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【図解付き】弱々しいミックスボイスを強く地声っぽくしていく方法

ミックスボイス

もう5年も前に公開し、クオリティの低い状態ながらアクセス数が中々落ちない記事を書き直します。この記事のメインテーマは弱々しいながらも出ているはずのミックスボイスを強く地声っぽくしていく方法ということになります。

そもそも地声や裏声、そしてミックスボイスの時に喉の中ではどうなっているのか、自分の今の状態からどうすれば望んだ声に近づいていくのかという部分を超簡略化したイメージ図を使って解説していきます。

これまでに公開している記事も多数でてきますので、できるだけ全てに目を通した上でこの記事を読むことをおすすめします。

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この記事で使う超簡単なイメージ図

めちゃくちゃ簡略化していますがこんな感じ

喉を真正面から見た時の声帯のイメージ図です、ここからはこの見方のイメージ図を使用して解説してきます。しかし真正面から見た図なので声帯の長さが考慮されていません。輪状甲状筋によって声帯を引っ張ることによって音高を上げるわけですが、この図ではそこは説明しきれません。

なので超簡略化したイメージ図ということです。またこの図だと声帯の接地具合はなんとなくわかりますが、それがどのような作用によって起こっているのかを説明できません。つまり披裂筋郡によって声帯を寄せたり内転させ閉鎖させている、ベルヌーイによって声帯が引き寄せられ接地しているという部分が説明できません、

その辺りは文字で解説していきます。ちなみにここまで書いたこと↑が分からないという方は気にしなくてもOKです、ただこんな単純な図では解説できない部分が山ほどあるから、まぁなんとなーくの参考にしてくださいってことです。

地声発声時のイメージ図

声帯の接地面積が多い状態

声帯全体が稼働し接地している部分も大きいという状態です。声帯がこうなっている時にでている音色を多くの方は地声と読んだりチェストボイスと呼んだりします。

めちゃくちゃ単純にこの記事内では、地声のしっかりとした音色や音圧というのが声帯同士の接地面積の大きさと接地時間の長さ、つまり声帯が分厚い状態で鳴っているということが理由と考えて良いでしょう。

この状態は比較的低い音域では多くの方がすぐに再現できます。出したい音高つまり低音域部分で声帯を分厚く使うということにそこまで障害となることが多くないからです。

低音域であればそこまで前筋(輪状甲状筋)で声帯を引っ張らなくても出せるので、体感としては「しっかり声を出そう」くらいの意識で発声すれば、このイメージ図のような声帯の状態は多くの場合簡単に作れるでしょう(地声がそもそも全くない状態の方であればこの状態にするのも時間がかかる場合はあります)

裏声発声時のイメージ図

声帯の接地面積が少ない状態

声帯が薄い状態になり筋肉部分が閉鎖に関わることなく、主に粘膜部分と声帯靭帯のみの稼働で鳴らすのが裏声やヘッドボイス呼ばれる声です。

イメージ的には声帯の先っちょの方が微かに接地していて、超高速で開閉しているような感じです。

つまりこちらは地声とは真逆で、裏声特有の音の軽さや音圧のなさというのは声帯同士の接地面積が小さく接地時間も短い、声帯が薄い状態で鳴っているということが理由と考えて良いでしょう。

この状態も比較的高音域であれば、多くの方が声帯の状態としてこうせざるを得ないという風になっていきますので、そこまで難しくはありません(裏声がそもそも全くない状態の方であればこの状態にするのも時間がかかる場合はあります)

ここまでのまとめ

音域を絞れば難しい状態ではない

低音域であれば声帯はたくさん開閉する必要がないわけなので、地声発声時は声帯の筋肉部分もしっかり開閉に関わらせる余裕があります。全体が開閉に関わっている、声帯が分厚い状態でも高い音高を狙わなければこの状態で発声するのはそこまで難しくないということです。というか喋っているときも主にこんな状態ですからね。

そして地声とは逆に裏声の場合は高音域になればなるほど声帯はたくさん開閉する必要があります。たとえばA4という高さを出そうとするならば声帯は一秒間に440回も開閉しなければいけません。

なので前筋で声帯を引き伸ばし接地する部分を少なくしなるべく余計な力を使わずに声帯を開閉させます。これが一番エコな高音域の発声状態ということです、そんな状態と裏声としています。

ではミックスボイスの状態は?

