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ボイストレーニングをする上での『失敗』の設定|どれくらい許容するか

ボイストレーニングTips
Image by Mildred Rios from Pixabay

レッスンをしているとよくクライアントさんが発声した後「今の上手くできてなかったと思うんですが、こんなのでいいんですか?」と質問されることがあります。

クライアントさん自身は自分の発声が私の指示通りにできてないんじゃないか?と思っているけれど、トレーナーである私は特に何かを指摘することなくレッスンを進めるので「今の大丈夫でした?」と聞かれるということです。

そういうときに私は今回の記事のテーマである『失敗』とする設定、どこまでを許容しスルーして、どうなったら失敗としストップするのかということに関してお話します。

この練習する際のスルーとストップはレッスン以外の自主練習の際にも非常に重要になってくるので、今回はこれについて解説していこうと思います。

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絶対に外したくない要素を確認しておく

↑の記事にあるように、基本的には超初期段階の全く狙った声が出せない、掠ってもいないといった状態であれこれ探っているような状況でもないのであれば、ボイストレーニングとしてなるべく外したくない要素は音高です。

これはレッスンでも同じで、狙った喉の状態がありそれを維持しながら発声する際に音量や音色が多少狙いからブレたとしても音高が狙い通りに維持できているのであれば、ブレの程度にもよりますがスルーすることが多いです。

他方で訓練の狙い的に音高が多少ブレてもいいからとりあえず狙った喉の状態を維持しながら発声することに慣れてほしいという場合、音量や音色のブレ具合によってスルーか失敗、つまりストップするかが変わります。

練習する際にもこの『絶対に外せない要素』を設定することが重要です。

ここが分かっていないと練習は常に当てずっぽうのなんとなくでしか進めることができなくなります。つまり↓の記事にあるような「狙ってない状態になっている時間の方が長い練習」になってしまう可能性が高いということです。

段階的に許容する範囲を狭めていく

当たり前ですが、いつまでも音高だけは届いているけれど他の要素は何かしらブレているという状態を続けても成長には繋がりません。

徐々に許容するブレを小さくしていく必要があります。ただこれは中々独学で自分自身の声を自分で聞いて調整するというのは難しいと思います。

例えば↑のような裏声を練習しているとして、まずは出そうとしている音高にしっかり当て続けられているのが最低条件です。

そこから完璧に狙い通りの状態でなくても、とりあえず音高が維持できる範囲でいいから徐々に要素を付け足していきます。

  1. 喉頭の位置は平常時よりもほんの少し下がっている
    音色も普通の裏声と比べると少し暗いかな?という程度
  2. 喉頭の位置は平常時よりも明確に下がっている
    音色も普通の裏声と比べると明確に暗さを含んでいる

初めは誰しもが上記の1のような状態です、いきなりお手本通りの発声が出せるというのはめちゃくちゃに低い確率でしょう。なのでまずは1の状態を探り慣れていく必要があります。

そして次の段階では1から2にしていきます。その際に1の時と比べて音高を上げ下げしないと上手く鳴らせないかもしれないし、音量も大小させないと2の状態にならない可能性も高いです。

この細かい調整が非常に難しく、あまりにも1との差がない状態を続けても成長しないし、かといって無謀すぎる要素の調整をしてしまうと新たな癖や固着を生む可能性が高いです。

つまりはこの成長もしない、なんなら続けると完全に逆効果になる可能性が高い状態が『失敗』だと捉えていいでしょう。

まとめ:レッスンを受けていたらあれこれ考えなくてOK

私は常にここに書いたようなことを考えてレッスンを進めています。なのでこの記事の冒頭に書いたようなクライアントさん自身は「上手くできてないのに指摘されないけど大丈夫?」という状況でも、こちらとしては許容範囲内に収まって、これを繰り返していけば好転するであろうという状態になっているからスルーするわけです。

逆にその状態で練習を続けると意味がない、もしくは逆効果になりうるな~ってときはすぐさまストップします。なのでいちいち止められないということはクリティカルに良い状態じゃない可能性は高いけど、基本的には上手くできていると思っていいです。

↑に書いたようなことはまともなボイストレーナーであれば恐らく全員が意識しているかしていないかはわかりませんが、レッスンでやっているはずなのであれこれ考えたくない場合はレッスンを受講してリアルタイム診断してもらいましょう。

現状レッスンを受けていて、あまりトレーナーから指示されないから不安だという方も時々いらっしゃいますが、そのときはストレートに聞いてみましょう。恐らくここで書いたようなことを答えてくれると思います。