質問箱に来た質問への回答記事です。中々面白い質問だったのでブログ記事として取り上げさせていただきました。
テーマは物まねです、質問内容を簡単にまとめると
- 知人に物まねがすごく上手い人がいる
- 自分らしく歌ってといったら物まねとは違って拍子抜け
- 物まねすると自分らしく歌うことが難しくなる?
という感じです、実際の質問内容についてはこんな↓感じです。
まずは質問者の方に向けた回答と、それを踏まえてボイストレーニング的にみた物まねについて解説していこうと思います。
物まねは上手なのに自分らしく歌ってもらうとそんなに・・・
これが起こるであろういくつかの要因
質問者側(聞いている方)の要因
- 期待しすぎ
- 歌い方や声の好き嫌い
- 物まねとの単純な比較
シンガー側の要因
- 物まね以外での発声レベル
簡単にいくつか挙げてみました、まず聞いている方の要因の解説です。
まずは期待のしすぎということが考えられます。
こんなに上手に物まねできる人はさぞ上手に歌えるんだろうな~?!ということですね。
これにプラスして次の2つの要因でガッカリ感が強くなってしまった可能性があります。
次の要因としては、そもそも聞いている側としても好き嫌いがあります、もし物まねされているシンガーが好きだという場合、そっくりに物まねできていればそれだけで上手く聞こえているということも十分に考えられます。
そこから、自分的には全く好きでもないようなスタイルの歌になったら、その落差で「物まねはすごいのにオリジナルは良くないな・・・」と思ってしまうでしょう。
そして最後に単純な比較をしてしまっている場合です。
別に2つ目の要因で、物まねされているシンガーが好きでも嫌いでもない場合、別に好きだからよく聞こえてそれ以外はよく聞こえないというわけじゃない!と思うかもしれませんが、そもそも物まねされていシンガーはプロです。
世間一般的にもプロ=上手いという認識が少なからずあるでしょう。
その認識がガッツリある状態で、言い方は悪いですが素人の物まねしているシンガーと比べちゃうとそりゃ歌のクオリティは低く感じるということになります。
といったことが聞いた側の上手く聞こえない要因です。では次はシンガー側の要因についてです。
これがこの記事の本題になるのですが、上手く聞こえないシンガー側の要因として考えられるのが物まねしているとき以外でも発声レベル・バランスです。
質問者の方がお考えのように自分らしく歌えなくなっている、つまり物まねするときにはバランス良く効率的な使えている喉を、物まねを意識から外すと途端に上手く使えなくなっているという可能性です。
あまりにも物まねしているシンガーのコピーしかしていないのであれば十分に考えられます、これは後でも解説しますが特定の状態に寄せるのは上手いけれど全体で見たらただこんがらがっているという状態でしょう。
ただ私個人の感覚としては、物まねするシンガーのオリジナルのガッカリ感というのは、上に書いたような聞いているこちら側の要因が大きいような気がします。
やっぱり上手く物まねすればするほど、どうにも期待しすぎてしまうというのが、大半の方に当てはまるんじゃないかな~と思います。
では次からは物まねってボイストレーニング的にはどうなの?ということに関して解説していきます。
ボイストレーニング的には物まねは超有用です
ただ注意すべきことが一つあります
- あくまでボイストレーニングとして練習する
ということです。
これを意識していないと、今回頂いたの質問ような「自分らしく歌おう」としても喉のポテンシャルを活かせない状態になるでしょう。
なぜか?このブログを読んでいただいている方であればお分かりだと思いますが、特定の喉の使い方や状態に固着しちゃうからです。
なので「私はこの人になりたい!この人みたいに歌えればそれでいいんだ!」という方以外は、複数人のシンガーの物まねをすることをおすすめします。
タイプの違う二人以上のシンガーの物まねをすれば、面倒な喉の固着も起こりにくいだろうし、幅広い喉の自在性・柔軟性が必要となるので、めちゃくちゃ良いボイストレーニングになると思います。
そもそもボイストレーニング自体が、今自分の喉に必要な(栄養となる)音色の声を聞いて真似するということにほかなりませんので、それを超高レベルでやるのが物まねということになります。
なのでトレーニングとして捉えれば超効果的、歌=物まねになっちゃうとよろしくないということですね。
まとめ:物まね上手 ≒ 歌上手
ということで物まねに関する質問回答とちょっとして解説でした。
上にも書いたように、一人のシンガーだけを徹底的に物まねしているのであれば、その状態から動けない、変えようと思っても変わらないという固着や癖になっている可能性が非常に高いですが、色んなシンガーの物まねをどれもそれなりに高レベルで出来ている場合、ほとんどが自分らしく歌ってもらっても上手く歌えると思います。
こういった所でも、どうしても「そうなっちゃう」状態なのか「そうしている」状態なのかという部分の大きな差が生まれます。
ボイストレーニングに励んでいる方は是非色んなシンガーの物まねをしてみてください、色々なことに気づけると思います。