地声と裏声は繋がってきて、ミックスボイスっぽい発声はできるようになったけど・・・
- 歌おうとすると上手く発声できない
- いつまで経っても裏声っぽい声しか出せない
- 強く大きく発声しようとするとミックスボイスを保てない
上記のような状態に陥ってしまいお悩みの方へ向けて、なぜミックスボイスが強く地声のように発声できないのか?そしてそれを解決し発声を安定させ強化する練習を参考音源付きで解説します。
ミックスボイスが安定して発声できないという悩みの中にも様々な傾向があります。この記事では声の状態毎に改善方法も解説しますので、自分の声を録音してどういう状態になっているかを想像しながら読み進めてください。
- ミックスボイスを安定させ強化する方法
- ミックスボイスが強く発声できない理由
- ミックスボイスの理解を深めて発声の整理
この記事を読んでいただければ上記のことがわかります。
ミックスボイスが地声っぽく発声できない理由
- 地声と裏声が弱い状態で連結してしまっている
- 地声と裏声を繋げることに慣れていない
発声の状態や癖は千差万別なので今回のテーマについて悩んでいる人全員が当てはまることはないですが、私が長年レッスンをしている中でお悩みのクライアント様のほとんどが上記のような理由でミックスボイスが強くならない状態に陥っています。
基本的には徹底的に地声・裏声の強化
ミックスボイスが安定して強く発声できない場合、まず必要な練習は徹底的な地声と裏声の訓練です。
ミックスボイスの素材となる地声と裏声をそれぞれ分けてクオリティを上げるというのが、根本的なミックスボイスの強化方法です。
上記のような地声と裏声が分かれた状態、つまり声区が分離した状態で練習できていないのであれば、いつまで経ってもミックスボイスは強くなりません。そもそも素材の段階から不安定なものを混ぜ合わせてしまっているからです。
地声と裏声を分ける方法は下記の記事を参考にしてください。

地声と裏声が分けられたら、それぞれを個別に強化していきます。それぞれの練習方法に関しては下記の記事を参考にしてください。
ミックスボイスの状態を保つことに慣れていない
地声と裏声のそれぞれは強化できていても、ミックスボイスを発声しようとすると途端に不安定になる人もいます。これは単純にミックスボイスを発声することに慣れていないからです。
よくミックスボイスは「自転車を補助輪なしで乗るようなこと」だと表現されますが、まさにこの状態です。
補助輪なしで自転車に乗れるようになったとしても、しばらくは走り出すまでが不安定だったり、走り出してもハンドルが暴れてこけてしまったりということはよく起こります。
ミックスボイスも同じなので、まずはこの状態で発声する機会を増やして、慣れていく期間が必要です。
ミックスボイスの初期段階で有効な練習方法は下記の記事を参考にしてください。
ミックスボイスを発声しているときの声帯のイメージ
喉を真正面から見た時の声帯のイメージ図です。声帯を真正面から見た図なので声帯の長さが表現されていません。地声は低音域を発声していて、裏声とミックスボイスのイメージ図は同じ音高を発声していると想像してください。
地声は声帯は短い状態で、裏声とミックスボイスは同じくらい引き伸ばされています。
上記のように仮定すると、声帯の動きとしてミックスボイスは地声の厚みと裏声の引き伸ばしが同時に起こっているような状態です。
前述の通り、非常に難しいバランスで発声しているということが想像できると思います。少しでも余計に声帯を厚くしたり閉鎖させてしまうと地声の状態に一気に変わりますし、余計に引き伸ばしたり開いてしまうと一気に裏声にひっくり返ります。
ミックスボイスを強く地声っぽくしていく方法
ここからは実際にミックスボイスを強化していく練習方法を解説していきます。
- 全く真似できそうにない
- 出そうと思っても自分の声だと全く想像もできない
- 練習をしていると声が枯れたり喉が疲れる
ここで解説していく練習方法を真似しようとすると、上記のような状態になる場合は、まだまだ地声と裏声が鍛えられていないということなので無理に練習を続けないでください。
まずは自分の発声状態を知る
ある程度地声と裏声は鍛えられて、ミックスボイスもそこそこ発声できているはずだけど、どうしてもそこから強く地声っぽくならない・・・という場合はなぜそうなってしまうのか?という根本的な原因を調べる必要があります。
- 一定の音高からトーンが裏声にひっくり返る
- 全体的に薄く弱くなっていく
- ギリギリガリガリした音が多くなる
ミックスボイスで強く発声しようとしたときに、発声状態が崩れるのは上記のようなパターンが多いです。
今の自分はどのパターンなのか、どういう傾向なのかというのを練習している声や歌っている声をしっかり録音して聴き込んでください。
ミックスボイスが裏声にひっくり返る
この場合強くしようと思いすぎて声帯が耐えきれない量の呼気をぶつけてしまい、それによって発声のバランスが崩壊したときにひっくり返りが起きている可能性が高いです。
小さい声でもいいからとりあえずどの音域でも一定の音色で繋いで発声できるようになるのがいいでしょう。
- 地声から裏声をまたぐような音階で練習する
- 少し鋭い喉頭の位置が高いハミングをスタッカートで発声する
- なるべく上から下まで少しジリジリした音色と音量が変わらないように発声する
高くなるとミックスボイスが弱くなっていく/ガラガラした音が多くなる
これらの症状の場合は、声帯を分厚く使おうとするアクションを声帯の閉鎖だけを強めてカバーしようとしている可能性が高いです。
- 声帯を裏声的に引っ張りながらも地声的な厚みをもたせるというアクションができていない
- 声帯を地声的に使おうとするアクションを閉鎖だけを強めてカバーしようとしている
どちらにしても高音域でも地声的な動きをする筋肉をバランス良く保たせる練習が必要です。
1. ミックスボイスに地声的な要素を少しいれる練習
- 地声からスタートして裏声まで到達する音階で練習する
- 喉頭の位置を下げて少し溜めを作った「バッ」と発音する
- 少しずつ最高音に裏声の要素を足していくイメージ
2. 余計な閉鎖を抜きつつ地声の要素をいれる練習
- 地声からスタートして裏声まで到達する音階で練習する
- 喉頭の位置を少し上げて「ゥワ」と発音する
- 高くなってもなるべく地声の要素を手放さない
まとめ:ミックスボイスの悩みは地声と裏声に強さに帰結する
ここで紹介している練習方法は山程ある練習方法の中で独学の方でも再現できるであろうギリギリの難易度のものを紹介しているだけなので、できない人も沢山いると思いますし、難なく余裕でこなせる人もいるでしょう。
現在の状態にクリティカルに効く場合もありますし全く効かない、最悪の場合は逆効果になることも考えられます。
どうしても難しい場合は、やはり地声と裏声を分ける、分けた状態で練度を高めるという基本に戻って練習することをオススメします。
さっさと上手くなりたい、今の自分に必要な方法が知りたいという場合はぜひ無料体験レッスンにお越しください!