↑のような説明でKVTLの考えるミックスボイスを解説するなら、ある程度どんな音域でも声帯全体を開閉に関わらせて分厚い状態で発声しているという感じでしょうか。

つまり音高が上がれば上がるほど前筋で声帯を引き伸ばす必要があるわけですが、そうなると通常の裏声発声であれば声帯の筋肉部分(内筋/内甲状披裂筋)の緊張を解き、粘膜と靭帯部分のみを開閉に関わらせますが、ミックスボイスの場合はそうじゃなく前筋と内筋を拮抗させる必要があります。

まぁ小難しいことを抜きにすると超難しいということです笑

ミックスボイス発声時のイメージ図

声帯を引き伸ばしながらも接地面積が多い状態

最初に書いたように声帯の長さは今回用意したイメージ図では分かりませんが、↑このイメージでは裏声の時と同じような長さだとお考えください。つまり引っ張りながらも筋肉部分が稼働しているということですね。

声帯を裏声音域まで引っ張りながらも声帯を分厚く使えるかどうか?というのがミックスボイスと裏声発声の違いといっても良いかもしれません。

ここで重要なのは参考記事でも書いていますがミックスボイスを作る筋肉などはないということです。地声発声に主要となる筋肉と裏声発声に主要となる筋肉のバランスによってのみ表出される声でしかないということです。

ミックスボイスを地声っぽくしていく方法

基本的には徹底的に地声・裏声の強化

何度も何度もこのブロブでは書いていますが、ミックスボイスであろうが何ボイスであろうが、やることは徹底的な地声と裏声の訓練です。この2つを分けて出せるようになり、それぞれを訓練するというのはもう基本中の基本です。

そしてミックスボイスを地声っぽくしたり強くするのも、それぞれをどれだけきっちり訓練できているかどうかが重要です、というかそれしかミックスボイスを強くする方法はないと考えています。

そして当ブログのシリーズ記事「こんな声出せますか?」も真似するだけである程度地声・裏声を強化できるようになっています。

まずは自分の状態を知る

ある程度ミックスボイスはできているはずだけど、どうしてもそこから強く地声っぽくならない・・・という場合、そもそも現状自分の声がどうなっているのかを知る必要があります。

例えば換声点以上の音高を地声っぽいトーンで出そうとした時

  1. 一定の音高からトーンが裏声にひっくり返る
  2. 全体的に薄く弱くなっていく
  3. ギリギリガリガリした音が多くなる

などなど色んな状態に勝手になってしまう方が多いでしょう、重要なのは勝手にそうなってしまうという所です。別に意図的にそうしたくて↑のような状態になるのであればOKです。

ただそうはしたくないのに、勝手になってしまうのであれば喉の自在性が出したい声に追いついていないということです。

ここから↑のような症状から地声っぽいミックスボイスを出すためのポイントをいくつか挙げていきますが、ある程度きっちり地声と裏声が分けて鍛えられているというのが前提条件です。基礎もないのにミックスボイスを出そうとしたりそれを強くするなんて無理です。

一定の音高からトーンが裏声にひっくり返る

この場合小さい声でもいいからとりあえずどの音域でも一定の音色で繋いで発声できるようになるのがいいでしょう。下の記事を参考にしてみてください。

全体的に薄く弱くなっていく、ギリギリガリガリした音が多くなる

これらの症状の場合は、声帯を引っ張りながらも厚みをもたせるというアクションができていない、もしくはその強度が足りないということだったり、声帯を分厚く使おうとするアクションを声帯の閉鎖を強めてカバーしようとしている可能性が高いです。

どちらにしても高音域でもその音高を保ったまま内筋を稼働させていくというアクションが必要になってきます。なので非常に難しいですがメッサ・ディ・ボーチェをやってみると何か掴めるかもしれません。

まとめ:超簡略化してるのでツッコミはなしで( ◉◞౪◟◉)

かなり長い記事になってしまいましたが、いかがでしょう理解は深まりましたでしょうか?

そして記事の冒頭でも書きましたが、今回使用したイメージ図はめちゃくちゃ簡略化しています。なので今回のイメージ図だけで声の状態を考えすぎないようにしてください。

ボイストレーニングを進めていくと喉を3Dにイメージしないと説明がつかないことが山程出てきます。その他にも今回は声帯の状態だけにフォーカスしていますが実際は共鳴腔の状態・操作もめちゃくちゃ関係してきます。

ということなのでここで書いたことだけが起こっているとは絶対思わないでくださいね~( ◉◞౪◟◉)