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ボイストレーニングを止めておいた方がいい喉の状態|練習をするかしないかの判断基準

ボイストレーニングTips
Image by StartupStockPhotos from Pixabay

毎年この時期になると、様々な要因によって体調不良になってしまい、レッスンをお休みしたり「こんな状態なんですけど練習して大丈夫でしょうか?」と質問されるクライアントさんが激増します。

これまでも風邪や喉の不調についてはいくつか記事にしていますが、今回は私個人が考える

喉や身体が不調の時にボイストレーニングするかしないかの基準

について解説していこうと思います。

「これくらいなら大丈夫でしょ!」と思い、いつも通りの練習を続けていると、結構致命的な状態に陥ってしまったり、逆にあまりにも喉に対して過保護になりすぎて、練習する時間が短くなりすぎるのも成長を望む上では大きな問題になります。

ここに書くのはあくまで私がボイストレーナーとして勉強し、経験したことでしかありません。なのでここに書いてあることを参考に、発声練習をするしないと判断した上で起こったことについて責任は取れません。不調によって深刻に悩んでる場合はすぐさま耳鼻咽喉科に行ってください。

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発声練習を止めておいた方がいいパターン

  1. 嚥下時に明確な痛みがある
  2. 咳やくしゃみが止まらない
  3. 慢性的な寝不足
  4. どの音域の声も掠れる

上記のような状態に当てはまるようであれば、ひとまず声を出すのを休んだほうがいいかもしれません。次でそれぞれ詳しい解説をしていきます。

1. 嚥下時に明確な痛みがある

この場合、声帯自体はダメージを負っていない可能性もありますが、声の共鳴に影響する空間が炎症を起こし腫れている可能性が高いため、とりあえず安静にしていた方がいいでしょう。

痛みを堪えながら無理に練習したとしても、上記の通り声の響く場所が腫れている場合は、上手く声が鳴らないという状態なため、あまり有意義な練習にはならないです。

2. 咳やくしゃみが止まらない

咳やくしゃみは呼気を一気に排出するため、たくさんしてしまうと声帯もダメージを負います。

声帯に対しての危険度でいえば、くしゃみよりも咳の方が圧倒的に高いですが、くしゃみもやり方によっては一瞬でポリープになってしまうことが稀ですがあります。

なのでこの場合、明確な痛みはなかったり発声にもあまり変化を感じなかったとしても、声帯は結構ダメージを負っているはずなので、練習は止めておいた方が無難です。

加えて、咳やくしゃみが出ているということは、同時に痰や鼻水も出ていることが多いです。

そうなると声帯自体も腫れて鳴らしにくくなってるし、痰や鼻水によって声帯振動も起こしにくくなるという二重苦なため、こんな状態で無理に練習しようとするのは全く意味がないです。

3. 慢性的な寝不足

寝不足の状態が続くと声帯や喉のちょっとしたダメージが回復しきらない状態が続き、そのまま日常生活で声を出したり発声練習したりしてどんどんダメージが蓄積していきます。

意外と慢性的な寝不足になってしまって、それが声や喉の不調の根本的な原因だなんて夢にも思ってない人が非常に多いです。

日常生活の中で声を出している時間も長くない、ボイストレーニングもそこまでハードにやっていない、なのにどんどん声が出しにくくなっているとか、声が掠れてきたという場合は、そもそもしっかり寝れてるかどうか確認してみてください。

また寝不足状態での練習は上記のような身体的な不調がなくとも、脳が新たな動きを覚えようとするほどの余裕がない状態なので、眠い目をこすりながらの練習はあまり意味がありません、寝ましょう。

4. どの音域の声も掠れる

高い音域の発声にみ掠れが起こる場合は発声の仕方に問題があることも多いためその限りではありませんが、高い音域はもちろん、喋り声のような低い音域ですら掠れが起こっているような状態であれば、恐らく声帯が何らかの変調をきたしています。

この原因が上記2のような咳やくしゃみによるものかもしれないし、3の寝不足や、食生活などの生活習慣から来るものという可能性もあります。

何にせよ、少しボイストレーニングを休み、あまり声を出さないようにして数日過ごしてみて、掠れが治まったら再開しましょう。

数日経っても掠れがなくならない場合は早めに病院へGOです。

まとめ:お悩みの際は病院へGO

記事冒頭にも書いていますが、ここで解説したのはあくまで私の知識や経験からの基準です。喉の状態に関しては医学的な診断を受けない限り明確なことは何もいえません。

加えて喉の不調に関しても、本当に人それぞれの要因があります。レッスンに来られるクライアントさんの中でも、色々と詳しく聞いてみるとご本人的には全く気にしてない部分がこちらからすると「明らかそれが原因やろ!」と思うこともあります。

気にしてないことが多いけど喉や声には影響の大きいこと

  1. 飲酒・喫煙
    どちらも喉にとっては一利もないです
  2. 食生活
    刺激の強いもの、カフェインを多く含んだもの、糖類を多く含んだものなど、声帯や咽頭部分に影響があったり、咳や粘度の高い唾液の分泌が増えたりと様々な要因により発声しにくくなる可能性があります
  3. 逆流性食道炎
    暴飲暴食、寝る前の食事、刺激の強い食事、アルコール等など、様々な要因から起こる胃液などの逆流によって起こる食道の炎症です。咽頭痛や咳、嗄声を引き起こす可能性があります
  4. 服用している薬
    副作用に唾液の分泌が抑えられるものがあると、口腔内が乾燥したり咽頭部も乾燥しやすくなり、発声に影響することがあります

等など、掘り下げていけばきりが無いくらい、普通に生活している中で発声に影響することがたくさんあります。

なので明らかな不調が起こっている場合はなるべく早く病院へ行き、なんだか怪しいな~というときは、この記事で解説した内容を確認してみて、心当たりのある部分から改善してみてください。