少し前からブログやX(旧Twitter)でもボイストレーニングの練習には録音が必須だと書いていますが、今回の記事はそれがクリアできている人、つまり毎回しっかり練習を録音して聞き返すということができている人に向けた記事です。
練習する場所・環境によって結構聞こえ方や発声している体感が変わるよ~いろんな場所や録音機材録音しながら練習してみてね~ということをお伝えしたいだけの記事です。
特定の場所・環境だけで練習していると起こる弊害
オンラインレッスンを受けていただいているクライアント様にも時々起こることなのですが、レッスンをしているときは発声がかなり整っているのに「カラオケに行って録音してきたんですが全然思うように歌えませんでした・・・」というような状態になってしまう方がいらっしゃいます。
詳しく話を聞いてみると、普段の発声練習をオンラインレッスンをしているのと全く同じ状況でしかしていないというのが判明しました。
つまり常日頃、イヤホン・ヘッドホンを付けて自分の声が鮮明に返ってくる状態でしか練習していないということです。そんな状態からいきなりカラオケ、つまり自分の声がまともに聞こえないような環境で歌おうとしても、いつも通りの実力は出せないのは当然でしょう。
これとは逆のパターンに陥ったクライアント様も何名かいらっしゃいます。
対面レッスンを長く受講されていた方で、普段は練習する際、毎回スタジオかカラオケを利用していたけど、活動しているバンドで音源を作ることになり、ほぼ初めてヘッドホンを付けて自分の声が鮮明に返ってくる環境で歌ったけど、違和感がすごくて全然思うように歌えないというお悩みでした。
どちらのパターンも状況は違いますが、つまりは普段練習しているのと違う場所や環境で発声しようとすると著しく声が出しにくくなるということです。
この弊害を解決する方法
多くの方が普段練習する環境、つまり声を出す環境が定まっていると思います。自宅の部屋で練習できる方もいるでしょうし、部屋に設置した防音室で練習されている方もいるでしょう。家では練習できないからカラオケやスタジオを利用している方もいらっしゃると思います。
それらのよく発声する場所・環境を、時々でいいので変えて練習してみてください。
普段、家や防音室で練習している方はカラオケやスタジオを利用して、逆に普段スタジオ・カラオケでしか練習していない方は自室やお風呂場などで軽く声を出すのもいいでしょう。
音がよく反響する環境と、吸音するものが多いあまり響かない環境、それぞれで自分の発声がどういう風に自分の耳に返ってくるのか、録音して聴き比べてみてください。
普段、イヤホン・ヘッドホンを付けて、自分の声が綺麗に返ってくる状況で練習し録音している場合は、環境自体は変えなくてもいいので、レコーダーやスマホの録音アプリで発声している場所全体を丸ごと録音してみてください。
恐らくどのパターンであってもほとんどの方が「えっこんな感じで聞こえるの!?」って思うでしょう。それくらい発声している環境が変わると、自分の体感や聴感上のイメージが大きくぶれます。
このぶれを全く意識しなくなり、特定の状況でしかまともに歌えなくなってしまうというのが、非常に厄介です。なぜなら、ただ発声している場所・環境に不慣れだから歌いづらいのか、発声技術の問題から歌いづらさを感じるのか、あれこれ試していないことには、判別するのが難しいからです。
まとめ:いろんな所で発声してみて
今回のような発声する場所・環境が変わると上手く発声できなくなるというお悩みに関して、私がいつもレッスンでお伝えするのは記事冒頭でも書いている通り
いろんな場所で練習して録音してみてね~
これだけです。詳しい内容はこの記事で書いていますが、超シンプルにまとめるとこれだけです。
以前にカラオケで少しでも歌いやすさを確保する方法という記事を書いたことがありますが、根本的な解決方法はやはり発声自体を強固にするのと、様々な環境・状況で練習して、それらに慣れるということだけです。
発声能力・技術が劇的に向上し、ちょっとやそっと歌う環境が変わったとしても、問題なく歌えるようになるのが一番理想です。ただ多くの場合はその境地に至るまでに色々と悩みがでてくるでしょう。
なので場所が変わると上手く声が出せない・歌えないとお悩みの方は、いつもと違う場所・環境で発声してみて、それがどういう風に聞こえるのか録音し、自分自身の体感や聴感上とどういう違いがあるのか少し研究してみてください。
傾向が分かれば、それぞれの場所や環境で発声する際に、ある種の指標ができます。それが増えていけばいくほど、どんな場所・環境でも常に高い平均点を出すことができるようになるでしょう。