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ボイストレーニングする時のウォーミングアップに適した発声方法

ボイストレーニングTips
Image by StockSnap from Pixabay

意外とこのブログでもあまり言及してこなかったからか、レッスンの時に昔から結構聞かれるのが、今回の記事のテーマである「ボイストレーニングするときにウォーミングアップはどうすればいいですか?」ということです。

レッスンの時には「極端に強い発声以外であればなんでもいいですよ」ってお答えします。つまり最初にこの記事で解説することのまとめから書いておくと

ボイストレーニングする時のウォーミングアップは基本的にはなんでもいい

これだけです。

ただこれで記事を終わりにすると流石に心苦しいので、ここではウォーミングアップに適した方法をいくつか解説していきます。

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発声する上で適切なウォーミングアップの考え方

身体の筋肉をウォーミングアップする際も、いきなり強度の高い、つまり筋肉に負荷をかけるような練習はしないでしょう。

まずは準備運動や柔軟などを行い、血流を徐々に上げていき、そこから徐々に練習におけるパフォーマンスを求めていくはずです。

喉も全く同じで、まずは強度の低いものから始めていくのがベストです。

朝起きてから、初めてしっかりと声を出そうとしているのに、いきなり地声でできる限り大きな声で発声練習を開始しようとするのは、あまり良くないというのは想像に難くないでしょう。

SOVT 系の発声

そもそも SOVT ってなんやねんって話ですが、SOVTとは Semi-Occluded Vocal Tract の略で、細かい意味などは各自調べていただくとして、超シンプルにいうと「声帯にかかる圧力をなんらかの方法で半分くらい分散させる発声方法」ということです。

以前に解説したストロー・チューブ発声も SOVT です。

そしてこのブログでも何度か紹介しているリップバブル(リップロール)やタングトリルも同じく SOVT になります。

それぞれの記事でも解説していますが、これらは基本的に強度が低い発声方法となり、声帯を適度にリラックスさせながら振動させることができるため、練習する際、その日初めて発声するような時でも、これらを使うと安全にウォーミングアップができます。

ハミング系の発声

SOVT よりも少し強度は高いけど、普通に発声するよりも強度を抑えたのがハミング系の発声です。

ボイストレーニング的にも非常に有用で価値の高い練習方法ですが、ウォーミングアップとしても利用できます。

ただこのハミングでのウォーミングアップもやり方によっては、ただただ声帯を乾燥させたり、余計な癖を増長させてしまう可能性があるため、2つポイントを書いておきます。

  1. 鼻から抜ける空気を多くしない
  2. 喉頭の位置が極端に動かないようにする

1つ目のポイントは、発音で捉えてもいいかもしれません。正しく「n」が発音できていればOKです、鼻から空気がダダ漏れになることはないでしょう。

ただ少しでも「f」っぽい音が付いていると、呼気をロスしていることになりますので、あまりウォーミングアップにはなりません。声としての音が出てくる前に、鼻から空気が漏れる音がする場合、この余計な「f」が付いている可能性が高いです。

2つ目のポイントは、あくまでウォーミングアップとして利用するなら、極端に喉頭が上がったり下がったりした状態でやってしまうと、意図しない声帯の当たり方をさせてしまう可能性があるため、なるべくリラックスした中庸な喉頭位置で鳴らすことが望ましいです。

軽い裏声系の発声

声帯があまり強く接地せず、加えてしっかり引き伸ばす動きを使った発声であれば、ウォーミングアップとして最適です。

裏声で、つまり声帯を薄くして鳴らしている状態であれば、色々と喉頭の位置を変えて音色を変更させながら鳴らすと、倍音操作しながらウォーミングアップができるので、聴覚的な意味で耳(脳)を起こすことができます。

ただ、そもそもこういった発声↑ができないとか苦手という方も多いため、そういう場合は SOVT 系の方法が間違いにくいのでおすすめです。

まとめ:なんでもいい

何度も書いていますが、極端な発声をしなければ、基本的になんでもいいんです。

起きぬけ一発目に、地声で無理くり張り上げるとか、ノイズバリバリ鳴らした大絶叫するとか、そういうことをしなければ、常識的な範囲での発声練習であれば、貴方が「これするとなんか声出しやすくなるんだよな~」って発声でOKです。