今回はとっても初歩的なテーマでお話しようと思います。
なぜ独学ではなくボイストレーニングを受けるのか?その違いはなんなのか?
というところです、何度かブログの記事の中に書いたかもしれませんが、今回はここに焦点を合わせていこうと思います。
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ボイトレのレッスンと独学で練習することの違いって?
違いその? 一番大きな違いは「自分以外の耳で聞く」というところです
よく録音した自分の声を自分で聞くと「誰だこれは・・・?私はこんな気持ち悪い声なのか・・・?」という現象がありますよね?
これはどのレベルになっても多かれ少なかれ起こる現象です。つまり自分の出している声というのは思いの外自分ではしっかり聞き取れていないということです。
これを自分以外の客観的な所から聞いてもらえるのがレッスンと独学の大きな違いです。しかしこれだけだと「じゃあ録音すればいいじゃないか!」という人もいるかと思います。
しかしここで重要なのは“自分以外の耳で聞く”というところです。
いくら録音した自分の声を自分でしっかり聞いたとしても、声というのは人間当たり前に出せるものですから自分の声の”当たり前”には気づけません。
その当たり前な部分に発声的にはよろしくない癖だったり、健康的な発声を妨げている部分があったりします。
そしてボイストレーニングのレッスンはこの当たり前の部分を如何に可視化していけるかという部分も大きな目的でもあります。
違いその? 声に対する知識の有無
その?の本人では気づけない当たり前の部分で何がどういう風に起こっているのかある程度知識として頭で分かっている・分かっていないの違いです。
例えば声の改善点として【息が多い】という人がいたとしたら、息を減らしつつ健康的な発声をするためにはどのような練習が必要か?どのような体感が必要か?ということを聞いて教えられるのも大きな違いです。
自分では思いつかない・知らない練習方法があるかもしれないし、今まで避けてきた体感や感覚が正解だと気づけるかもしれません。この部分は一人では中々思い切った処方が出来ない事が多いので、独学との成長の速度の違いにも大きく関わってきます。
また正しい知識がないと感覚や体感と実際に身体に起きている事の違いに気づけません。これの最もたる例が“鼻腔共鳴”です
何十年も前からずっと鼻腔は共鳴器として機能しないと言われ、科学的に研究してみたら実際にほぼ共鳴は起きていないと実証されているにも関わらず今日日本のボイストレーニング界ではこの鼻腔共鳴が重要視されています。
この鼻腔共鳴というのは恐らく咽頭共鳴の感覚・体感であり、故意に鼻に声を入れようとしてもそれは正しい発声をしているといえません。
別に学んでいる本人が「鼻の中で共鳴している!」と信じそれで望む声が出ているならばいいですが、多くの場合その知識では望む声が作られることはないでしょう。そうなると実際に起きている事と自分の体感をリンクしていく必要があります。
実際ボイトレをして改善するの大まかな流れ
例えば息が多くて上手くミックスしていけない声の場合
Aさんは声が高くなるにつれ息が多くなってしまう症状です、これだけ言われたとしても独学であれば「じゃあどうすれば息を減らせるの?」ってお話ですよね。
しかも一人で練習しているとこの息を減らすという事をするために新たな癖を生むことも非常に多いです。例えば息を減らそうとして、声帯閉鎖を強める練習をしすぎて今度は息が流れず声が固く細くなってしまうといった感じです。
そしてこうした練習をしていても声を作っていく上で重要な体感・感覚がこういった練習では大まかにしかわかりません。
息を少し抑える、声帯を少しくっ付けるといった感覚は中々独学で分かるものではなく、ネットや本に書かれている練習内容は多くの場合その効果や方法の振り幅が大きいです。息をかなり抑える、声帯を強くくっ付けるといった方法しかなく、それも悪い癖を作ってしまう要因だったりします。
レッスンであればこれだけ遠回りすることはありません。
良い耳を持ったトレーナーであれば適度に息を減らすエクササイズを処方し、極端に声帯を閉鎖させることがないような状態を作り、その状態を生徒にアナウンスします。
「今出している声の体感があなたにとって一番最適な息の流れと声帯の状態です」と。
これを生徒さんは一週間ぐらい毎日繰り返し練習すればある程度正しい声は作られていくでしょう、それも余計な癖をつけること無く。
実際に起きている状態をアナウンスしてもらえるのが一番大きなメリットかと思います。
おわりに
本気で悩んでいるならばレッスン受けましょう。
上で書いたように独学での練習はどうしても振り幅が大きいです。早く上手くなりたいのであれば独学では中々上手く行きません。
独学で一年かかったものが、レッスンを受けると一ヶ月二ヶ月で改善されることも少なくありません(私の実体験です笑)。
そんな感じで今回はここまで!