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地声/チェストボイスの高音部分とその鍛え方

ボイストレーニングTips
Image by 5132824 from Pixabay

いくつか質問箱の方に同じような質問がきていたので、この記事でまとめて回答します。

  • 地声の音域が狭い(換声点のE4F4まで発声できない)
  • 地声の高音域の鍛え方
  • 裏声を鍛えれば地声の音域も広がる?
  • 地声が換声点まで発声できれば音域が広がる?

等など、地声での高音域とその鍛え方、鍛えたことによって起こることについてですね。詳しい質問内容はこんな↓感じ。

実は以前にもこのブログで全く同じような内容で記事を書いてたりしますが、今回は↓の記事の改訂版という感じになります、気になる方は古い記事も読んでみてください。

換声点付近のチェストボイス/地声の重要性と鍛え方
この記事は2015年9月に公開したものを書き直したものです。 最近はよくミックスボイスに関する記事を...

まず最初に地声/喋り声の高低についてですが、ボイストレーニングする上ではほとんど影響はないです。

地声が低いから換声点がB3やA3にあるとか、地声の最高音が極端に低くなるといったことはないので安心して訓練してください (^^)

ではよく勘違いされがちな部分から回答していき、その後で地声での高音域の鍛え方を解説していきます。

この記事に書いてあるのは全て地声の話なので、どんな練習方法であっても換声点(E4/F4)付近より上の音域まで出そうとしないでください。
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裏声を練習していれば地声の音域も広がる?

相互に影響し合っていますが、基本的には別物なので両方を分けて練習する必要があります

裏声で低音域(換声点付近からより下の音域)を練習することで、地声が軽く楽に発声できるようになったりすることはよくありますが、基本的には片方の声区の訓練をしていて、もう片方の声区の音域が勝手に広がるということはないです。

なので裏声の音域を広げるには裏声を、地声の音域を広げるには地声の訓練を分けて行います。

それも分離した状態、つまり地声は地声として、裏声は裏声として声帯を操作する筋肉群を意図的に狙った訓練をする必要があります。

この分離した状態で練習ができないと、全声区がこんがらがってしまい、混合している状態になってしまいます。

地声が換声点までしっかり発声できれば音域は広がる?

裏声と融合(協働・連結)させれば音域は広がりますが、それをしなければ広がりません

これは↑の質問内容に関してですが、私このブログで換声点まで地声で鳴らせたらそれより上の音域が出るようになるなんて書いてましたっけ?( ;◉◞౪◟◉)>

質問者の方がこの記事を見ていただけてたら、どの記事に書いてたか教えてください。

もしそのように書いていたとしたら間違いです。

回答としましては上記の通りで、ミックスボイス的に両声区の融合をしていけば広がりますが、地声として訓練しているのであれば音域としては換声点までです、それより上の音域に関しては必ず裏声の力を借りて出す必要があります。

ただ地声が換声点まで無理なく効率的に発声できて、裏声も換声点以下の音域が余裕で発声できるような状態であれば、センスがある人であれば勝手に融合状態になり音域がグワッと広がる可能性はあります。

では次からは地声の高音部分の鍛え方についてです。

換声点(E4/F4)までの地声の発声方法と鍛え方

【無理やり出す】or【効率的に出す】2パターンです

まず「そもそも換声点付近まで地声で出せないです」という場合、1つ目のの【無理やりにでも出す】という方法でしか中々鍛えられないことが多いです。

危険だけど張り上げて地声の高音部分を練習する

この方法は単純に思いっきり換声点までは張り上げて地声を出すというものです。

ただ独習者の方がやると結構危険だったりするので、まずはちょっと苦しいとか出しにくいと思う地声の音域で声量を増せるか?というぐらいの強度から試してください。

いきなりF4まで頑張って出そうとは絶対にしないでください、下手すりゃ一発で声帯炎とかポリープになる可能性があります。

この方法はいつもこのブログでダメだよ~と書いてる『息の勢いに頼った発声方法』です、それを地声の訓練として利用するということです。

ただ何度も書きますが無理は禁物です、というか絶対トレーナーに診てもらいながら開発することをおすすめします。

この練習を独学で上手くできている人を今まで見たことがないです。ほぼ確実に慢性的な声帯炎になってしまいトレーナーに診てもらうか(私の元にもよくそういったクライアントさんが来られます)、下手すりゃポリープや結節になって病院のお世話になることでしょう。

ということで少し危険な方法ですが、こういった練習で地声の音域は少しづつですが広がります。

しかしいつまでもこの方法で地声を発声したとえ換声点まで鳴らせるようになったとしても、いつまで経っても全体の音域は広がりません。

なぜか?というのは次で詳しく解説します、まずはこのちょっと危険な方法で地声の音域が広がったら、今度はもう一つの【効率的に出す】ということを意識して練習する必要があります。

融合を視野に入れて内筋(声帯筋)の自在性を上げる

次に狙ったパーツだけを動かすイメージで練習します、つまりは地声系の筋肉の要である内筋(声帯筋)を息の圧力に反応させて緊張させるのではなく、意図的に緊張させるように練習をします。

練習方法としては超シンプルです、息の勢いで鳴らしてた地声のような声量にならないよう、必要十分な大きさで地声を鳴らすということです。

文章で書くとシンプルで簡単そうですが、やるとめちゃくちゃ難しいです笑

ちょっとでも息に頼っちゃうと1つ目の無理やり出す練習になっちゃうし、かと言って手加減してやっちゃうと大抵は裏声の筋肉が過剰に動いちゃって内筋があまりお仕事しないという状態に陥っちゃいます。

なので最低限地声と認められる程度に内筋を動かして(勢いに任せず)換声点まで発声するという、まさに言うは易く行うは難しな練習が必要です。

そして上でも書きましたが、これがある程度自在にできないといつまで経っても地声と裏声を融合することができません。

息が主導権を握った状態でしか地声を発声できないのであれば、換声点付近での地声と裏声のふるまいが明らかに違うため、どうしてもショックがあったりブレイクすることになるからです。

詳しい練習方法に関してですが、こればっかりは細かく声を聞いて分析して、内筋にしっかりテンションがかけられているけど息を頼りにしていない状態というのを見極めて訓練する必要があるため、文章では中々お伝えすることができません。

独学の場合は

  • 体感的に軽すぎず重すぎないテンション感があるか?
  • 声を長く伸ばせるか?
  • ビブラートや大きく揺らすことができるか?
  • 音色を変える(共鳴腔/声道を操作する)ことができるか?

といったようなことに気をつけてやってみてください、これら全てがクリアできればOKです。

まとめ:裏声ばっかり練習してませんか?( ◉◞౪◟◉)

裏声の重要性はここ数年で飛躍的に認知され始めましたが、そうなると蔑ろにされるのが地声です笑

この記事に書いたようなことで訓練していき、声区融合を促していきます。

ということで地声の訓練方法について解説してみました、詳しい練習方法や今時分がどんな状態なのか知りたい!という方は是非レッスンにお越しください~