で良いのでとりあえずトレーナーに伝えてみてください。
それを聞いて「ちょっとよく分かんないです」とか「もっと分かりやすく言ってくださいよ~」なんて言うようなトレーナーであれば、レッスンを受け続けてもあまり意味がないと思われますので、辞めちゃいましょう。まともなトレーナーであれば「それってこんな感じ?あんな感じ?」と色々考えまくるはずです。
そうやってそのクライアントさん個人に対して、一番効果的で成長まで近道であろうトレーニング方法を割り出し、成長進度を劇的に上げることが出来るわけです。
気軽にコミュニケーションがとれるレッスンであるべき
あーでもないこーでもないと試行錯誤できないようなレッスンは避けましょう
私も少し経験がありますが「こういう風に感じる」とか「ものすごく辛いんですが・・・」みたいなことを伝えると「成長すれば私の言ってることが分かってくるから、ゴチャゴチャ言わずにやりなさい」という方針でレッスンをするトレーナーも少なからずいます。
別にそういった指導方法が悪だとは言いませんが、あまりにも非効率的なのは確かです。
私自身がレッスンを受けた国内外の超一流トレーナー達はレッスン中クライアントに対するコミュニケートの誘導が物凄く巧妙でした。
レッスンの最中絶対に「今どういう風に感じる?」とか「今の声はさっきの声とどう違うの?」とよく聞きます。これの意味するところはつまり、何百、何千と声を聞いてきた経験豊富な超一流のトレーナーでさえも、自分以外の人間の喉の感覚は計りかねるという事です。
貴方の受けているレッスンではきちんと貴方の感覚を聞いてくれますか?
普段から自分の喉の感覚や疑問をメモしておく
レッスンの時にまとめて質問してみましょう
レッスンの最中に思った事や普段と違った体感があった場合はその場ですぐにトレーナーに伝えましょう。今の声が正しい方向性なのか?自分は辛いがこれで正しいのか?自分的には良い感じだったけど実際どうなのか?などなどどんな事でも良いのでどんどんアウトプットして質問してください。
そして自宅で練習している時やレッスンで聞き忘れていた事などまとめてメモしておくと良いと思います。
多分書いておいても、やっている内に「あ、これはこういう事か」とか「これは別に聞かなくてもいいや」なんて事も出てくると思いますが、とりあえず現状『自分は何が分かっていて何が分かっていないのか』というのを明確にしておくのも必要な作業です。
これをやっているとレッスン中にトレーナーに優先的に聞くべきことも自ずと出てくると思います。
『感覚』を具体的に言葉に出来るように感じる
「いつもと違うんだけど・・・なんだろ・・・うーん・・・」となってしまうとアウトプットしていただいてもこちらに届く情報としてはほぼ0です笑
いつもと比べて
- 硬い or 柔らかい
- つらい or 楽だ
- 太い or 細い
などこんなものでいいんです、伝えていただくものとしては。上の関連記事の中でも書いていますが、クライアントさんの声や体感がどういったワードに結びついているかが何となくでも分かれば、トレーナーとしてはかなり大きなヒントになったりします。
まとめ:なんでも良いからお伝え下さい m(_ _)m
例えばレッスン中に今現在ほしいバランスの声が出せたとしても、クライアントさん自身の感覚として
- なんだか辛い
- 負担がある
- これは悪い発声だろう
と感じていたら無意識の内にその発声から遠ざかってしまう可能性も十分あるわけです。
そんな時に「今の出し方とっても自分の感覚ではよろしくないんですけど、どうなんでしょう?」とお伝えいただければ「バランス的にはバッチリです!負担を感じる原因は・・・」という感じで効率的にトレーニングを進めることができます。
ただただスケールを歌うだけで終わるレッスン、ただただ歌を歌って改善点を伝えられるレッスンをしていませんか?
それで十分に成果を感じれるならばそれでいいと思います。しかし中々成果を感じなかったり、何か違うんじゃないか?と思っているならば今回書いた事を実践してみてください。レッスンの効果がガラッと変わるかもしれません。